トランプ米大統領は11月5日、イランは核計画をめぐり、米国を抜きにして行動することはできないと述べ、イランの核兵器保有を認めないとの立場を改めて示した。
トランプ氏は同日、ホワイトハウスの大統領執務室で記者団の質問に答え、イランが仲介側の提示した核問題に関する合意案を検討していることについて、「われわれの承認なしには、彼らは何もできない」と述べた。その上で、「イランが核兵器を持つことはない」と重ねて強調した。
イランが何を検討していようと、核兵器の取得を阻止するという米国の立場は変わらないとした。
トランプ氏はまた、イランが核計画を再開できないよう、米国が追加措置を取るかどうかを判断すると述べた。「できることなら、この国の残りの部分まで破壊したくはない。だが、そうせざるを得ないかもしれない。いずれすぐに分かるだろう」と語った。
イラン、カタールを通じて米国に提案を提出
ロイター通信が11月5日に報じたところによると、匿名のイラン高官は、イランがカタールを通じて核問題に関する提案を米国に提出し、米側が審査していると明らかにした。高官は提案の具体的な内容には触れなかった。
報道によると、イラン側は、制裁解除、凍結資産の解除、戦争賠償の支払いなど7項目の条件を米国が先に満たした場合に限り、協議に応じるとしている。一方、米側は、核問題を交渉の初期段階から議題に含める必要があると主張している。
イランの高濃縮ウラン貯蔵量に国際社会が懸念
イランは長年、核計画は原子力発電や科学研究などの平和目的に限られると主張してきた。しかし、ウラン濃縮活動を拡大し、とりわけ濃縮度を60%まで高めたことから、イランの核兵器開発能力をめぐり国際社会の懸念が高まっている。兵器級ウランは通常、濃縮度が約90%のウランを指し、60%の濃縮ウランはその水準にかなり近い。
国際原子力機関(IAEA)は、米国とイスラエルが2025年6月にイランの核施設を攻撃する前の時点で、イランが濃縮度最大60%のウランを440.9キロ保有していたと推計している。IAEAの核物質評価基準によると、この貯蔵分をさらに濃縮すれば、理論上は複数の核兵器を製造できる量に相当する。
イランの核問題では、国際査察も争点となっている。イランは2015年、米国などと「包括的共同作業計画(JCPOA)」で合意した。合意は、イランのウラン濃縮度や貯蔵量、核施設での活動を制限し、国際査察を強化するものだった。
トランプ氏は大統領就任後、イラン核合意では同国の核能力を恒久的に制限できず、ミサイル計画や中東地域での軍事活動も対象に含まれていないと判断した。米国は合意の修正を求めたが実現せず、2018年に離脱して対イラン制裁を再開した。その後、イランはウラン濃縮活動を拡大し、2021年からはIAEAの査察をさらに制限した。
イランの核武装リスクと地域の安全保障への影響
イランが核兵器を取得すれば、米国とその同盟国にとって重大な安全保障上の脅威となり、中東で核軍拡競争を引き起こして地域情勢をさらに不安定にするおそれがある。
イランが保有する核物質の量と保管場所も、国際社会の関心事である。2025年6月に米国とイスラエルがイランの核施設を攻撃して以降、IAEAは被害を受けた施設と関連する核物質を全面的に検証できていない。
IAEAによると、検証に必要な情報が不足しているため、核物質の量や保管場所、実際の状態は確認できていない。そのため、核物質が移動されたり、平和目的以外に使われたりするリスクが高まっている。
(責任編集:李琳)
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