中国政府系メディア 江沢民の取締りをほのめかす報道 

2014年07月07日 22時56分
【大紀元日本7月8日】6月30日に汚職の罪で党籍剥奪と軍事法廷送致が発表された中国軍のナンバー2で党中央軍事委員会の前副主席徐才厚(71)。発表の3日目、中国共産党政権の喉とされる国営新華社通信はブログに記事を掲載し、徐の黒幕とされる元最高指導者江沢民を調査すべきとほのめかした。新華社は国務院直属の報道機関であることから、その報道は通常、中国政府及び共産党の公式見解を代表するとされている。この意味深長な動向は注目されている。徐と江の繋がりを調べてみた。

 昨年現職を退いた徐の容疑は、職務を利用して他人の昇進を助け、賄賂を受け取ったと発表されたが、具体的な金額は開示されていない。中国問題専門家らの意見は、「これはあくまでも対外への説明であり、実際にはもっと深い事情がある」とおおむね一致している。

 こうした状況の中で新華社は徐の案件について、その黒幕の取締りをほのめかす報道を出した。

 その電子版「新華網」は2日、「フランス検察当局はなぜサルコジ前大統領を調べる勇気があるのか」と題するブログ記事を掲載した。

 記事はまず、次のようにもろもろの疑問を呈した。「わが国の汚職要人が相つぎ失脚するのをみて、みな手をたたいて喜んでいるが、ほとんどのメディアはなぜか問題の本質を探ろうとしない。だれがこれらの汚職幹部を育成したのか、抜擢したのか、特別な目的があったのか、それとも一個人の失策なのか。このような質疑を中国ではあまり聞かれない」

 続いて、選挙不正の容疑で身柄を拘束されたフランスのサルコジ前大統領を実例に例え、「中国においては、このように元最高指導者クラスの要人を調査するのは、国の恥で政権にマイナスの影響をもたらすとの意見もあり、このような『大トラ』を守ろうとするグループが必ず存在している」と明確に元最高指導者の江に矛先を向け、江沢民派の抵抗をけん制した。

 習近平主席はかつて、推し進めている汚職取締運動について、「トラもハエもあわせて退治する」と形容したことがある。同記事が指した「大トラ」とは江であるとの見方が大勢だ。

 そして、記事は習政権に対してこうも進言した。「『破釜沈舟の覚悟』(決死の覚悟)をもって、サルコジ前大統領のような最高指導者クラスの『大トラ』を取り締まるべき」「このような人を粛清する時がやってきた」

 江沢民と徐才厚のつながり

 中国共産党政権において、「軍を掌握した人は物を言う」という暗黙の言い伝えがある。「銃口から政権が生まれる」と元最高指導者、故・毛沢東が生前堂々と語ったほどだった。江も軍のトップ在位中に、その権力の基盤を着々と構築していた。

 そして、1999年から始まった法輪功弾圧がきっかけで、徐は江に買われた。

 同年7月、当時の最高指導者だった江は中央政治局常務委員会の多くの委員の反対を押し切って弾圧を発動した。以降、当時地方の済南軍区の一介の政治委員だった徐は弾圧に積極的に参加し、江への忠誠心を存分にアピールしたため、江の厚い信頼を勝ち取ることができた。弾圧開始から2カ月後、江は徐を軍の最高機関「共産党中央軍事委員会」の委員、総政治部の常務副主任に大抜擢した。これ以降、徐は軍内部で法輪功の弾圧政策を率先して実施した。

 2002年末、党のトップである総書記の座を降りた江は2004年9月、軍のトップである党中央軍事委員会主席の座を、先代の故_deng_小平が指名した後継者、当時の胡錦濤総書記に渡すしかなかった。しかし、軍の主導権を引き続き握るため、江はかねての側近の徐と郭伯雄の2人に同委員会副主席を継がせた。それにより、江沢民派が軍の主要ポストを占め、胡総書記は軍のトップに就いたものの、実際には軍を支配できなかった。こうした背景から「引退しても休まない」と江は揶揄(やゆ)されている。

 一方、法輪功の弾圧実態を調査する米国際団体「追査国際」が2013年9月に発表した報告書によると、徐が率いた軍と、江のもう一人の側近周永康が率いた中央政法委は連携して、収容された法輪功学習者の臓器を収奪・密売する臓器狩りの組織犯罪を行った。

 一部の米国メディアや大紀元時報が入手した情報によると、重慶市元トップ薄煕来・無期懲役囚の元側近で2012年2月に米国領事館に亡命を試みた同市公安局の元局長王立軍・服役囚が米国側に拠出した内部情報には、江沢民派が習主席の転覆を狙う政変計画と臓器狩りの証拠も含まれている。

 大紀元のコラムニストらは「徐才厚は薄煕来や、周永康(中央政法委前トップ)、曾慶紅(元国家副主席)らとともに、江沢民が主導したこれらの犯罪に関与した疑いが強い」と指摘した。

 中国軍事学院出版社の元社長、国防大学の元幹部である辛子陵氏は米国の海外向け放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の取材に対して、「政変計画が事実であるなら、江沢民派の軍の代表者である徐才厚が関与しないはずがない。徐の容疑は単なる汚職問題ではない。断言してもよい」と語った。

 習主席が江沢民派のこれらの容疑を公表しない理由にいて、「政権へのダメージを恐れるため」との見方がある。

(翻訳編集・叶子)


 

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