米中間選挙で共和党は上下両院の多数派を失った。物価上昇やエネルギーコストの増加に加え、外交政策で目立った成果を上げられなかったことが、共和党敗北の主な要因とみられている。一方、専門家は、対中政策や国防・外交政策の基本路線に大きな変化はないとの見方を示している。
今回の共和党の敗北には、まず経済に対する有権者の不満が表れたとの分析がある。さらに、ロシア・ウクライナ戦争や米・イラン戦争でも明確な成果が見えず、政権に対する有権者の期待が満たされなかったという。
台湾国防安全研究院研の沈明室研究員は、今回、共和党が敗北した主な要因は、「生活費の上昇やインフレ、エネルギー価格に加え、米国の重要な外交政策で目立った成果を上げられなかったことにある」と述べた。
共和党が上下両院の多数派を失ったものの、トランプ大統領は民主党と協力する意思を示している。ただし、これは政権が政策を全面的に転換することを意味するわけではない。今後、ホワイトハウスが予算案や法案の成立、人事承認を進める際には、議会との調整がこれまで以上に難しくなる。民主党が議会の調査権を使って政権運営を追及し、場合によっては弾劾手続きを進める可能性もあり、ホワイトハウスへの政治的圧力は強まるとみられている。
一方、対中政策は共和・民主両党の間で比較的意見が一致している分野であり、中国共産党(中共)に厳しく臨む基本姿勢は大きく変わらないとの見方がある。一方、意見が分かれるとみられるのは、イランやロシア・ウクライナ戦争への対応だ。
沈明室氏は、「当初はイランに対して攻撃的な行動を取る構えだったが、軍事行動には予算が必要になる」と見ている。「今後、そうした予算案を下院で可決するのはかなり難しくなるだろう。上下両院には、イランが核兵器を持つべきではないと考える議員が多いが、イランにどう対応するかについては、トランプ氏に早期の和平実現や戦争の終結を促すことになると思う。一方、イランへの軍事攻撃を続けることには、おそらく反対するだろう」と指摘した。
また、国防・外交政策は主に大統領が主導するため、中国・台湾政策や第一列島線をめぐる安全保障政策の基本方向は、議会の多数派が入れ替わっても大きく変わらないとの分析もある。一方、国内政策では、行政府と議会をそれぞれ異なる政党が主導することになり、両者の協力は容易ではないとみられている。
ロヨラ大学メリーランド校ビジネススクールの丁弘彬副院長は「立法府と行政府が異なる政党に分かれ、対立する構図になった。さらに、この10年ほどの間にトランプ氏は多くの人との協力関係を壊してきた。そのため、両者が全面的に協力する関係を期待するのは難しい。2018年当時のような議会と大統領の関係に戻ることさえ、かなり難しいと思う」との見方を示した。
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