フランス右派ルペン氏 大統領選へ始動 移民規制と治安対策を重視

2026/10/26
更新: 2026/10/26

フランスの右派政党「国民連合(RN)」のマリーヌ・ルペン氏は10月25日、2027年の大統領選に向けた活動を正式に開始し、社会秩序と国民の自信を取り戻すと約束した。フランスでは現在、生活費の高騰や格差への不満を背景に、大規模な抗議活動が続いている。

ルペン氏は、来年の大統領選に向けた世論調査で支持率首位に立っている。フランスが近年でも特に不安定な情勢にあるなか、深刻化する経済、社会、治安の問題に対処できる指導者として、有権者に訴えている。

ルペン氏は政敵について、「私たちが経験しているのは世界の終わりではない。一つの世界が終わるのだ。彼らの世界が」と述べた。

ルペン氏が大統領選に向け本格始動 治安回復を訴え

ルペン氏は、選挙活動の最初の演説をフランス中部のオルレアンで行った。同市は、15世紀に活躍したフランスの英雄ジャンヌ・ダルクゆかりの地として知られる。ジャンヌ・ダルクは愛国心と国家主権の象徴とされている。

支持者の歓声が上がるなか、ルペン氏は違法行為を一切容認しない厳格な取り締まり方針を掲げ、治安の回復は国家の最も重要な責務だと強調した。

フランスでは17日、生活費の高騰や格差への不満から始まった大規模な抗議活動の一部が、略奪や器物損壊などの暴力行為に発展した。

こうした混乱のなか、ルペン氏は世論調査で高い支持率を示している。25日に公表された調査では、同氏の支持率は32~33.5%で、17%だった急進左派の指導者ジャン=リュック・メランション氏を大きく上回った。

同調査では、来年5月上旬に予定される決選投票で、ルペン氏がメランション氏を上回るとの予測も示された。

ルペン氏は25日の演説で、国家の「再生」をテーマに掲げ、フランスの将来に対する希望を語った。

移民規制強化と減税を公約に

移民政策では強硬な姿勢を打ち出し、国境管理の再導入や、犯罪を犯した外国人の自動的な国外追放を約束した。さらに、犯罪組織や麻薬密売に対する取り締まりを強化する方針も示している。

経済政策では、歳出の抑制、法人税の引き下げ、行政組織のスリム化を進めるとともに、産業振興や技術革新、AIの発展を支援する考えを表明した。

また、年金の受給開始年齢をさらに引き上げることには反対している。

有罪判決が選挙戦に影響も 電子監視装置の装着が焦点

一方、ルペン氏は選挙期間中、電子監視装置の装着を求められる可能性がある。

ルペン氏は欧州議会の資金を不正流用した事件で有罪判決を受け、2026年7月には控訴審でも有罪判決が維持された。電子監視装置を装着した上での自宅拘禁1年などを言い渡されている。

現在は判決を不服として、フランスの最高裁である破毀院に上告しており、刑の執行は停止されている。今後の司法判断が選挙活動に影響する可能性もある。

国民連合の党首にバルデラ氏が再選

今回の党大会では、国民連合の指導部の結束もアピールされた。

24日に行われた党首選では、ルペン氏の側近であるジョルダン・バルデラ氏が再選された。バルデラ氏は、ルペン氏が将来の首相候補として想定している人物でもある。

ルペン氏は、党内の結束を維持しながら、2027年の大統領選に向けた活動を本格化させる構えだ。

李馨