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江陵端午祭で伝統遊戯を披露する参加者(撮影=趙在亮/大紀元)

韓国「江陵端午祭」から、中国伝統文化の復興を願う

 【大紀元日本6月3日】朝鮮半島太白山脈の東に位置する韓国・江陵の町とその周辺地域で行われる「江陵端午祭」には、国内外から毎年100万人を超す観光客が訪れる。それほど多くの人を引き付ける魅力は何か。

 江陵端午祭は、2005年にユネスコの世界無形文化遺産に選定された。これに対し、端午の節句の起源とされる中国では、各メディアが「強盗にあった気持ちだ」などと一斉に猛反発したという。

 ただ、韓国の端午の節句とは、正確にいうなら「端午祭」というべきもので、毎年旧暦の5月5日前後に韓国各地で行われる祭祀儀式のことで、中国の「端午節」とは内実が大きく異なる。

江陵端午祭:完全な形で保存された祭神の伝統

 韓国の伝統文化の根源は中華の大地にあり、韓国の端午の節句も中国文化の影響を深く受けているのは言うまでもない。「端午」とはそもそも、「五(午)」が重なる日ということから「重午」「重五」とも呼ばれたのであるが、韓国の「端午」の認識はさらに奥深いものを含む。伝統的に韓国では「端午」は「上日」とも呼ばれ、その意味は「高、上、神」であった。すなわち、韓国では端午の節句は神の節句ということであり、その日は人と神が仲良く楽しむ日なのである。

 そのため、端午祭は本来、韓国の多くの地区に伝わっていた端午の習俗だったが、社会の発展につれて徐々に消滅していき、現在完全な形で保存されているのは唯一江陵地区のみである。

 江陵端午祭の目的は、当地の山の神と守護神を祀り、村に恵みの雨風をもたらすよう祈るもので、祭祀、演劇、遊戯など様々な内容が含まれ、儒家文化、民間信仰、民間芸術(民謡大会、伝統芸能等)や各種の伝統的な体育活動(綱引き、弓道等)が融合した、どの階層の人でも楽しめる「伝統文化祭」となっている。

 
江陵端午祭夜景(撮影=趙在亮/大紀元)

江陵端午祭の目玉の一つ、方言丸出しコンテスト(撮影=趙在亮/大紀元)

その中でも、祭紳の儀式は、古来から伝わる神への信仰を堅く守り、環境や時代がどんなに変化しようとも、敬虔に古来の流れに則って儀式が執り行なわれており、江陵端午祭の核心ともいえる。これが、江陵端午祭がユネスコの世界無形文化遺産に選定された主要な要因である。

 江陵端午祭は、神をお迎えする前夜祭から数えると、五昼夜行われるが、神酒を醸し始める旧暦の4月5日から数えると、1カ月以上にも及ぶ行事で、今年は4月29日(旧4月5日)から5月30日(旧5月7日)まで行われた。

江原道無形文化遺產の一つ、江陵沙川河平踏橋民族遊楽を演じ、豊年を祈願する(撮影=趙在亮/大紀元)

中国の端午節の由来


 中国の端午節の来歴は、一般に愛国詩人・屈原を記念するためだと言われているが、一説には、端午節は屈原が現れる前から行われていた、川の神を祭り収穫を祈る節句であり、後世になって屈原が川に身を投じた故事に基づいて、粽、ドラゴンボートレースなどの慶祝の方法が加わったとも言われる。

 また、春秋時代、呉国の忠臣・伍子胥が無実の罪で死に、涛神に変じたのを、人々が憐れんで祭るようになったという伝説もあり、江蘇・浙江一帯に広く伝わっている。

 さらには、端午の節句は中国の太古の昔に始まった龍を祭る行事に由来するという説もある。龍は中華民族の歴史の中で最高の地位を持っており、古人は龍の威力であらゆる災厄や魔物を駆除しようとした。それが現代に伝わってきたというものである。

 ただ、由来がどうであれ、現代中国では、端午節はすでに祭祀の意味合いを失い、粽を食べる、ドラゴンボートレースを行う、屈原を記念する、ヨモギを挿す、菖蒲を飾る、雄黄酒を飲む、などの風習が残るのみとなった。(韓国の端午祭にはこういった風習はない。)

中国が端午節を世界遺産に申請する目的は?

 韓国の江陵端午祭がユネスコの世界無形文化遺産に選定され、「人類の口承及び無形遺産の傑作」となったのを機に、中国では端午節を世界遺産に申請する動きが強まり、2008年から急遽端午節を法定祝日とした。5月27日の「長江日報」によると、現在、湖北省はすでにユネスコに申請書を提出し、第一評価段階に入ったという。

 中国国家無形文化遺産保護工作専門家委員会副主任で、元遼寧大学中文系の烏丙安教授は、「世界遺産に申請するのが最終目的ではない。最も大切なのは、中国の伝統文化と伝統節句を保護し伝承することである」という。

 しかし、「毛建国」氏は自分のブログの中で、端午節の世界遺産申請について、「中国が端午節を世界遺産に申請する目的は何か。端午節の日、中国では、買い物、旅行以外に、どれだけの人が文化について考えたりしているであろうか」と疑問を呈する。

 それに対し、江陵端午祭は、古来から江陵地区に伝わる祭神文化を完全な形で伝承しており、神に対する伝統的な信仰心と伝統文化への堅信こそがその価値であり、核心はそこにある。

 そこで、敢えて問いたい。中国が端午節を世界無形文化遺産に申請すれば、失われた伝統文化を取り戻せるのだろうか。

 中国の文化と歴史は悠久かつ博大で奥深い。盤古が天地を開闢し、女媧が人間を造り、神農が百草を嘗め、倉頡が漢字を作ることによって、神伝文化の礎を築いた。儒家、仏家、道家の思想が上手く絡み合って、中国の伝統文化は他と異なる独特なものに形成され、中国人の精神と魂を育んできた。

 ところが、この一世紀、特に1949年以降、中共による甚だしい破壊の結果、輝かしい中華の伝統文化は壊滅状態となった。

 中共が西方から持ってきたマルクス主義は、儒・仏・道を主体とする中国の伝統文化とは全く相容れない文化体系である。神に対する信仰と、「仁義礼智信」を主体とする道徳規範こそが、中国の伝統文化の根本であり精髄であったが、中共の無神論の統治下で、前者は封建的な迷信とみなされ、後者は封建のカスとして完全に叩き潰された。

 伝統文化は、長期の歴史発展の過程で形成され蓄積されたもので、人類文明の精華である。それは、相当の安定性を持ち、人類の行為を規範し、社会の安定を保つ重要な作用を果たしている。そのため、伝統文化が一旦破壊されると、人類社会は滅亡の危機に直面し、無秩序の混乱と無窮の災難に陥ることになる。

 現在、多くの中国人、特に若者たちは自らの祖先の文化について、ほとんど何も知らない。端午節を世界無形文化遺産に申請することなど、何も急ぐ必要はない。中共に破壊し尽くされた伝統文化を如何にして再建するか、これこそが中華民族の急務だといえよう。

江陵端午祭の祭神儀式は古式に則って厳格に行われる。(写真=江陵端午祭主催者提供)

(写真=江陵端午祭主催者提供)

(写真=江陵端午祭主催者提供)

(写真=江陵端午祭主催者提供)

(写真=江陵端午祭主催者提供)

(写真=江陵端午祭主催者提供)

(写真=江陵端午祭主催者提供)

(記者・洪梅、翻訳編集・瀬戸)

 (09/06/03 15:47)  





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