中国の街にまた、暴走車。そう、「また」なのである。暴走車と呼ばざるを得ないのは、現場の映像や目撃証言から、多くの市民が「明確な意図を持った攻撃だった」と感じているためだ。
しかし当局は今回も、これを「交通事故」と説明している。被害の実態ははっきりせず、関連する動画や投稿は次々と削除されている。
5月1日夕方、四川省成都市の市街地で、走行中の乗用車が突然進路を変え、信号待ちの人たちに向かって突っ込んだ。交差点付近は一瞬で騒然となり、道路には倒れた人で悲惨な状態となった。
ネット上に出回った車載カメラの映像では、灰色の乗用車が横断歩道に向かって加速する様子が確認できる。その後も車は止まらず、道路を走り続けながら歩行者や車に次々と衝突した。
別の映像では、人が衝撃で宙に跳ね上げられる場面も確認されている。少なくとも複数人がその場で倒れ、被害者のなかには小さな子供もいるとみられる。
本紙が取材した目撃証言によると、車は交差点で人をはねた後も止まらず、自転車やバイクにも衝突しながら、数百メートルにわたって走行を続け、衝突を繰り返していたという。
さらに、衝突によって車が大きく壊れて動かなくなった後、運転していた男は刃物を取り出しており、警察に取り押さえられた際にもナイフを持っていた。
現場では「人を狙っていたとしか思えない」「あれで死者が1人というのはあり得ない」といった声が相次いでいる。被害の規模についても、当局発表を大きく上回っているのではないかと懸念が広がっている。
また、現地からの複数の情報として、男は配車サービスの運転手で、保証金の返金をめぐるトラブルに腹を立てた末の社会報復との見方も出ている。

当局はこの出来事について、31歳の男が運転中に人と衝突し、その後逃走する中でさらに事故を起こしたと説明し、「1人が死亡、11人けが」と発表した。
しかし、現地の多くの目撃者からは「人を狙って突っ込んでいるのに事故なのか」「映像を見れば故意だと分かる」といった反発の声が相次いでいる。
「事故」とする発表と、「暴走」と受け止める現場。その差は大きいままだ。
事件後、当局は再び情報の統制を強め、SNS上の関連動画や投稿は短時間で削除された。実際の被害状況も含め、今回もまた真相が十分に明らかにされないまま終わるのではないかという懸念が広がっている。
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