中国 一度ついた「陳情者」の印が日常まで

陳情したら監視対象? 観光中も警察が追跡=中国

2026/08/31
更新: 2026/08/31

役所の対応に納得できなければ、上の機関に訴える。それは市民に認められた当然の権利だ。

中国にもそのための「信訪(陳情)」制度があり、各地に市民の訴えを受け付ける窓口が設けられている。

ところが、その制度を実際に利用した人は、その後どうなるのか。以下は、本紙の取材に応じた陳情者たちが実際に経験した出来事だ。

8月26日、過去に行政などへ陳情した経験を持つ男女ら4人が、北京を一日観光していた。

最初に訪れたのは、天安門広場近くにある中国を代表する大型劇場「国家大劇院」。一般客に交じって観光していた4人は、出入りするたびに警察から呼び止められ、身分証を確認されたという。

市内を移動する途中にも警察官に呼び止められ、再び身分証と荷物を検査された。

昼食後、4人は北京中心部にある有名な観光地「北海公園」へ歩いて向かった。途中、公衆トイレから出ると警察車両が止まり、警察官がこちらを見張っていたという。

さらに、中国共産党・政府中枢の中南海に近い一帯を歩いていると、また警察に呼び止められた。

4人は「陳情ではなく、観光に来ただけだ」と説明したが、警察官は「ここは陳情する場所ではない」と繰り返し、身分証を読み取ると「今はビッグデータの時代だ。調べれば、あなたたちが陳情していることは分かる」と告げたという。

結局、4人は容疑者や囚人の護送に使われる車両に乗せられ、北京中心部にある中国政府中枢近くの検査施設へ移送された。そこでも身分情報を繰り返し登録され、靴まで脱いで検査を受けたという。

その後も、警察への苦情を申し立てた女性が再び拘束されるなど、監視は続いたという。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!