中国経済危機はデフレではなく過剰生産によるものだ=清華大学教授

2023/07/21
更新: 2023/07/21

一部の専門家は現在の中国経済の問題をデフレとまとめているが、清華大学社会学部の孫立平教授は投稿で、その背後にあるのは過剰生産の問題だとの見解を示している。中国が今直面しているのは、相対的過剰と絶対的過剰が混在する特殊な状況だと教授は指摘した。

孫教授は19日、「孫立平社会観察」という自身の公式アカウントで、中国で起きた2つの経済危機に言及した。1つは1997年のアジア金融危機で、中国の工業製品の95%が需要を上回った。もう1つは、2008年の米国サブプライム住宅ローン危機が金融大津波を引き起こし、中国は生産過剰の危機に見舞われた。

「現在の経済問題をデフレと表現する経済学者もいるが、私は、デフレは景気回復の遅れや失業など、関連する多くの問題の背後に、生産過剰の問題があると考えている。

ただし、私たちが現在直面している過剰問題は、従来の生産過剰とまったく同じものではない。今日私たちが直面しているのは、ユニークな背景における相対的過剰と絶対的過剰の混合である」と同氏は指摘。

相対的過剰とは、人々の購買力に対する生産過剰のことで、購買力不足による過剰である。絶対的過剰とは、生産量が需要量を上回っていることを意味する。

相対的過剰について、「売れ残っている住宅はたくさんあるが、住宅を買う余裕のない人もたくさんいる」と孫氏は指摘した。

「絶対的過剰」が起きた原因

また孫教授は絶対的過剰が出現した理由を強調した。

20年以上続いた高度大衆消費時代が終焉を迎えつつあり、特に経済規模が比較的大きい地方の中小都市では、不動産はすでに飽和状態あるいは過剰状態にある。

現在、中国の自動車生産能力は年間6千万台以上、3千万台という需要上限を上回っている。現実は、低所得者層の消費ポテンシャルは大きいが、主流消費者層はすでに飽和状態にある。

より現実的で重要なのは、世界の工場の過剰生産能力を解消することだ。中国は今や世界最大の工場であり、多くの産業の生産能力は世界市場全体に向けていたが、大規模なデカップリングの過程で外部市場の一部が失われた。

解決策は?

孫氏は、中国が直面している真の問題は、内部の高度大衆消費時代の終焉と、外部の大規模なデカップリングという二重の圧力によって生じた過剰生産だと強調した。

中国企業の主な問題は、負債比率を下げるために融資を受けないことではなく、生産能力を拡大するために融資を受けても、商品が売れないことである。

同氏の見解によれば、不足の時代から過剰の時代への移行に直面した場合、一夜にしてできる景気刺激策など存在せず、無理に景気刺激策を講じた結果、逆効果になる可能性がある。

本当に必要なのは構造改革である。友好的な国際環境を構築し、可能な限り対外市場を維持すること。

産業の高度化を実現し、過剰生産能力を排除し、さらには特定の低品質企業を排除すること。

市場メカニズムを通じて、中小企業に活力を与え、可能な限り雇用を維持し、民間がより多くの富と資源が得られるようにすること。

このようにして初めて、構造改革の条件が整うのである。
 

Li Jing
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