中国のSNSで、ある「実験」が議論を呼んでいる。
普段はせいぜい数十、多くても数百件ほどの「いいね!」しかつかなかった投稿者が「子どもを8人産む」と叫ぶ動画を出したところ、一気に100万「いいね!」を突破した。本人も、まさかの「成果」に驚いた様子で、「10年やっても注目されなかったのに、一夜にして有名になった」と皮肉交じりに語った。
この出来事をきっかけに、ある違和感が広がっている。
「結婚しない」「子どもはいらない」といった投稿は目立たないのに、「たくさん子どもを産む」「家を買う」といった内容はよく拡散される、という指摘だ。
背景には、中国で続く出生数の減少がある。景気の悪化や就職難を背景に、若い世代ほど結婚や出産を避ける傾向が強まっている。
こうした状況の中、当局はあの手この手で出産を後押ししてきたが、効果は限られている。そこで今度は、SNSの表示内容を左右する仕組み、いわゆるアルゴリズムにまで手を伸ばしているのではないか、という見方も出ている。
いまや、中国のSNS上では、「みんな子どもを産みたがっている」「子どもを産むのが当たり前」といった空気ばかりが目につく。だが、その裏では「産みたくない」という声が静かに消えている可能性もある。
本当に多くの人がそう考えているのか。それとも、そう見せられているだけなのか。
画面の中の「普通」は、本当に現実なのか。
今回の一件は、画面の中の「当たり前」に疑問を投げかけている。

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