米フロリダ州ケープコーラルで8月27日未明、町の泥棒を現行犯で取り押さえたのは、なんと「バットマン」だったというニュースが話題になった。ただし今回のヒーローは、映画のようなマントやマスクではなく、ゆるい「バットマン柄」のパジャマを身にまとった姿だった。
事件が起きたその夜、住民のカイル・ミヴィットさんは寝る準備を整えていたところ、自宅の監視カメラが異常を通知。パジャマのまま外に出ると、自分の車を物色し、さらに隣家のガレージに忍び込もうとする男を発見した。ミヴィットさんはためらうことなく飛びかかり、男を見事に地面へ押さえ込み、「正義の力は寝間着でも十分だ」と証明してみせた。警察が到着するまでの間、泥棒は「パジャマのヒーロー」の下で観念するしかなかったという。
逮捕されたのはジャスティン・シンプル容疑者(20歳)。窃盗の前科があり、今回も高級サングラスや現金を盗んでいた。しかし今回ばかりは運が悪かった。まさか寝間着姿のバットマンに遭遇し、そのまま地面に押さえ込まれて「本日のヒーロー」の引き立て役にされるとは夢にも思わなかったに違いない。
駆けつけた警官たちはミヴィットさんを「本日のヒーロー」と称え、一緒に記念写真まで撮影。その画像はSNSに投稿され、瞬く間に拡散。地域の人々から笑いと称賛の声が寄せられた。
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もっとも、バットマン姿で善行を行う人々は世界各地に存在する。2020年にはメキシコ・ヌエボレオン州で、バットモービルを運転しバットマンの衣装を着た匿名の男性が街頭に現れ、拡声器で市民に「家にとどまり、距離を保つように」と呼びかけ、新型コロナウイルス流行への警戒を訴えた。
チリの首都サンティアゴでは、バットマンに扮した男性が自ら用意した食事をホームレスに配り、生活を支えている。
また米カリフォルニア州サンノゼでも、若者がバットマン姿で市の中心部に現れ、食料や水、毛布などを積んだトレーラーを引きながら路上生活者に分け与えている。
結局、正義のヒーローに必要なのは愛と勇気だけ。マントもバットモービルも不要だ。必要なのは――ゆるゆるのパジャマ、もしくはお気に入りのスヌーピー柄でも可。要は心がヒーローなら、服装は寝間着で構わないのだ。

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