日本とフィンランド両政府は10月26日、防衛装備品や技術の共同研究・開発・生産を促進するため、「防衛装備品及び技術の移転に関する協定」に署名した。両国間で移転する装備品や技術の適正な管理に関する法的枠組みを整備し、安全保障・防衛協力の強化につなげる。日本政府は、防衛産業の生産・技術基盤の維持・高度化にも寄与すると期待している。
署名式は26日午後1時25分から外務省で行われ、茂木敏充外務大臣と来日中のアンッティ・ハッカネン・フィンランド国防大臣が協定に署名した。続いて午後1時30分から約30分間、両大臣による会談が行われた。
今回の協定は、両国政府が参加する防衛装備品や技術の共同研究・開発・生産などを進めるため、装備品や技術の移転に関する取り扱いを定めるものだ。移転された装備品や技術が当初の目的以外に使用されたり、第三国に移転されたりすることについて、適正な管理を確保する仕組みを設ける。
外務省は、協定によって両国の防衛装備品・技術協力が一層緊密になり、安全保障・防衛分野での協力強化につながると説明している。また、日本の防衛産業が持つ生産能力や技術基盤の維持・高度化を通じて、日本の安全保障にも寄与するとしている。
署名後の会談で茂木外相は、欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障は不可分であると指摘し、価値や原則を共有する戦略的パートナーであるフィンランドとの協定署名は大変意義深いとの認識を示した。これに対し、ハッカネン国防相は両国の安全保障協力が進展していることを歓迎した。両大臣は二国間関係や地域情勢について意見交換し、今後も緊密に連携することで一致した。
両国の防衛装備協力は、すでに具体的な事業として進んでいる。防衛省は2022年12月、陸上自衛隊が運用する96式装輪装甲車の後継となる次期装輪装甲車に、フィンランドの防衛企業パトリア社が開発した「AMV」を選定した。実際に提案された車両は、その発展改良型である「AMV XP」で、基本性能や調達・運用経費などが評価された。
この装輪装甲車については、日本製鋼所による国内ライセンス生産が進められている。
両国間では、装輪装甲車の現地生産や技術移転にとどまらず、防衛産業や先端技術をはじめとする安全保障全般における協力の深化が期待されている。
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