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不動産市場、中国経済最後の救命胴衣になれるか

 【大紀元日本1月25日】中国政府は21日、2009年実質国内総生産(GDP)成長率が前年比で8・7%増となったと公表した。昨年初めに制定した「8%増」の目標を超え、中国が日本に代わって世界第二の経済大国になる可能性が高くなった。

 しかし、2009年中国経済の高度成長に最も貢献した不動産市場について、国内外の投資家やアナリストからバブル崩壊への懸念が日増しに強まっている。全国的にみると、昨年の住宅価格の年間上昇率は20%を超え、大都市の高級マンションの価格増幅はさらに大きい。また、09年11月と12月の新設住宅着工件数は2カ月連続で過去最高記録を更新し、10~12月期(第4四半期)の新設住宅着工件数は前年同期比で75%増と急上昇した。

 スイス金融大手UBS証券の中国経済調査部門責任者である汪涛氏は、「中国国内需要は増加する傾向にあるが、バブルも生み出しやすい。不動産市場ではバブルがすでに形成されていると思う。現在マンションを買う行列は白菜を買う行列と何の違いもない」とコメント。

 中国政府は、日本のバブル崩壊寸前の状況に似ている中国経済に強い懸念を示し、1月12日に銀行の預金準備率を0・5%引き上げ、18日から実施すると発表した。この金融引き締め政策の実施は、リーマン・ショック後2008年6月以来1年7カ月ぶり。この発表に投資家が強く嫌気したため、銀行関連株を中心に株市場が急落し、1月12日の上海総合指数が前日比で約3%下落した。この影響は海外にも波及し、ダウ工業株30種平均株価も前日比122・28ポイント下落。

 また、1月21日付ウォールストリート・ジャーナルは、「1月18日から中国政府が金融引き締め政策を実施したことは、政府が不動産市場バブルを強く警戒していることを反映している」と評論し、ローン焦付きや不良債権問題の発生を防ぐために、「中国四大銀行の一つ、中国銀行(Bank of China)は今月から新規貸出を中止する方針」と報じた。

 さらに、「不動産市場への投資リスクは新築価格が高すぎて買い手がなく、無効投資と不良債権を生み出すことになり、これからの中国経済に害をもたらすことになりかねない。現在北京と上海の住宅価格は中所得層の購買能力をはるかに超えている。住宅を買える都市世帯数はわずか2割しかなく、都市内の福祉格差の拡大が敏感な政治問題になりかねないと中国政府が不安に思うだろう」と報道は指摘した。

 一方、北京工商大学の経済学教授・季鋳氏は、「輸出が不振となっている今現在、不動産産業がすでに中国の柱産業となっており、投資者や政府当局を含め、不動産市場の低迷を見たい者はいないだろう」と現状をコメントし、中国政府が不動産バブル問題に関してジレンマに陥っていることを示した。

(翻訳編集・張陽)


 (10/01/25 08:13)  





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