米GDP成長率3.4% 市場予想上回る AI投資と個人消費がけん引

2026/10/30
更新: 2026/10/30

企業投資と個人消費に支えられ、米国の7〜9月期のGDPは年率換算で3.4%成長し、市場予想を上回った。

米商務省経済分析局(BEA)が10月29日に発表したデータによると、7〜9月期の実質GDP成長率は季節調整済みの年率換算で3.4%となり、4〜6月期の2.2%から大きく加速した。ブルームバーグがアナリストを対象に実施した調査の予想値3.2%も上回り、米国経済は過去1年間で最も速いペースで成長した。

米商務省の報告書によると、企業投資と好調な個人消費が経済成長を支える二つの柱となった。AI関連の投資ブームを背景に、設備投資のGDP成長率への寄与度は、コロナ禍後の景気回復期を除けば、2011年以来の最高水準となった。

また、個人消費支出の伸び率は年率換算で3.8%となり、市場予想の3.4%を上回った。個人消費は2四半期連続で力強い成長を続けた。

7〜9月期の民間固定投資は9.4%増加し、2020年の景気回復以来、最大の伸びとなった。政府支出も増加しており、主に戦略石油備蓄の原油売却を反映したものとされる。一方、企業による技術関連設備の輸入増加で純輸出が減少し、経済成長を押し下げた。

アナリストらは、今回のGDP統計を、来週の中間選挙を前に米国経済の現状を示す最後の重要な報告書と位置づけている。全体として、米国経済の底堅さと回復の勢いを示す結果となり、市場予想を上回る成長率は、市場関係者や政策当局者の米国経済の先行きに対する自信をさらに強めるとみられる。

金融サービス・資産運用会社エドワード・ジョーンズのシニアエコノミスト、ジェームズ・マッキャン氏は、フィナンシャル・タイムズに対し、「米国の消費者は疲れを知らないかのようだ。新たなAI投資ブームも経済成長を後押ししている。成長率は通常の水準を大きく上回っている」と述べた。

資産運用会社アライアンス・バーンスタインの債券部門シニアエコノミスト、エリック・ウィノグラード氏は「7〜9月期の経済成長は力強く、主に国内需要がけん引した。ただし、貿易赤字が成長の足かせとなった」と分析した。

同日、米労働省が発表した報告書でも、解雇者数が依然として少ないことが示された。10月24日までの1週間の新規失業保険申請件数は、季節調整済みで19万4千件と小幅に減少し、事前予想の20万件を下回った。申請件数は、1960年代後半に見られた低水準に近い数字となった。

経済調査会社FWDBONDSのチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏はCNBCに対し、地政学的リスクをめぐる不確実性が残り、エネルギー価格の上昇が多くの産業に打撃を与えているため、経済に対して悲観的な見方をする人も多いと指摘した。

その一方で、米国経済は全体として力強い成長を維持しているとし、「2026年7〜9月期の実質GDP成長率は持ち直し、過去1年間で初めて3%を超えた」と述べた。

一方、米国では9月もインフレが加速した。食品とエネルギーを除くコア個人消費支出(PCE)物価指数の前年同月比上昇率は、8月の3.0%から9月には3.1%に上昇した。市場予想と一致したものの、FRBが掲げる2%の物価上昇率目標を依然として大きく上回っている。

米商務省経済分析局のデータによると、9月のPCE物価指数は前月比0.5%上昇し、8月の0.3%から伸びが加速した。市場予想と一致する結果だった。前年同月比では8月の3.4%から3.6%に上昇し、5月以来の高水準となった。

価格変動の大きい食品とエネルギーを除いた9月のコアPCE物価指数は、前月比0.3%上昇し、市場予想と一致した。8月の上昇率も当初発表の0.2%から0.3%に上方修正された。

市場関係者は、ガソリンやその他の商品の値上がりがインフレを押し上げる主な要因になっていると分析している。ただし、物価上昇圧力はエネルギー分野だけにとどまらない。

住居費を除くサービス価格の前年同月比上昇率は2024年12月以来の高水準に達し、サービス分野のインフレ圧力が根強く残っていることを示した。

FRBは10月28日、政策金利を据え置くと発表し、インフレ率は「依然として高い水準にある」との認識を示した。

ケビン・ウォーシュ議長は記者会見で、ここ数週間、エネルギーや関連商品の価格が再び上昇していると指摘した。そのうえで、FRBの役割は、一部の産業で起きている相対価格の変動が経済全体に波及するのを防ぐとともに、インフレ期待の安定を維持することだと述べた。

任義