通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)が関わる高級電気自動車で、ドア機能の不具合を映した動画が拡散した後、SNS上から削除され、削除対応に疑問の声が広がっている。
問題の動画は2026年3月、浙江省杭州市の投稿者が短編動画アプリ「抖音」(中国版TikTok)に投稿したものだ。動画では、華為系ブランド「尊界」の車種「S800」に乗り込んだ乗客が、車内カメラに向かって手を動かしドアを閉めようとする様子が映っていた。
この車には、手の動きを認識してドアを自動で閉める機能が搭載されているとされる。しかし映像では、乗客が十数回にわたり手を動かしても反応せず、約20秒後、あきらめて手でドアを引いて閉める結果となった。
動画には「誰かを呼んでいるのかと思った」といった皮肉を込めた説明が添えられ、「最先端技術」をうたう宣伝を揶揄する形で拡散した。投稿から18時間で約750万回再生、11万件以上の「いいね」を記録し、コメント欄には「技術が安定していないのではないか」といった疑問の声が相次いだほか、過去に報じられた「ドアが開かない不具合」や「車両火災で乗員が死亡した事故」「自動運転の制御不良」などにも言及が広がり、「強い後ろ盾がなければ企業は存続できないのではないか」といった厳しい批判も相次いだ。
しかしこの動画は翌日、抖音側により削除。理由は「他人のプライバシーを侵害したため」としている。急速に拡散した直後の削除対応に対し、ネット上では疑問や不信感が広がっている。

尊界S800は中国国内で約100万元(日本円で約2千万円)という高級モデルで、「先進技術」を売りにしている。ただし発売後まもなく、利用者からはさまざまな機能について「実際の使い勝手が悪い」との指摘が出ている。
今回問題となった機能について、メーカー側は「車が停止状態であること」と「手の動きが車内カメラの認識範囲に入ること」が必要条件だと説明している。
一方、利用者からは、何度も手を動かし試してもドアが反応せず、最後は手で閉めるしかなくなるなど、車内で気まずい空気が流れる場面が繰り返されているとの声が上がっている。
結局、不具合そのもの以上に、その後の対応が、製品への信頼を大きく揺るがせている。
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