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中国人民銀行、来年人民元政策を見直しか

 【大紀元日本11月20日】世界各界が人民元上昇への圧力を強める中、中国人民銀行(中央銀行)は最新の金融政策執行報告書において、これまでの対ドルの人民元固定相場方針を示す表現が削除された代わりに、人民元の上昇容認を示唆する表現が加えられた。アナリストは、早ければ中国は来年第2四半期(4~6月期)以降、人民元上昇を容認する方針に転じると予測する。

 11月11日~12日に開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)財務相会議において、各国金融担当大臣が10日付けの声明草案を通じて、金融危機を受けた世界経済を再均衡化する上で、各国は為替相場及び金利の柔軟化を図るべきだと求めた。

 米国のガイトナー財務長官、インドネシアのムルヤニ財務相とシンガポールのシャンムガラトナム財務相は12日、ウォールストリートジャーナル紙に寄稿し、中国を名指ししなかったものの、「経済のファンダメンタルズと一致した市場主導型の為替レートは、新たな需要パターンに合致し、その促進に向けた資源、部門の転換を確実にするために不可欠だ」と示し、改めて為替レートは市場によって決定されるべきだと訴えた。

 世界各国が人民元上昇への圧力を強めているため、中国人民銀行は、11日に発表した第3四半期金融政策執行報告書では、これまでの「合理的均衡のとれた水準で基本的な安定を保持する」との表現がなくなり、その代りに「国際資本の流れと主要通貨の動きに伴い、人民元為替相場を決定するメカニズムを改善する」と人民元の上昇容認を示唆した。

 中国政府が米オバマ大統領の中国訪問直前にこの問題に言及したのは、オバマ大統領が中国政府と人民元為替相場について意見を交換すると示していたためと見られている。

 2005年7月、中国政府は実質ドルペック制を廃止し、人民元を切り上げてから金融危機発生直前まで、対ドルの人民元相場は約20%上昇していた。しかし、2008年7月以降の金融危機で、中国輸出が大幅に落ち込んだため、中国政府は市場介入を繰り返し、1ドル=6・83元の水準を保持してきた。また、今年2月からドルは対主要通貨で約13%下落しており、中国の人民元政策に多くの国が不満を示した。

 中国国際金融公司アナリストの辛自強氏は、「報告書の一部の表現が変わったのは、人民元上昇は避けても無駄だという趨勢なので、対ドルの人民元相場は永遠に固定されたままというわけにはいかないからだ」と話した。

 香港SJSマーケット証券会社の首席投資アナリスト、ダリウシュ・コヴァルチク(Dariusz Kowalczyk)氏は「人民元はドルに連動している。ドル安となれば、人民元相場も下落する。しかし、ドルと元が同時に下落するならば、他のアジア諸国の金融当局も市場介入で同国通貨の上昇阻止に踏み切るだろう。中国が人民元上昇を容認すれば、台湾などのアジア諸国の市場介入圧力が軽くなるだろう」と述べた。

 ロイヤル・バンク・オフ・スコットランド(RBS)香港支店のチーフエコノミスト、ベン・シンプフェンドーファー氏は「中国人民銀行が資本流入や流動性などを警戒しているようだ。これは彼らが人民元上昇圧力に直面していることを示している。しかし、中国輸出が依然として低迷しているため、人民元は来年第2四半期以降上昇を許されるだろう」と示した。

(翻訳編集・張哲)


 (09/11/20 08:41)  





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