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相互主義に基づき中国人土地取得の制限を 法相「共感する部分もある」

2025/05/14
更新: 2025/05/19

外国人による土地取得をめぐっては、これまで長崎県・対馬での韓国資本による土地買収や、北海道での中国資本による森林取得が問題視されてきた。世界的に見ても、外国人が土地をほぼ無制限に取得できる国は、日本だけとされており、「一定の制限を設けるべきだ」との声が強まった。

14日の国土交通・法務委員会連合審査会で、日本保守党の島田洋一議員は、「区分所有のマンションで外国人所有者の割合が高まっている事例が増えている。外国勢力による悪意を防ぐさまざまな法整備が必要だ」と指摘した。

島田氏は、アメリカの事例を紹介。米テキサス州では、国家情報長官が「安全保障上の脅威」と指定した国(中国・ロシア・北朝鮮・イラン)の国民による不動産取得を禁止する法案が州下院で可決された。



中国など4か国を対象に不動産取得を制限する法案を下院で可決=テキサス州 

米テキサス州下院は5月8日、中国・イラン・北朝鮮・ロシアの国民が州内で不動産を購入することを禁止する修正案を通過した。

「アメリカでは、反米的な国の国民による土地購入を禁止する動き」があると述べたうえで、次のように主張した。

「国際法の常識である相互主義に基づけば、中国のように日本人を含む外国人が土地を購入できない国の国民には、日本の土地、建物、分譲マンションなども買えないようにするというのが『一つの常識的な発想だ』」

これに対し、鈴木馨祐法相は「共感するところもある」と述べた上で、「特定の行政目的に基づいて、不動産取得を制限することは、法令上あり得る」と答弁。「中国の脅威については、政府としても認識している」とも述べた。

一方で、「国際約束(内国民待遇など)との関係や、外国人の代理として活動する日本人の存在なども含め、慎重な検討が必要」として、国籍だけを理由に制限することには慎重な姿勢を示した。

さらに島田氏は、中国共産党(中共)が定める「国家情報法」(2017年施行)や「国防動員法」(2010年施行)を挙げ、「中国の法律では、海外に住む中国人も平時・有事を問わず、国家情報機関の指示に従い情報活動に従事しなければならない」と指摘。その上で、

「こうした法律は、国際社会の常識から見て極めて異常であり、特に安全保障上の脅威と見なすべきだ」

と訴え、日本国内の土地・不動産に対する中国人の取得には、特に強い制限を課すべきだと主張した。

これに対し鈴木法相は、「その国籍の人だけを対象とすればいいということでは必ずしもない。その中でどう最適な対応ができるか、しっかりと検討したい」と述べた。

質疑の最後に島田氏は、「非常に厳しい状況認識を持って、大臣には職責にあたっていただきたい」と強調し、政府の対応強化を促した。

 

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。