悪魔が世界を統治している 九評編集部:悪魔が世界を統治している

第十六章:環境主義の裏にいる共産主義(下)

2019/10/23
更新: 2022/05/23

目次

2. 気候変動の「共通認識」という神話(続き)
a. 「共通認識」に反論する科学者たち
b. なぜ環境主義科学主義者たちは大災難のシナリオを主張するのか

3. 環境主義:形を変えた共産主義
a. 政治的な浸透:世界政府の樹立
b. 資本主義を批判する
c. 反論意見を抑圧するメディア
d. 路上革命のために操られた「市民」グループ
e. 反人間主義という新宗教

結論:環境危機を回避するために、神を敬い伝統を復活させる

参考文献

 

2.気候変動の「共通認識」という神話(続き)

 

a. 「共通認識」に反論する科学者たち

既述したように、気候変動の主な原因が人類の活動なのか、また気候変動が将来どのような影響を与えるのかについて、科学者たちはさまざまな見解を持つ。見解にばらつきがあるのは理由がある。第一に、気候変動に関わる分野は非常に多くて幅広く、かつ複雑である。天文学、気象学、エコロジー(生態学)、光化学、分光法、海洋学、またその他の分野が含まれる。さらに、気候は地球の大気、水圏、生物圏、岩石圏など、相互作用する下部組織を含む。気候には多くの物理的、科学的、生物学的なプロセスが存在するが、われわれはそのほんの一部しか分かってない。

地質学的な歴史を見ると、地球は度重なる地球温暖化を含めて、一度も気候変動を止めたことがない。3千年以上前、古代中国の殷の時代、中原(華北平原の一部)は亜熱帯気候だった。当時の甲骨文字は、人々が象を狩る様子を伝えている。当時の平均気温は現在より2度高かったと推定されている。また、唐の時代(626-907)にも温暖な時期があり、中国北西部にあった長安の都に柑橘類の実が成ったと伝えられている。【1】 西洋では、950~1250年の温暖期に、中世ヨーロッパ人が非常に精巧な建築物を建設している。【2】

地質学の記録によると、およそ1万1270年前、北半球は急激に温暖化し、平均気温は数年でおよそ4度上昇した。また、およそ1万1550年前のヤンガードリアス期(更新世の終わりのヨーロッパの気候区分)には、平均気温が数十年で10度上昇している。【3】 これらの気候変動の原因については、いまだに科学者の間で議論が続いている。

従って、われわれは歴史上にあった温暖期の原因も分からないのだから、当然、現代の温暖化の原因について説明するのも難しいだろう。以前の温暖化の原因は、現在にも影響しているかもしれない。多くの科学者は、この問題についてわれわれは謙虚になり、人類の知識が及ばないことを受け入れる必要があると指摘している。

米国科学アカデミーのメンバーで、王立協会の研究者でもある著名な科学者フリーマン・ダイソン(Freeman Dyson)は、現代科学は気候変動を理解していないと指摘する。

「これらの信念の最も疑わしいところは、気候変動科学が共通認識に達し、理解されているとみなしていることである。気候変動の最たるものは氷河期で、北アメリカとヨーロッパの半分を厚さ何キロもの氷が覆った。氷河期は過去に何度も起こり、われわれは今まさしく、もう一つを迎えようとしている。新たな氷河期は、われわれが今恐れている温暖化を遥かに上回る大災難である。氷河期については多くの理論があるが、どれも真の理解には至っていない。氷河期を理解していない限り、われわれは気候変動を理解することはできない」【4】

気候問題については、その複雑性から、研究室で実験を行ったり、理論を実証したりすることができない。そのため、気象研究を行う科学者は、デジタル気候モデルに頼るしか方法がない。

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)に提供された、人類が地球温暖化の原因であると結論づけるデータは、気候変動シミュレーションからきたものである。21世紀末にどのくらい気温が上昇しているかについても、そのシミュレーションが分析したデータに基づいている。気候変動によって引き起こされる大災難の予測も、コンピューター・モデルに依拠しているのである。

しかし、これらのモデルにはおのずと限界があり、また多くの科学者はその信頼性について意見を保留している。ジュディス・カレーによれば、気候変動モデルには自然要素が含まれていないことが大きな役割を果たしている。【5】 彼女はジャーナル誌「Bulletin of the American Meteorological Society」に寄稿した文章の中で、IPCCはモデル計算に伴う不確実性の大部分を無視していると指摘している。【6】

気候変動についての理解に浅く、あるいはコンピューターの技術不足のせいかもしれないが、いくつかの事実は現実的な気候モデルに反映されないだろう。科学者は雲の形成(雲と水蒸気の相互作用を含む)、降水量、雲と太陽光の相互作用、エアロゾルの化学的・物理的なプロセスなどの不完全なデータを利用してモデルをパラメーター化(単純化)して説明しようとする。【7】 しかし、これらすべてがモデルに大きな不確実性をもたらす。

最も豊富で大気の温室効果ガスに重要な役割を果たす水蒸気も時期や場所によって変化するし、それに伴う不確実性も大きい。【8】 高度が違えば水蒸気の温室効果ガスも異なる。衛星による水蒸気の鉛直分布の測定には最大40%の誤差がある。【9】

低空にある雲は反射日光のため強い寒気を伴い、高高度にある半透明の巻雲は暖気を伴う。火山噴火などによるエアロゾルは太陽光を遮断するため冷却効果があるが、すす粒子は放射を吸収するため温暖化の役割を果たす。一方、エアロゾルは雲を形成しやすいため、間接的に冷却させる。空間的・地理的なエアロゾルと雲の分布、またその光学特質は、地球上の場所によって大きく異なっている。また他の要素が、地域の植生などのアルベド(天体外部からの入射光に対する反射光の比)に影響を与えている。

十分な観察資料に乏しく、また現代の科学者たちの理解も不十分なために、これらの気候モデルのパラメーター化は彼らの自由裁量(つまり恣意性)に任されており、それが更なる不確実性を生んでいる。これらの不確実な要素がモデルの妥当性に疑問を投げかける。例えば、温室効果ガスである二酸化炭素は、地球1平方メートルあたり2.5ワットの放射強制力を放出する。【10】 一方、地球は1平方メートルあたり、1366 ワット【11】の放射太陽エネルギーを浴びている。エアロゾルや雲モデルの不確実性によって起こる1000分の2のアルベド変動は、心配されている温室効果ガスを遥かに上回る。

ハーバード大学のウィリー・スーン(Willie Soon)やその他の科学者らは、将来の気候変動を予測するうえで、気候モデルは適切ではないと主張する。【12】 プリンストン大学の物理学者ダイソン(Dyson)は、モデルのパラメーター化を「誤差」(Fudge Factor)と呼ぶ。なぜなら、パラメーターは人為的に調整できるからである。われわれはモデルから学ぶことはできても、予測することはできないとダイソンは言う。「われわれは公式を与えられた…しかし、それを異なる気候にあてはめようとした時、例えば二酸化炭素を2倍にしても、それが正しいという保障はない。そのような方法でテストすることはできない」。【13】 ダイソンはさらに、IPCCが気候システムにおける太陽の役割を大幅に無視していることを批判している。彼は気候変動の鍵は人間ではなく太陽であるとする説を唱えている。

イスラエルの科学者ニル・シャビブ(Nir J. Shaviv)は衛星が測定した雲量と宇宙線量の相関性を観察し、地球の氷河期は宇宙線に関係していると指摘している。2002年以降、彼は宇宙線が気候変動を引き起こしたと結論づける論文を継続して発表している。同時に、彼は太陽放射線の変動も似たような(小規模だが)役割を果たし、それは21世紀の平均気温上昇に伴った人類活動と一緒だと指摘する。彼は、人類の活動による温室効果ガスが温暖化にもたらした影響は、これまで言われてきたほど大きいわけではないと主張している。【14】

また、まだ解明されていない気候内部の変動を、デジタル気候モデルに正しく反映することは難しい。現行の気候モデルはエルニーニョ現象を正確に描写することができないし、ましてやその予測も不可能である。【15】 完新世(7千~9千年前)の温暖期の頃から、地球の気温は0.5~1度下がっているが、モデル計算では過去1万1千年の間に0.5~1度上がっている。6千~7千年前に二酸化炭素の濃度が上昇したという事実を考慮すると、このモデルは温室効果ガスの温暖化のみに敏感であることが分かる。【16】 一般的に、このモデルには温室効果ガスによる温暖化のみが示され、気候変動に影響を与えるさまざまな要素による冷却効果は正しく反映されていない。

さらに、1998~2013年にかけて観察された気温の上昇もある。ドイツの化学者ハンズ・ボン・シュトルヒ(Hans von Storch)は2013年に言った。「われわれは困惑している。二酸化炭素は実際に、われわれが思っていた以上に上昇している。その結果、ほとんどの気候モデルでは、過去10年でおよそ0.25度の気温上昇が予測された。しかし、それは起こらなかった。実際には、過去15年間で起きた上昇は0.06度、つまりほとんどゼロである」。シュトルヒは、このモデルは恐らく二酸化炭素を過大評価していたか、あるいは気候変動における自然要素の影響を過小評価していたと指摘する。【17】

また、気候変動の内部で起こるプロセスをどう観察するかについては、科学者の間でさまざまな議論がある。物理学者のリチャード・リンゼン(Richard Lindzen)は、気候変動の中に自己制御のメカニズムが働いており、それが大きく温室効果ガスの温暖化効果を減らしていると言及している。彼の2001年の論文によると、熱帯の高度巻層雲(太陽光を通すが、地表から反射する赤外線を遮断し、温室効果がある)は海水温と反比例するため、温度が上がると、雲量は減少する。これにより、地表は熱を宇宙へ逃がし、赤外線にも邪魔されない。これは温室効果ガスを大幅に減らし、人間の瞳(露光量によって自己調整する)にも似た自己制御メカニズムである。【18】 リンゼンの主張は今でも議論を呼んでいる。

元NASAの科学者でアラバマ大学のロイ・スペンサー(Roy Spencer)は、衛星測定のデータをまとめ、雲量について異なる見解を表明している。それによると、現在の気候モデルは観察される雲の形成と消散を気温変動の機能としているが、実際の状況は反対だという。彼は、雲量の変化が気温変化を起こしているため、温室効果ガスによる温暖化効果は、現在の気候モデルが予測していたレベルよりかなり小さいと結論づけている。【19】

気象学データの解釈や信頼性について、科学者はそれぞれ異なる見解を持つ。IPCCの主著者の一人でアラバマ大学の地球科学システム研究センターのセンター長ジョン・クリスティー(John Christy)は、地方気象台近くの都市表面ガス貯留層(大気境界層)の摂動を観測した。人類の活動が活発になると、地表温度が上昇すると信じられていたからである。

過去100年の地表温度上昇のデータによれば、夜の最低気温は、昼の最高気温を上回るスピードで低下していた。クリスティーは、温室効果ガスではなく、地表における人類活動の上昇が、この現象を説明していると指摘する。【20】

さらに、温暖化の影響についても科学者の間で意見が分かれている。例えば、デラウェア大学気候学センターのデービッド・レゲーツ(David Legates)は、2014年に開かれた米上院公聴会で証言している。「私の全体的な結論は、アメリカにおける干ばつは、寒冷期の方がより頻繁に、激しく起こっているということだ。従って、歴史的なデータは、地球温暖化が農作物にダメージを与えるという主張を支持しない」【21】

元プリンストン大学副学長ウィリアム・ハッパー(William Happer)は公聴会で、現在の二酸化炭素レベルは史上最低であり、二酸化炭素の上昇は植物や農作物によい効果をもたらすが、IPCCはその事実を無視していると主張した。ハッパーは1990年代、米エネルギー省エネルギー研究オフィス担当時に気候モデルを創設した人物である。彼は、現存の気候モデルが予測した気温上昇は、実際に観測されている気温より遥かに大きいと指摘する。彼によれば、モデルは気候システムの変動性を過大評価しているからである。【22】

b. なぜ環境主義科学者たちは大災難のシナリオを推進するのか

IPCCの主著科学者はかつて次のように述べた。「もし将来のために、よい環境政策の導入を望むならば、われわれには災害が必要だ。それは、公共交通機関の安全対策と似ているだろう。人類に行動させる唯一の方法は、事故を起こすことである」。【23】 後に、彼はデータ改ざんを主張したわけではないと説明しているが、彼のメッセージは明白である。行動と政策決定の原動力は災害である。

地球温暖化と異常気象を結びつけ、気候問題を誇張するやり方が流行っている。さらに、この流行に迎合するような科学的推論が継続的に報告されている。

2014年初め、北アメリカは極寒の冬を迎えた。極寒の理由の一つとして、地球温暖化による北極の雪の溶解がジェット気流に変化をもたらし、極端に冷えた北極の空気が南へ移動したため、より頻繁に寒冷な気温をもたらしたという説明がなされた。このような反直観的な仮説がメディアや環境主義者たちによって伝えられた。極寒の気候でさえも、地球温暖化のせいだと主張するのである。実際、長期的な気象学のデータによれば、北アメリカで極端に気温が下がる現象は減っており、その反対ではない。

2014年、5人の著名な気象学者たちが共同で、サイエンス誌にこの現象をイラスト入りで説明した。それによれば、1960年代初頭から1970年代後半にかけて(特に1977年)、さらに1983年、北極の氷が今よりもっと厚かった頃、2014年よりも厳しい冬があったという。過去50年から100年にかけて確かなのは、極端に気温の下がる頻度が減っていることである。【24】

気象科学者ジョン・ウォーレス(John Wallace)は述べている。「極端な天候と気候変動を結びつけるのは見かけほど簡単ではない。サンプルのサイズのため、統計的な推論も制限される…その結びつきが、熱波の時のように統計的に妥当であったとしても、そのケースがより激しくなればなるほど、地球温暖化が異常気象に果たす割合は小さくなる…異常気象と気候変動が関連しているメカニズムが分かってさえいれば、サンプルのサイズが小さいことなど問題ではないが、残念ながら、われわれはそのメカニズムが分かっていないのだ」【25】

2017年11月、元米エネルギー省科学担当次官スティーブン・クーニン(Steve Koonin)は、ウォール・ストリート・ジャーナルに「虚偽的な新しい気候レポート」という記事を投稿した。彼は記事の中で、アメリカ政府の気候科学特別報告書が、海面上昇について不正確に伝え、災害不安をあおっていると批判した。【26】

気候科学特別報告書によると、1993年以降、海面は20世紀に記録された速さの2倍のスピードで上昇しているという。しかし、報告書が無視しているのは、最近の上昇スピードが、人類の活動が非常に少なかった20世紀初頭のスピードに相当することだ。これは、省略することによる誘導的な説明である。報告書の要約によれば、1960年代中期より、アメリカにおける熱波の頻度は高くなっている。しかし、報告書から漏れているのは、現在の熱波の頻度は、1900年代よりも多くないということだ。

2014年の全米気候評価報告書も似たような脅しを使っている。報告書は、1980年代以降、ハリケーンの強度が上がっていると指摘するが、長期的なデータを無視している。アメリカ海洋大気庁は最近、人類活動が原因でハリケーンの強度が上がっているとする証拠は見つからないと発表している。【27】

実際、1930年代に頻繁に観察された熱波は、21世紀には起こっていない。アメリカ環境保護庁の熱波インデックスによれば、1930年代の4年間の平均熱波は0.45、一方、21世紀に入って最も暑かった年のインデックスは0.3である。【28】 1930年代における温室効果ガスの排出量は、21世紀の10%である。【29】

イギリスのティンドール・センター気候変動研究所のマイク・ヒューム(Mike Hulme)は言った。「過去数年間で、新しい環境現象がこの国でつくられた。その現象とは、『大災難の』気候変動である。単なる『気候変動』という悪では十分ではないため、『大災難の』と言えば注目に値するようだ…なぜキャンペーンを宣伝する人のみならず、政治家や科学者たちでさえも、公に脅威、恐怖、災害といった言葉を、観察できる気候変動の物理的事実と混同するのだろうか。なぜ彼らは科学予測に伴うリスク回避を無視するのだろうか?」【30】

故スティーブン・シュナイダー(Stephen Schneider)は、気候の「共通認識」を主張し、IPCCの第三次評価レポートのワーキング・グループIIのリーダーだった。ヒュームの懸念について、シュナイダーは言った。「われわれは、一般大衆のイマジネーションを掴むために、幅広い支援を得なければならない。勿論それには多くのメディア報道も必然的に伴うだろう。従って、われわれは恐怖のシナリオ、単純化、扇動的な主張を提供し、疑問点については極力触れないのだ」。シュナイダーによれば、科学者は「効果的になるか、それとも正直になるか」のどちらかを選択しなければならず、彼は両方を備えたいと言った。【31】

気候変動による危機という仮説は、人々に大きな衝撃を与える。その裏にあるのは、世界政府を樹立しようとする腹黒い連中だけでなく、科学界の倫理観を破壊する勢力である。気象学は生まれて数十年の歴史の浅い学問である。しかし、地球温暖化を取り巻く仮説は未熟であるにも関わらず、すでに事実として伝えられている。メディアは水面下の不確実性を隠し、地球温暖化を大々的に報道する。莫大な政府の補助金が地球温暖化研究に流れている一方、他の研究は排斥されている。「共通認識」を設定し、強化する過程で、共産主義の闘争と憎悪がむき出しになっている。

科学者が「共通認識」を構築し、メディアや政治家が気候変動の大災害という「共通認識」は「科学的に証明された」と宣伝する。その宣伝は世界中に拡散され、論破を許さない教義となる。人々の思考は統一され、複雑な善悪の概念が人々の心に植えつけられた。

本章の前半で述べたが、イギリスでグリーンピースのエコテロリズムが無罪とされたのも、まさにこのいわゆる温室効果ガスが気候災害をもたらすという共通認識に基づいている。この教義のために作られた数々の規制や政策が世界を混沌に陥れている。手段を選ばすに旧世界を破壊しようとするのが共産主義のやり方である。これらの対策は、すべて偽物の解決策へと誘導する。つまり、世界政府である。危機をでっちあげ、地球と人類を救うという見せかけの目的を達成するためである。

 

3. 環境主義:別の形の共産主義

 

共産主義は衰退し、その政治的・経済的な問題が暴露された。しかし、過去数十年間、共産主義は環境主義にとり憑き、彼らのアジェンダを推進している。

a. 政治的な浸透:世界政府の樹立

共産主義の重要な手法の一つは、政府を使って人々の財産や自由を奪い、国家権力を無限に拡大することである。民主的な西洋社会でその手法を使うのは非常に難しい。しかし、環境主義が共産主義に魔法の武器を授けた。人々は「環境保護」の名のもとで権利を奪われるようになった。

第一に、環境主義のイデオロギーが富の再分配に使われている。伝統的に、共産主義は革命による富の再配分を主張する。しかし、何年も経つと、このやり方は非常に難しくなってくる。従って、環境主義者は環境災害を回避するためと称して、人々に自由と財産を放棄させる手法をとった。フレンズ・オブ・ザ・アース(Friends of the Earth)のキャンペーン担当者は国連会議で言った。「気候変動対策の本質は、富と資源の再分配がなければならない」【32】 ウェストミンスター大学の環境保護活動家は、記者に対して「好きと嫌いに関わらず」、炭素割当を「強制しなければならない」と述べ、「民主主義は地球保護とその上に暮らす生物の絶滅より重要ではない」と語った。【33】

気候変動に対する「闘争」の中で、イギリスは初めて個人の炭素排出量割り当てクーポンという概念をつくった。あるイギリスの科学者はそれを「すべての人々が同じ割当量を持つ新しい貨幣の導入だ。他の貧しい人から炭素割当を買うことにより、富の再分配ができる」【34】

ソ連や中国などの共産国に居住したことがある人は、これらの炭素排出量割当が全体主義を構築するやり方であることに気づくだろう。中国ではかつて、食料クーポンが料理油や穀物、衣服など生活用品の購入に使われた。食料割当によって、富が再配分される。一方、中央政府は人々の富と自由に対する絶大な権力を持つ。

環境主義のイデオロギーも同様に、個人の自由を削減するために使われる。伝統的に個人の自由を誇りとする西洋社会において、人々に自分の権利を切り捨てさせ、個人の人生に制限を加えることは非常に難しい。しかし、人々に環境災害という妄想を植えつければ、簡単に自由と権利をあきらめさせることができる。「地球温暖化」と「地球最後の日」という言葉が環境主義の便利なスローガンだ。オーストラリアの炭素センス連合(Carbon Sense Coalition)は、地球温暖化問題への取り組みとして、下記の政策を提案している。

・暖炉とダルマストーブの禁止
・白熱灯の禁止
・ペットボトル飲料水の禁止
・一部の地域から来る自家用車の禁止
・プラズマテレビの禁止
・新空港の禁止
・既存空港の拡張禁止
・電化製品の「スタンバイ」モード禁止
・石炭火力発電の禁止
・電気温水システムの禁止
・自家用車でレジャーを楽しむことを禁止
・3連休の週末は禁止
・赤ちゃんに課税
・大型車に課税
・スーパーの大型駐車場への課税
・ゴミに課税
・別荘に課税
・2台目の車に課税
・レジャー目的の航空便に課税
・太陽光発電補助のための電気に課税
・大型車展示場への課税
・都市部へ入る車にエコ税を課税
・自分の居住区を超えて車で移動するときには許可が必要
・電化製品の選択を制限する
・炭素クレジットをすべての人に発行する
・燃費基準を設定する
・ノルウェーのヘラジカを利用してメタン生成を減らす方法を調査する
・バイク走者がより慎重になるように、道路の白線ラインをなくす【35】

また、環境主義は大きな政府をより拡大するために使われる。すでに欧米諸国では大きな環境保護機関が設立されているが、環境を理由に新しい機関が乱立し、既存機関の権威を拡大している。すべての機関は自己保存と拡大のために、より官僚的になる傾向があるが、環境保護機関も例外ではない。彼らは手中の権力を利用して環境的な大災害を人々に宣伝し、より多くの資金を入手しつつ政府の中で自分たちの地位を固めている。結局、そのコストを受け持つのは納税者である。

サンフランシスコ市は、年俸160万ドルで気候チーフを雇うことにした。ロンドンの貧しい行政区域の一つタワー・ハムレットは、気候変動に関わる58の公的地位を設けることにした。【36】 それは、大学や企業が「ダイバーシティ」担当者を雇用するロジックと同じである。

環境主義は、民主主義を時代遅れとみなし、多国籍の、あるいはグローバルな全体主義政府の樹立を主張する人たちに使われる。環境主義者たちは、民主主義では間もなく到来する自然災害に対応できないと呼びかける。彼らは、危機を乗り越えるために、全体主義または独裁主義の政府、あるいは少なくともその側面を持った機関の樹立を訴える。【37】

作家のジャネット・ビール(Janet Biehl)はこれを、「環境危機は全体主義でしか解決できない」「エコ専制政治が必要だ」という思考だと指摘する。【38】 その明確な理由は、自由社会では緑の政治が推し進めるアジェンダを遂行できないからだ。

環境主義創設者の一人パウル・エールリヒ(Paul Ehrlich)は、著書『How to Be a Survivor: A Plan to Save Spaceship Earth』(仮題:いかに生き残るか―地球船を救う計画)の中で提案している。

1. 先進国も発展途上国も、人口抑制を導入する。
2. 先進しすぎる国は後進させること。
3. 発展途上国は、中進国に留めておく。
4. 世界システムを監視し、規制する手順を確立すること。引き続き人口、資源、環境の最適バランスを維持するよう努める。【39】

現実的に見て、世界政府を除いて、これらの権力を行使できる政府や組織は存在しない。そのため、環境主義を利用し、専制的な世界政府の創設が提唱されるようになった。

最終的に、環境主義プログラムは共産主義システムの方が優秀だと唱え、共産主義の全体主義を称賛するようになる。人口増加は資源の消耗、炭素の排出、製品の消費を促すため、環境主義者たちは人口抑制あるいは人口削減を訴える。多くの欧米環境主義者たちが中国共産党の人口抑制政策を導入したがる所以である。

ロイター通信の報道によると、1980年代に導入した一人っ子政策により、中国共産党は人口を13億人に留めることができたという。もし制限しなければ、中国の人口は16億人になっていたと推定されている。記事はさらに、この政策により世界の炭素排出量削減にも貢献したと指摘している。しかし、この報道が無視しているのは、数百万人に及ぶ若い命が殺されていること、またそれによる悲劇が多くの家庭にもたらされていることだ。

最も大きな環境問題の一つは空気と水の汚染を含む公害である。中国共産党の経済モデルは驚異的なスピードでエネルギーを消費するため、都市部の水と空気が汚れ、中国は世界最大の汚染国となった。中国の川の大部分は飲料水に適さない。中国からの黄砂が韓国と日本を覆い、一部はアメリカ西部にまで飛来している。

客観的に見れば、環境主義者は中国を批判するのが筋である。しかし、多くの環境主義者たちは共産党を支持し、また興味深いことに、環境保護の希望とまで褒めたたえる。環境に関するニュースを幅広く伝えるアメリカ共産党のウェブサイトPeople’s Worldは、トランプ政権の環境政策が国と世界を破壊すると批判し、中国共産党が世界を救うと宣伝する。【40】

元チェコ共和国大統領で経済学者のヴァーツラフ・クラウス(Václav Klaus)は著書『Blue Planet in Green Shackles: What Is Endangered: Climate or Freedom?』(仮題:緑の鎖に繋がれた青い地球―何が危機なのか:気候か自由か?)の中で指摘している。「環境主義は結果に関わらず、過激に世界を変えようとする運動である(人間の生命を犠牲にし、個人の自由を厳しく制限して)。それは人類、人間の行為、社会構造、価値のシステムを変える意図を持っている―全部すべてだ!」【41】

環境主義者たちの自然に対する態度は、マルクスの経済に対する態度と同じであるとクラウスは指摘する。「両方がめざす目的は、自由で自然発生的な世界の発展(さらに人類も)をなくし、最適であろうと思われる、中央集権型の、あるいは(現代流行りの言葉で言えば)、グローバルな世界発展計画を導入することである。共産主義にも多く見られたように、このアプローチはユートピア(空想主義)的で、結果は思っていたのと完全に違うことになるだろう。他のユートピアと同じく、これも決して実現することはなく、またそれを遂行する過程で、自由の制限、少数エリートによる専制政治が大衆を抑圧する」【42】

「このイデオロギーは地球と自然保護のスローガンを掲げて教義を説く。これは旧いマルクス主義と一緒である。自由で自然発生的な人類の発展をなくし、代わりに中央集権的な(いまはグローバルな)世界全体の計画を推し進めたいのである」【43】

このような理由から、クラウスは、環境保護という名目で国家あるいは世界政府を樹立し、大衆を従属させることに強く反対している。

b. 資本主義を批判する

共産主義の目的の一つは、資本主義を転覆することである。環境主義は資本主義を環境の敵とみなしているため、両者の敵は共通している。共産主義は欧米での労働者運動で敗北した後、環境主義を乗っ取ることに力を入れた。単なる環境保護活動が、資本主義打倒という活動に変異した。

もともと共産主義はユートピアを唱え、「地上の楽園」を呼びかけながら、既存の社会制度を転覆する革命をあおった。環境主義の仮面の下で、共産主義は似たようなことを行っているが、彼らが描くビジョンは全く反対である。労働者の素晴らしいユートピアの代わりに、恐ろしい暗黒の「地上の地獄」を唱える。彼らのシナリオによれば、人類はこの100年間で、地球温暖化、地滑り、津波、干ばつ、洪水、熱波により生存の危機に晒されるのだ。

この運動に起用されるのは貧しい人々ではなく、比較的に裕福で、既存のライフスタイルを放棄できる人である。しかし、人々に快適で便利な生活を放棄させるには、政府の介入が必要である。一つの政府では十分でないため、権威付けされた国連あるいは世界政府が管理する。もし運動を開始することができなければ、迫りくる経済危機を宣伝し、大衆をパニックと恐怖に陥れ、市民と政府が強制的な環境政策を受け入れるよう圧力をかける。このやり方で、資本主義を破壊し、共産主義を植え付ける。

古典的な共産主義のやり方を見てみよう。最初のステップは、彼らが権力を収めた後、貧しい者に与えるという名目で富裕者の富を奪うことである。しかし、実際には、貧者は貧しいままであり、すべての富は腐敗官僚の懐に入る。2番目のステップは、国家主導の経済を設立し、私有財産をなくすことである。これにより、国家経済が破たんし、市民全体が厳しい生活を送ることになる。

次に、環境主義の目的を見てみよう。最初に、彼らは裕福な国家に対して、発展途上国に援助を与えることを呼びかける。これは、グローバル規模の富の再分配である。しかし、実際には、最貧国は貧しいままである。なぜならば、発展のために寄与された資金はほとんど腐敗官僚の手中に収まるからだ。

第二に、環境主義は政府を拡張し、市場経済を廃止して計画経済を導入することを主張する。厳しい環境保護政策を利用し、通常の資本主義経済を阻害し、ビジネスを閉鎖あるいは海外移転に追い込み、国の経済を停滞させる。環境主義は、この手法で資本主義を麻痺させている。その意味では、環境主義は古典的な共産主義と極めて似ている。簡単に言えば、環境主義は名を変えた共産主義であり、世界に大災難をもたらす。

環境主義の狙いは、将来の大災難を宣伝し、大衆と政府を恐怖に閉じ込めることである。しかし、この世界の終末を積極的に宣伝する人の多くは非常に贅沢な生活を送り、大量のエネルギーを消費しながら、多量の二酸化炭素を排出している。彼らが迫りくる災難など考えてもいないことは明白である。
危機を利用し、特に「地球温暖化」という「共通の敵」を使って、さまざまな勢力を結集させ、資本主義に対抗する。環境主義者にとって、自然の危機を誇張することは必須なのだ。

大衆の恐怖を掻き立てる簡単な方法は、最も安価なエネルギー、たとえば化石燃料(石炭、石油、天然ガスなど)と原子力エネルギーの恐怖をあおることである。環境主義者はすでに十数年前に、人々に原子力エネルギーの恐怖を植え付けるのに成功した。現在、彼らは化石燃料が最悪の地球温暖化を招くと宣伝する。

厳格な環境規制が資本主義と戦う道具として利用され、資本主義経済を阻害し、仕事を奪っている。緑を発揚するプログラム、クリーンエネルギー・プログラム、新しい発電所の規制、厳格な車両規制、パリ協定など、これらすべてが地球温暖化を回避するという名目で推進されている。

しかし、実際には、気候科学の世界は人類の活動が地球温暖化の原因であると結論づけてはいないし、また地球温暖化が必ず災難をもたらすとも定義していない。もし気候変動が単なる自然現象だったとすれば、これらの政策は経済発展を阻害するもので、人類に何の利益ももたらさない。

環境主義の影響のもと、人々は何の科学的根拠もないまま、盲目的に車の排気ガス排出量に規制をかけ、またさまざまな科学物質を禁じている。その結果、製造コストが上がる一方で利益が下がり、失業者が増え、先進国の製造拠点がより低コストの発展途上国に移転する。環境主義者の支援者でさえも、車両全部の燃費を2025年までに1ガロンあたり54.5マイルに上げたところで、2100年までにカットできる地球温暖化は0.02度ほどだと認めている。【44】 つまり、地球温暖化を緩和する役割をほとんど果たしていない。効果の疑わしいさまざまな規制が何百万人もの労働者を犠牲にし、欧米の製造会社、研究部門、革新エネルギー、国際競争力に打撃を与えている。

環境保護の必要性から組織された企業は基本的に政府の補助金で賄っており、市場の需要に応じて機能しているわけではない。市場動向を調査する前に製品を大量生産することは非実用的である。これらの「緑の」企業がビジネスを維持することはほとんどなく、雇用市場を刺激することもない。グローバル化に押されて多くの企業が海外に移転し、自国に損失をもたらしている。

環境主義は熱心にグリーン・エネルギーを主張し、太陽光エネルギーや風力発電にとびついた。しかし、残念ながら、グリーン・エネルギーから発生する汚染は過小評価され、あるいは隠されている。太陽光パネルに使われるポリシリコンは、生産の副産物として四塩化ケイ素を作りだす。四塩化ケイ素は環境に危険をもたらす極めて毒性の高い物質である。ワシントンポストの報道によると、河北工業大学材料科学科のRen Bingyanは次のように述べている。「四塩化ケイ素を投棄あるいは埋め立てする土地は不毛となります。草も木もそこでは育ちません…それはダイナマイトのようなものです…有毒であり汚染していきます。人間は決してそれに触れることはできません」【45】

太陽光パネル製造は石炭や石油など従来のエネルギーを大量に消費する。このようなグリーン・エネルギーは、地球をグリーンにするのではなく、汚染するだけだと言ってもいいだろう。

パリ協定によれば、先進国は2025年までに、発展途上国に対して毎年1000億ドルを供与し、彼らのエネルギー構造や産業技術の改善を助けることになっている。アメリカだけで、批准した100カ国以上から支払われる財政支援のうちの75%を受け持つことになった。同時に、2025年までに、アメリカは温室効果ガスを2005年のレベルより26~28%減らすことを約束した。つまり、アメリカは毎年10憶6千トンのガス排出を削減しなければならない。
一方、アメリカを抜いて世界一の汚染国となった中国はパリ協定により、二酸化炭素排出量のピークが2030年までに達することを許された。【46】

パリ協定について、トランプ大統領は言った。

「アメリカに課されたパリ協定や、やっかいなエネルギー規制に従うならば、NERA経済コンサルティングの試算によれば、アメリカでは2025年までに270万人が仕事を失う…。

同団体の調査によれば、前政権が約束したことに従うと、2040年までに、下記の分野の製造量がダウンするだろう。製紙業12%ダウン、セメント23%ダウン、鉄鋼38%ダウン、石炭86%ダウン、天然ガス31%ダウン。その時の経済的な損失は3兆ドル近くのGDPと650万人の製造業勤務者の失業、また一家庭あたり7000ドルの減収、また多くのケースではこれよりひどい」【47】

環境運動の高まりと共に、共産主義は西洋との戦いに一息いれたようである。非理性的な規制や協定は欧米の資本主義国家の産業、経済、技術を麻痺させる。これではアメリカの役割である世界警察の力を弱まらせ、共産主義と戦う欧米の最後の砦を阻害してしまう。

われわれは、環境保護の必要性を否定しているのではない。しかし、環境保護の目的は、万物の長である人間のためでなければならない。環境保護は、人類の必要性とバランスを保たなければならない。環境保護が彼らの目的のためになれば過剰となり、人類に犠牲を強いることになり、また共産主義に乗っ取られてしまう。今日の環境主義はバランスなど眼中になく、極端なイデオロギーになった。もちろん、多くの環境主義者は善意に基づいているだろう。しかし、自身の目的のために資源を国家に集中させるやり方は共産主義と一致している。

c. 反論意見を抑圧するメディア

2008年6月、テレビ番組グッド・モーニング・アメリカは、地球温暖化が将来にもたらす影響についての特別番組を報道した。番組の中で「専門家」は、2015年に海面が急激に上昇し、ニューヨークは水浸しになると警告した。また別の専門家は、その時までに「何マイルにもわたる火事」が発生し、牛乳は1ガロンあたり12.90ドル、ガソリンは1ガロンあたり9ドルになると言った。これらの見解はかなり過激であるため、司会者はそれが本当にあり得るのかと質問した。

実際、これはメディアが本当に懸念すべき質問ではない。環境主義は「危機管理」を利用して大衆をあおるが、危機管理と不確実性は別々の概念である。科学によってまだ確定されていないのに、なぜ危機が起きると保障できるのか? 従って、環境主義は人類の将来を守ると称して、反論意見を抑圧し、科学的な共通認識があるフリをして大衆の間に一定の認識を植え付ける。

デンマークの経済学者ビョルン・ロンボルグ(Bjørn Lomborg)は、著書『環境危機をあおってはいけない―地球環境のホントの実態』(The Skeptical Environmentalist: Measuring the Real State of the World)の中で、温暖化は人類の活動によるものだと述べているが、人間の適応力と技術革新により大災難を回避できると指摘した。この主張は環境主義者たちの教義にそぐわないため、彼はそれ以降さまざまな分野の専門家から批判され、嫌がらせを受けた。

IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)議長は、ロンボルグとヒトラーを比較する発言をした。デンマーク科学的不正直に関する委員会(The Danish Committee on Scientific Dishonesty)は、調査の結果、ロンボルグに「科学における不正行為」があったと結論づけた。(後に政府が行った調査で彼は無実が証明された)。ロンボルグに反論する人たちは、委員会の決定に基づいてデンマーク環境評価研究所(the Danish Environmental Assessment Institute)所長のロンボルグを更迭しようとした。ある電車の駅で、人々は彼と同じホームに並ぶことを嫌がった。ある環境主義者は、彼にパイを投げつけた。【48】

元NASAの衛星専門家で気象学者のロイ・スペンサー(Roy Spencer)は、著書『The Great Global Warming Blunder: How Mother Nature Fooled the World’s Top Climate Scientists』(仮題:地球温暖化の大失策―母なる大自然がいかに世界のトップ気象学者たちを騙したか)の中で、環境主義者たちが利用する14のプロパガンダを挙げた。それには、パニックを起こす、権威にアピールする、群集心理を推進する、勝利を保障する、個人攻撃をする、噂を作りだすなどが含まれている。【49】

2006年、記者のブレンダン・オニール(Brendan O’Neill)は、世界の多くの国々で、気候変動に疑問を呈する人々がいかに抑圧され、嘲笑されているかを暴く記事を投稿した。【50】 例えば、あるイギリスの外交官は演説で、気候変動を疑う人はテロリストと同じ扱いを受けるべきだと述べ、彼らには話すチャンスを与えるべきではないと言ったという。

オニールによれば、気候変動説に対して懐疑的な人々は、「否定者」のレッテルを貼られる。この中には、温暖化を認めているが、人間は乗り越えられると主張するグループから、科学的に温暖化自体を全く認めない人までが含まれる。「否定者」のレッテルは最強である。元エディンバラ大学英語教授のチャールズ・ジョーンズは、このレッテルはホロコーストの否定者と同じくらいに、道徳的におとしめる効果があると指摘する。オニールによれば、一部の人々は、気候変動説に懐疑的な人々をまもなく到来するエコ・ホロコーストの共犯者とみなし、将来ニュルンベルク型の裁判にかけられると主張する。著名な環境主義者はかつて次のように述べている。「最終的に温暖化が深刻になり、われわれに大きな影響を与えるようになり、世界中がその損害を最小化するために緊急事態になった時、われわれはそれらの破壊者を裁くための戦犯裁判を開くべきだ。つまり、気候のニュルンベルク裁判だ」

オニールは彼の記事の中で指摘する。「通常、そのような思考や言葉が犯罪と同等に使われるのは、独裁主義国家だけである。つまり、独裁者が「思想犯」について話し、社会組織の脅威であるとか…それはある団体を抹殺する上の近道であり、彼らの主張が有害で危険であると描写し、より厳しい検閲を求めるのだ」。【51】 彼の指摘は正しい。共産主義のやり方の一つは、思考を制限することである。人々は普遍的価値観に基づいた善悪の概念から切り離されてしまう。

ハーバード大学のある教授は、地球の歴史的な気温データを分析し、太陽が気候変動に果たす役割についての論文を発表した。彼の主張は人間が気候変動の元凶だとする教義に反するため、環境主義者たちはウェブサイトで同教授を「大量殺人を企てている」と罵り、すべての反対者を「重罪者」と批判した。【52】

このような例は枚挙にいとまがない。大きな環境主義団体の上級職員はメディアに対して、気候変動については、報道する前に中身を吟味するようにと警告した。なぜならば、気候変動反対論は、「偽の情報を拡散することになり、損害を与えるから」だという。【53】

イギリスの外務大臣は演説で、テロリストたちがメディアでの発言を禁じられているように、地球温暖化に懐疑的な人々が公共の場で意見を述べることを禁じるべきだと言った。【54】 オーストラリアの主流コラムニストは、気候変動を否定する者を「人道に対する罪」で起訴しようと呼びかけた。オーストラリアの主要な政治家が出席する会議で、否定者たちの市民権を剥奪する政策が提起された。そのうちのひとつは、オーストラリア市民を調査し、「気候環境に友好的です」と認めた人たちにのみ市民権を再発行するという政策だった。【55】

一部の人々は、気候温暖化説に反対する者を法的に抹殺しようとした。2015年、20人の学者がアメリカ大統領と司法長官に手紙を送り、RICO法(重い処罰と罰金条項を制定することで組織犯罪を根絶することを意図する法律)に基づき、気候変動に対して基準的な見解を示していない企業や団体を罰するよう促した。つまり、彼らは言論の自由を制限しようとするまでに至ったのである。【56】

2016年、数州の司法長官が結託し、伝統的なエネルギー企業が「気候変動の影響」に関して、投資者や公衆を故意に誘導していなかったかを調査し、もしそうであれば起訴すると発表した。ヘリテージ財団が指摘するように、異なる意見を持つ人々に対するそれらの申し立てや調査は、アメリカ合衆国憲法修正第1条に違反し、重要な公共政策についての議論を阻害する。【57】

d. 路上革命のために操られた「市民」グループ

大衆運動を仕掛けるのは、共産主義が国家や世界で影響力を発揮するための常套手段である。多くの環境主義団体は大勢の人々を巻き込み、環境保護キャンペーンを行っている。彼らはロビー活動をしながら政府機関と国連機関を乗っ取り、非理性的な協定や規制を策定する。また、彼らは一般大衆を黙らせるために、暴力的な事件を起こす。

左翼過激派のソウル・アリンスキー(Saul Alinsky)が述べたように、地元の、一時的な、もっともらしい、あるいはソフトな目標を達成するために、真の目的を隠して大規模な大衆運動を起こすことが必要である。一度、人々が比較的ソフトな形の活動に慣れてしまえば、彼らをより過激な目的のために駆り立てることが容易になる。アリンスキーは言った。「覚えておきなさい。一度、汚染などの一般的に認識されていることをめぐって人々を組織できれば、彼らは自ら動くだろう。その後は、政治的な汚染からペンタゴンでの汚染まで行き着くのは簡単だし自然なことになる」【58】

1970年代の初のアース・デイの時、2千万人以上のアメリカ人がアース・デイにちなんだ抗議活動に参加した。環境汚染への対応策として、人口抑制が議論された。当時、アメリカの多くの左翼団体が、人々が集まる場所にかけつけた。彼らは環境運動に参加しながら、人口抑制のために社会主義を主張した。

さまざまな左翼団体が環境主義イデオロギーを利用して、路上革命を主張した。例えば、もし国家が「人々の気候運動」を開始すれば、それは共産党の産物だとすぐに理解できるだろう。アメリカでそれに関与する団体は、アメリカ共産党、活動する社会主義党、毛沢東アメリカ革命共産党、エコロジカル社会党、社会主義労働者党、代替社会主義党、アメリカ民主社会党、自由社会党、などである。彼らは「人民の気候集会」と「人民の気候パレード」を組織した。集会で掲げられたスローガンは、「気候変動ではなく、制度変更」「資本主義がわれわれを殺す」「資本主義が環境を破壊している」「資本主義が地球を殺している」「社会主義のために戦おう」などである。【59】

これらの団体は赤い旗を掲げながら、ワシントンを含むアメリカ中の大都市を練り歩いた。【60】 環境主義は徐々に共産主義や社会主義に乗っ取られ、「グリーンピース」はすっかり赤い革命に取って代わられた。

e. 反人間主義という新しい宗教

共産主義は政治運動として環境主義をハイジャックし、反人間主義(Antihumanism)というカルトを推進した。

ジュラシック・パークの著者マイケル・クライトン(Michael Crichton)はかつて、環境主義は現代西洋における最も強大な宗教の一つだと述べた。彼によれば、環境主義は典型的な宗教的特徴を備えている。「そこには最初のエデンの園、楽園、自然の優美と一体感が存在する。知恵の木の実を食べた結果、自然の優美は公害で汚染され、われわれの活動の結果、われわれを裁く最後の審判がある。われわれは皆エネルギーの罪人であり、救済すなわ持続可能性を求めない限り、死すべき運命にある。持続可能性が、環境主義という教会での救済である」【61】

クライトンによれば、環境主義の信条の全ては信仰に関係ある。「それは罪人になるか否か、救われるかどうか、救済される側に立つか、破滅の側に立つか。われわれの人間になるか、それとも反対側の人間になるのか」【62】

この見解は多くの学者も認めている。アメリカの影響力のある環境歴史学者ウィリアム・クロノン(William Cronon)も、環境主義は新しい宗教だと指摘する。なぜならば、それは複雑な倫理規定を設け、人間の行為を判断するからである。【63】

著名な科学者で量子力学者のダイソン(Dyson)は、2008年のニューヨーク・レビュー・オブ・ブックスの記事の中で、「世界的な世俗宗教」である環境主義が、「社会主義を代替し、先導的な世俗宗教になった」と指摘した。この宗教は、「われわれの贅沢な生活による廃棄物で地球を奪うことは罪であるとし、高潔な道とは、可能な限り質素に暮らすこと」を信条とする。この新宗教の倫理観は、彼が詳しく調べたところ、「幼稚園の子どもたち、学校、大学にいたるまで、世界中で教えられている」【64】

多くの科学者たちはこの議題に真っ向から取り組んでいる。かつてIPCCの議長を務め、後にセクハラ疑惑で退任したラジェンドラ・パチャウリ(Rajendra Pachauri)は、彼の辞表の中で、環境主義は「私の宗教だ」と述べている。【65】

環境主義がイデオロギーとなり、宗教色を強めると、異なる意見に対してより不寛容になる。元チェコ共和国大統領のヴァーツラフ・クラウスは、今の環境主義は科学ではなくイデオロギーに左右されており、既存の社会を破壊しようと目論む偽宗教になったと指摘する。この新しい宗教は、共産主義のように素晴らしいユートピアを描写し、人間の知恵によって自然環境を計画し、世界を救済することを謳う。この「救済」は既存の文明に対して反対の立場をとる。例えば、国連平和大学委員会の委員長で京都議定書の考案者は、「産業化した文明を破壊することだけが、地球のたったひとつの希望ではないか?」と述べている。【66】

クラウスは、彼の見解を次のように要約している。「もしわれわれが環境主義者の理由を真剣に捉えるならば、そこには反人間主義のイデオロギーがあることが分かる」。彼は生物学者のイバン・ブレチナ(Ivan Brezina)と同意見で、環境主義は理性的ではなく、科学的なエコロジーの危機ではなく、どちらかと言えば文明全体の否定に帰着すると述べている。【67】

環境主義は、環境を守るという名目で、反対意見を述べる人々を攻撃し、人々の間に憎しみを造る。この極端な憎悪の中で明白なのは、過激な反人間主義である。カナダの政治評論家マーク・ステイン(Mark Steyn)が指摘するように、環境主義者によれば、「われわれは汚染であり、不妊だけが解決策である。子どもたちに捧げる持続維持可能な環境とは、子どもを一人も作らないことだ」。例えば、イギリス人女性のトニー・ヴァーネリは、堕胎して不妊手術を受けた。なぜならば、子どもを持つことは環境にとってよくないからだ。【68】

これは、人間が自然を破壊する主要な原因だとする思考である。自然環境が優先であり、自然は神聖なる人間の地位を遥かに超える存在である。それは人間の繁殖を抑制し、生存する権利さえも否定する。この見解は共産主義と全く同じであり、その中心には反人間主義がある。この新宗教は、人間が地球の主であるという伝統的な思想に取って代わった。しかし、宗教性、全体主義、共通認識という虚偽、反資本主義革命を融合させたところで、人類による環境保護は保障できないだろう。反対に、それは既存の文明、自由、秩序を破壊し、前例のないパニック、混乱を引き起こし、人類を誤った道へと進ませる。これが、環境主義の裏で影響力を行使する共産主義の真の企みである。

 

結論:環境危機を回避するために、神を敬い伝統を復活させる

 

神が、人類と美しく繁栄する地球を創造した。ここは人類が生活し、繁殖する環境である。人間には資源を利用する権利があり、同時に資源を大切にし、環境に配慮する義務がある。数千年もの間、人間は古代に神が残した警告に留意し、自然と調和しながら生きてきた。

現代の環境問題は、結局、人間の心が堕落したから引き起こされたのである。道徳の堕落は、科学技術の発展により加速した。自然環境の汚染はつまり、人間内部の汚染を映し出している。環境を浄化するには、まず自分自身の心を浄化する必要がある。

環境に対する認識は、人間の自己保存という本能に由来する。これは自然なことであり、理解できるが、共産邪霊に操られる隙を与えた。共産主義が大規模なパニックを起こし、歪んだ価値観のオンパレードを押し付け、人々の自由を奪い、政府を拡大し、世界政府までをも樹立しようとする。環境を救うためにこの共産主義の変種を擁護すれば、人類は奴隷化し、破壊は加速するだろう。

われわれが直面する環境問題に対して、強制的な政策は解決策とはならない。現代技術に頼ることも道を示すわけではない。危機を解決するために、われわれは宇宙と自然、また人間と自然の関係を深く理解し、正しい道徳基準を維持する必要がある。人間は伝統を取り戻し、道徳を向上させ、神から与えられた道に立ち戻らなければならない。このようにすれば、人間は自然に神の智慧と恵みを受けるだろう。生命が活気あふれる美しい自然が復活する。天地の輝きと繁栄が永遠に人間に与えられるだろう。

 

参考文献

[1] 竺可桢:〈中国近五千年来气候变迁的初步研究〉,《考古学报》1972年第1期,168-189.
[2] Martin Durkin, The Great Global Warming Swindle (documentary film, 2007), Channel 4 (U.K.), March 8, 2007.
[3] Takuro Kobashi, et. al.,  “4 ± 1.5° C Abrupt Warming 11,270 Years Ago Identified From Trapped Air in Greenland Ice,” Earth and Planetary Science Letters 268 (2008): 397–407.
[4] Freeman Dyson, “Misunderstandings, Questionable Beliefs Mar Paris Climate Talks,” The Boston Globe, December 3, 2015. https://www.bostonglobe.com/opinion/2015/12/03/freeman-dyson-misunderstandings-questionable-beliefs-mar-paris-climate-talks/vG3oBrbmcZlv2m22DTNjMP/story.html.
[5] Scott Waldman, “Judith Curry Retires, Citing ‘Craziness’ of Climate Science,” E&E News, January 4, 2017, https://www.eenews.net/stories/1060047798.
[6] J. A. Curry and P. J. Webster, “Climate Science and the Uncertainty Monster,” Bulletin of American Meteorology Society 92, no. 12:1667–1682. https://journals.ametsoc.org/doi/pdf/10.1175/2011BAMS3139.1.
[7] IPCC, “Working Group I: The Physical Science Basis,” IPCC Fourth Assessment Report: Climate Change 2007. https://archive.ipcc.ch/publications_and_data/ar4/wg1/en/ch8s8-2-1-3.html.
[8] 同上, https://archive.ipcc.ch/publications_and_data/ar4/wg1/en/faq-2-1.html.
[9] Mark W. Shephard et al., “Comparison of Tropospheric Emission Spectrometer Nadir Water Vapor Retrievals with in situ measurements,” Journal of Geophysical Research 113, no D15S24, doi:10.1029/2007JD008822.
[10] “Climate Change,” APS Physics, American Physical Society Web Page. https://www.aps.org/policy/reports/popa-reports/energy/climate.cfm.
[11] “Solar Constant,” Encyclopedia Britannica. https://www.britannica.com/science/solar-constant.
[12] Willie Soon, et al., “Modeling Climatic Effects of Anthropogenic Carbon Dioxide Emissions: Unknowns and Uncertainties,” Climate Research 18 (2001): 259–275.
[13] Michael Lemonick, “Freeman Dyson Takes on the Climate Establishment,” Yale Environment 360, June 4, 2009. https://e360.yale.edu/features/freeman_dyson_takes_on_the_climate_establishment.
[14] Nir J. Shaviv, “Celestial Driver of Phanerozoic Climate?” Geological Society of America Today 13, no. 7: 4–10, July 2003. https://www.geosociety.org/gsatoday/archive/13/7/pdf/i1052-5173-13-7-4.pdf.
[15] J. Emile-Geay et al., “Links between Tropical Pacific Seasonal, Interannual and Orbital Variability during the Holocene,” Nature Geoscience 9 (2) (2016): 168–173.
[16] Zhengyu Liu et al., “The Holocene Temperature Conundrum,” PNAS 111, no. 34 (August 26, 2014).
[17] Hans von Storch, “Why Is Global Warming Stagnating?” Der Spiegel, June 20, 2013. http://www.spiegel.de/international/world/interview-hans-von-storch-on-problems-with-climate-change-models-a-906721.html.
[18] Richard S. Lindzen et. al., “Does the Earth Have an Adaptive Infrared Iris?,” Bulletin of the American Meteorological Society 82 (2001): 417–432, https://doi.org/10.1175/1520-0477(2001)082%3C0417:DTEHAA%3E2.3.CO;2.
[19] Roy Spencer and William D. Braswell, “Potential Biases in Feedback Diagnosis from Observational Data: A Simple Model Demonstration,” Journal of Climate, 21 (21): 5624–5628, November 1, 2008.
[20] John R. Christy, Written Report to Senate Commerce, Science and Transportation Committee, November 14, 2007. https://www.nsstc.uah.edu/users/john.christy/christy/ChristyJR_CST_071114_written.pdf.
[21] David Russell Legates, “Statement to the Environment and Public Works Committee
of the United States Senate,” U.S. Senate, July 3, 2014. https://www.epw.senate.gov/public/_cache/files/a/a/aa8f25be-f093-47b1-bb26-1eb4c4a23de2/01AFD79733D77F24A71FEF9DAFCCB056.6314witnesstestimonylegates.pdf.   
[22] William Happer, “Data or Dogma? Promoting Open Inquiry in the Debate Over the Magnitude of Human Impact on Earth’s Climate,” Hearing of the U.S. Senate Subcommittee on Space, Science and Competitiveness (U.S. Senate Committee on Commerce, Science and Transportation), December 8, 2015. https://www.commerce.senate.gov/public/_cache/files/c8c53b68-253b-4234-a7cb-e4355a6edfa2/FA9830F15064FED0A5B28BA737D9985D.dr.-william-happer-testimony.pdf.
[23] Sir John Houghton, “Moral Outlook: Earthquake, Wind and Fire,” Sunday Telegraph, October 9, 1995.
[24] Jason Samenow, “Scientists: Don’t Make ‘Extreme Cold’ Centerpiece of Global Warming Argument,” The Washington Post, February 20, 2014. https://www.washingtonpost.com/news/capital-weather-gang/wp/2014/02/20/scientists-dont-make-extreme-cold-centerpiece-of-global-warming-discussions/?noredirect=on&utm_term=.3600e477f052.
[25] John Michael Wallace, “The Misplaced Emphasis on Extreme Weather in Environmental Threat Communication,” The Washington Post, March 14, 2014. https://www.washingtonpost.com/news/capital-weather-gang/wp/2014/03/14/the-misplaced-emphasis-on-extreme-weather-in-environmental-threat-communication/?utm_term=.bf84802d4613. 
[26] Steven E. Koonin, “A Deceptive New Report on Climate,” The Wall Street Journal, November 2, 2017. https://www.wsj.com/articles/a-deceptive-new-report-on-climate-1509660882.
[27]  同上.
[28] “Climate Change Indicators: High and Low Temperatures,” United States Environmental Protection Agency. https://www.epa.gov/climate-indicators/climate-change-indicators-high-and-low-temperatures.
[29] Judith A. Curry, “Statement to the Subcommittee on Space, Science and Competitiveness of the United States Senate,” Hearing on “Data or Dogma? Promoting Open Inquiry in the Debate Over the Magnitude of Human Impact on Climate Change,” December 8, 2015. https://curryja.files.wordpress.com/2015/12/curry-senate-testimony-2015.pdf.
[30] Mike Hulme, “Chaotic World of Climate Truth,” BBC, November 4, 2006. http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/6115644.stm.
[31] Roy W. Spencer, Climate Confusion: How Global Warming Leads to Bad Science, Pandering Politicians and Misguided Policies that Hurt the Poor (New York: Encounter Books, 2008), Chapter 5.
[32] Christopher C. Horner, Red Hot Lies: How Global Warming Alarmists Use Threats, Fraud, and Deception to Keep You Misinformed (Washington. D.C.: Regnery Publishing, 2008), 214.
[33] Horner, Red Hot Lies, 215.
[34] Horner, Red Hot Lies, 211.
[35] Horner, Red Hot Lies, 212–213.
[36] Horner, Red Hot Lies, 227.
[37] David Shearman and Joseph Wayne Smith, The Climate Change Challenge and the Failure of Democracy (Westport, Conn.: Praeger, 2007).
[38] Horner, Red Hot Lies, 219–220.
[39] Paul Ehrlich, as quoted in Václav Klaus, Blue Planet in Green Shackles: What Is Endangered: Climate or Freedom? (Washington, D.C.: Competitive Enterprise Institute, 2008), 14.
[40] John Bachtell, “China Builds an ‘Ecological Civilization’ While the World Burns,” People’s World, August 21, 2018. https://www.peoplesworld.org/article/china-builds-an-ecological-civilization-while-the-world-burns/.
[41] Klaus, Blue Planet in Green Shackles, 4.
[42] Klaus, Blue Planet in Green Shackles, 7–8.
[43] Klaus, Blue Planet in Green Shackles, 100.
[44] John Fund, “Rollback Obama’s CAFE Power Grab, Give Car Consumers Freedom,” National Review, May 23, 2018. https://www.nationalreview.com/corner/fuel-standards-cafe-epa-rolls-back/.
[45] Ariana Eunjung Cha, “Solar Energy Firms Leave Waste Behind in China,” The Washington Post, March 9, 2008. http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/03/08/AR2008030802595.html?referrer=emailarticle&noredirect=on.
[46] The Paris Agreement on Climate Change, Natural Resources Defense Council (NRDC), December 2015, IB: 15-11-Y. https://www.nrdc.org/sites/default/files/paris-climate-agreement-IB.pdf.
[47] Donald J. Trump, “Statement by President Trump on the Paris Climate Accord,” The White House, June 1, 2017. https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/statement-president-trump-paris-climate-accord/.
[48] Horner, Red Hot Lies, 117.
[49] Roy W. Spencer, The Great Global Warming Blunder: How Mother Nature Fooled the World’s Top Climate Scientists (New York: Encounter Books, 2010), 31.
[50] Brendan O’Neill, “A Climate of Censorship,” The Guardian, November 22, 2006. https://www.theguardian.com/commentisfree/2006/nov/22/aclimateofcensorship.
[51] O’Neill, “A Climate of Censorship.”
[52] Horner, Red Hot Lies, 64.
[53] O’Neill, “A Climate of Censorship.”
[54] 同上.
[55] Horner, Red Hot Lies, 107.
[56] “Letter to President Obama, Attorney General Lynch, and OSTP Director Holdren,” September 1, 2015. http://web.archive.org/web/20150920110942/http:/www.iges.org/letter/LetterPresidentAG.pdf.
[57] Hans von Spakovsky and Nicolas Loris, “The Climate Change Inquisition: An Abuse of Power that Offends the First Amendment and Threatens Informed Debate,” The Heritage Foundation, October 24, 2016. https://www.heritage.org/report/the-climate-change-inquisition-abuse-power-offends-the-first-amendment-and-threatens.
[58] Saul Alinsky, “Tactics,” Rules for Radicals: A Practical Primer for Realistic Radicals (New York: Vintage Books, 1971).
[59] “Climate Movement Drops Mask, Admits Communist Agenda,” PJ Media, September 23, 2014. https://pjmedia.com/zombie/2014/9/23/climate-movement-drops-mask-admits-communist-agenda/.
[60] “People’s Climate March: Thousands Rally to Denounce Trump’s Environmental Agenda,” The Guardian, April 29, 2017. https://www.theguardian.com/us-news/2017/apr/30/peoples-climate-march-thousands-rally-to-denounce-trumps-environmental-agenda.
[61] Michael Crichton, “Crichton: Environmentalism Is a Religion,” Hawaii Free Press, April 22, 2018. http://www.hawaiifreepress.com/ArticlesMain/tabid/56/ID/2818/Crichton-Environmentalism-is-a-religion.aspx.
[62] 同上.
[63] Robert H. Nelson, “New Religion of Environmentalism,” Independent Institute, April 22, 2010. http://www.independent.org/news/article.asp?id=5081.
[64] Joel Garreau, “Environmentalism as Religion,” The New Atlantis, Summer 2010. https://www.thenewatlantis.com/docLib/20100914_TNA28Garreau.pdf.
[65] Damian Carrington, “IPCC Chair Rajendra Pachauri Resigns,” The Guardian, February 24, 2015. https://www.theguardian.com/environment/2015/feb/24/ipcc-chair-rajendra-pachauri-resigns.
[66] Michael Whitcraft, “A Lot of Hot Air: A Review of Václav Klaus’ Recent Book: Blue Planet in Green Shackles,” Free Republic, June 13, 2008. http://www.freerepublic.com/focus/f-news/2030948/posts.
[67] Vaclav Klaus. “An anti-human ideology.” Financial Post, October 20, 2010. https://business.financialpost.com/opinion/vaclav-klaus-an-anti-human-ideology.
[68] Mark Steyn. “Children? Not if you love the planet.” The Orange County Register, December 14, 2007. https://www.ocregister.com/2007/12/14/mark-steyn-children-not-if-you-love-the-planet.

つづく 第十七章 グローバル化の中心は共産主義

 

悪魔が世界を統治している

目次

 

序章
第一章   人類を壊滅する邪悪の陰謀
第二章   始まりはヨーロッパ
第三章   東側での大虐殺
第四章   革命の輸出
第五章   西側への浸透(上)
第五章   西側への浸透(下)
第六章   神に対する反逆
第七章   家族の崩壊(上)
第七章   家族の崩壊(下)
第八章   共産主義が引き起こした政治の混乱(上)
第八章   共産主義が引き起こした政治の混乱(下)
第九章   共産主義がしかけた経済的な罠(上)
第九章   共産主義がしかけた経済的な罠(下)
第十章   法律を利用する邪悪
第十一章  芸術を冒涜する
第十二章  教育の破壊(上)
第十二章  教育の破壊(下)
第十三章  メディアを乗っ取る
第十四章  大衆文化―退廃と放縦
第十五章  テロリズムのルーツは共産主義
第十六章  環境主義の裏にいる共産主義(上)
第十六章  環境主義の裏にいる共産主義(下)
第十七章  グローバル化の中心は共産主義
第十八章  中国共産党のグローバルな野望(上)
第十八章  中国共産党のグローバルな野望(下)
おわりに