【大紀元日本10月16日】中国国家体育総局の前局長・袁偉民氏がこのほど『袁偉民とスポーツ界の風雨』と題した著書を出版。闇に包まれていた中国スポーツ行政の多くの裏幕を明らかにした。1990年代に次々と世界記録を刷新した陸上女子・中長距離の「馬軍団」の選手が2000年シドニー五輪に参加しなかったのは、使用禁止薬物が原因だったことや、バレーボール女子代表の世界選手権が八百長試合だったこと、北京五輪招致をめぐる中国当局と国際オリンピック委員会との裏取引などが暴露されている。
11日、南京市の書店で行われた新書発表会にはメディア関係者が多く集まった。袁偉民氏は、同著の主な出版目的は、中国スポーツ界の重大事件の真相を明かすことであると述べた。また、出版がもたらす自分への影響については「覚悟した上での判断」と答え、「真相を永遠に隠したくなかった」と語った。以下、内容の一部を要約して紹介する。
北京五輪の招致権獲得にからむ中国当局とIOCの裏取引
2001年、モスクワで行われた第29回五輪開催地の選定と国際オリンピック委員会会長の投票選挙で、中国当局は交換条件を会長と取り交わした。IOCの会長に支持票を投じる代わりに、IOCの欧州勢の委員から北京の五輪招致への支持票を獲得する。中国当局は自分たちの友好国にもロゲ氏への支持票を働きかけると約束した。
バレーボールの女子代表チーム、世界選手権で八百長試合
2002年の女子バレーボール世界選手権で、中国代表チームは強敵イタリアとの対戦を避けるため、ある対戦国との試合にわざと負けた。最終的にはイタリアと対戦することになり、破ることができず、第4位に終わった。
「馬軍団」の禁止薬物使用問題
メダル獲得の可能性が高い「馬軍団」がなぜ、2000年シドニー五輪に出場しなかったのかは当時、全世界で話題になっていた。同著によると、シドニー五輪に遠征する直前の中国当局のドーピング検査で、「馬軍団」の7人の代表選手のうち6人が興奮剤の使用、あるいは使用の疑いが高いことが判明した。当時は08年北京五輪招致活動のまっただ中だった。不利なスキャンダルを避けるため、スポーツ行政を主管する中国当局の政府機構・国家体育総局は、「馬軍団」などドーピング検査を通過しない可能性のある代表選手全員をシドニー五輪に出場させなかった。
袁偉民氏は1980年代、バレーボール中国女子の代表監督を務め、中国女子バレーの黄金期を築いた功労者である。第3回と第9回の世界選手権、第23回ロサンゼルス五輪で金メダルを獲得し、中国女子代表を「三冠王」に導いた。監督引退後は、中国オリンピック委員会の委員長や、国家体育総局の局長などを歴任していた。
同書は口述筆記の形で製作された。中国スポーツ行政の元最高幹部がこのような裏幕を明らかにするのは初めてのこと。
(翻訳編集・叶子)
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