米中スパイ事件=麦大智罪状確定、懲役35年

2007年07月27日 09時21分
 【大紀元日本7月27日】米紙「USA TODAY」は7月22日、米国籍の中国人エンジニア麦大智(Chi Mak、66歳,男)容疑者のスパイ案件の一部終始を報道した。輸出管理法への違反と、許可なく外国政府の代理人になるなどの罪が確定し、最高で35年の懲役刑が処せられる。その弟の麦大泓容疑者(Tai Mak、57歳、男)には、国防情報持ち出しの共犯者とされ、最高で10年の懲役刑を処せられるという。

 2005年10月28日夜、ロサンゼルス市警はFBIと共同で、麦大智容疑者の自宅で、麦容疑者とその妻(63歳)を逮捕した。また、ロサンゼルス国際空港で、出国しようとする麦大泓容疑者とその妻も、米警察に逮捕された。2人は当時、中国行きの飛行機に乗ろうとしていた。警察は麦大泓容疑者の荷物から、暗号化したCD-ROMを発見、中には、米国海軍の潜水艦エンジンシステムの研究資料が含まれていた。

 FBIが提供した証拠によると、麦大泓容疑者は逮捕された9日前に、広州市に国際電話をかけ、「北米紅花」(Red Flower of North America)と自称した。米検察は、中国当局の諜報員は往々にして、花の名前で自称する、例えば「白菊」「秋蘭」などと指摘。電話の相手は、本スパイ案件のもう1人のキーマン、中国中山大学アジア太平洋研究中心の研究員朴培良(Pu Pei-liang、音読)。米検察は、朴培良氏は中国の軍にために働いている、麦大泓容疑者はこれまでに盗んだ米国の機密情報を朴培良に渡している。

 麦大泓容疑者にとって極めて不利な証拠は、中国当局の幹部・顧偉浩(Gu Wei Hao、音読)と交わした4通の手紙。顧偉浩は中国航天工業部(宇宙開発を担う中国の政府研究機構)の幹部、チーフエンジニアを務めている。そのうちの3通は、同容疑者の自宅で、もう1通は、ボーイング社に勤めるエンジニアGreg Chungの自宅で発見された。

 これらの手紙の中、顧偉浩は麦大泓容疑者に、中国当局からの報酬の支払い通知や、中国での旅行計画、情報を渡すルートなどを示し、手紙の内容は極秘と強調した…。

 麦大智容疑者について、裁判では、検察官は、米国海軍の数千ページーの極秘ファイルを盗んだと指摘したのに対し、同容疑者は、これらの機密ファイルをコピーしたことや、逮捕後FBIにうそを言ったことを認めたが、スパイ活動への関与を否認し続け、これらの情報はだれでも入手できると称した。その後、6週間の法廷審理を経て、連邦陪審団は、麦大智容疑者に有罪の判定を下した。うち、輸出管理法への違反と、許可なく外国政府の代理人になるなどの罪が含まれている。

 陪審団が判定結果を呼び上げる際に、始めは無表情だった麦大智容疑者は、次第に涙を流したという。同容疑者には最高で35年の有期懲役を処する可能性があり、量刑日時は今年9月10日。

 本スパイ案件に関与した同容疑者の親族なども相次ぎ、罪状を認めた。

 弟の麦大泓容疑者には、国防情報持ち出しの共犯者との罪が確定、最高で10年の懲役刑を処す。量刑日時は今年10月1日。

 麦大泓容疑者の妻、李伏香(49歳、音読)容疑者は違法輸出の共犯として、執行猶予付きの有罪判決、その息子の麦友容疑者(27歳)は、CD-ROMの暗号化に協力したと認め、執行猶予の判決を受ける可能性がある。

 麦大智容疑者を逮捕した2005年10月28日から、米FBIは20ヶ月間かけて、調査・証拠収集を行った。米検察官は、中国当局の諜報員は米国の国防機密を少しずつ盗み出していると指摘。数週間の法廷弁護を経て、裁判所は、「麦大智容疑者が漏洩した情報は、敵対側に米国軍人を殺す能力を十分にもたらせた」と判定。

 米国反諜報活動を指揮する執行長ジョエル・ブレンナー(Joel Brenner)氏は、「中国当局は、世界各国の能力の削減を図っている。その一つの方法は情報収集である。もしあなたがあるものをほしいが、自己能力で開発するのではなく、人のものを盗みに頼るのであれば、数年間の時間を省け、優位に立つことができる」と話した。

 また、ブレンナー氏は、中国当局が科学技術情報の窃取を土台としていると指摘、「北京の目標は、国家安全利益に着眼するだけではなく、世界で最も快速な経済発展を遂げている国として、中国当局は人々に極秘情報の提供を促し、買主として、後ろで待っている」と述べた。

 FBIの反諜報部門で中国スパイの取締りを主管するブルース・カールソ(Bruce Carlson)氏は、「約3分の1の情報偵察は、中国当局の政府機構や、研究機構、あるいは企業に辿り着く」と話した。2001年以来、FBIが偵察した中国関連の情報案件が12%増加した。カールソ氏は、これらの案件の背後の原動力は金銭、人間の貪欲と指摘、「米国にいる人は金儲けしたい、それに合わせて、中国当局は金を持っている」と分析。

 米国の歴任と現職反諜報機構の政府関係者によると、中国当局は米国国籍の華人、あるいは、米国在住の中国籍のエンジニア、研究者、科学者、学生などを含む専門家を雇い、米国の学術と研究機構に浸透させ、科学情報を獲得しているという。

 

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