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5日、北京で始まった「両会」に殺到するメディア関係者(GOH CHAI HIN/AFP/Getty Images)

<両会観察>「君は党の喉舌だろう!」女性記者を叱る湖北省長&答えに詰まる薄熙来

 【大紀元日本3月11日】毎年北京で行われている「両会」には全国各地の要人が一斉に集結し、多くのメディアも集中する。中国の要人には表に出せない「秘密」が多く、メディアのフラッシュを嫌がる人も多い。歯に衣着せぬ質問を出す記者には、叱咤して処分を匂わせる要人も。中国のメディアは当局が牛耳っているため、報道禁止令を出すことは簡単だ。

 当局の逆鱗に触れぬよう、上手く立ち回る記者もいれば、好奇心旺盛で空気の読めない記者もいる。大物政治家に対して容赦なく質問を投げかけるのは、おおむね若手か海外の記者たちだ。今回の会議でも、記者に政治家が激怒する事件が発生した。湖北省の省長が人民日報の女性記者の問いに激怒し、同記者のレコーダーを奪ったり、重慶市の薄熙来書記が台湾記者からの質問に驚愕し、答えに詰まったりなどメディアと政治家の攻防戦が繰り広げられた。両者は共に、江沢民派の実力者。ネットではこの話題で持ち切りだ。

 7日朝、湖北省代表団はチームの討論をメディアに公開し、大勢の記者が来場した。会議後の記者会見で、大勢の記者が湖北省省長・李鴻忠氏を囲んでインタビューを行った。ある女性記者が、昨年湖北省で起きた鄧玉嬌事件(性的暴行を加えようとする官僚を鄧玉嬌さんがナイフで殺害した事件)について質問を出すと、李省長の顔色が一変。黙って記者らを去らせた。

 2分後、暗い顔をした李省長が戻り、直ちに女性記者に質問した。「君はどこのメディアだ?」記者が「人民日報」と答えると、李省長は激怒。「本当に人民日報の記者なのか?では何でこんな質問を出した?君は党の喉舌(宣伝機関)だろう!君のようなやり方ではどのように世論をガイドするのか?君の名前は?君の上司と話すからな」と女性記者を叱り飛ばした。

 「財経ネット」の報道によると、女性記者は「人民日報」傘下の「京華時報」の記者・劉傑さん。李省長は劉記者のレコーダーを奪い、囲んでいた記者らを後にしたという。

 李省長はかつて、江沢民・前国家主席が電子工業部の部長に在任していた時の秘書だった。その後深セン市長に昇進し、07年に現在のポストに就いた。同事件は、その場にいた他の記者によって報道され、速やかに多くのサイトに転載された。江沢民派である李省長の激怒ぶりは、ネット上で冷やかしの的。10年前、江沢民・前国家主席が香港の女性記者に「Too Naïve(幼稚すぎる)」と罵った事件に譬え、「さすがに、太上皇(皇帝の位を退いた人物)の秘書だ。本人とそっくりだ」と揶揄されている。

 翌8日、それに関する関連報道やコメントはほとんど削除されている。

 そのほか、薄熙来・重慶市書記が台湾記者と衝突するシーンもあった。6日、薄熙来書記は重慶市代表団による記者会見で、「唱紅打黒」(マフィア組織を取り締まり、革命の歌を歌う運動)や、「李荘弁護士審判案件」(暴力団メンバーを弁護する弁護士に罪を被せ、懲役刑を言い渡した事件)について弁明するシーンがあった。

 会見では、台湾東森テレビの記者が「『唱紅打黒運動』は、政治資本を作るためのものなのか」と質問すると、薄書記は凍りつき、驚愕した表情になった。その場にいた国内の記者らも驚きを隠せない様子。隣に座っていた助手が、「先の質問は誰に許可されたのか?なぜ彼に、このような質問を出させたのか」と司会に問い詰める場面もあった。

 暫くして薄氏は、「今日は、ショ―を作る場ではない」と答え、記者会見の重い雰囲気を軽くしようとしたが、徒労に終わった。その後、報道官は台湾からの記者の質問をすべて禁止することにした。

(翻訳編集・趙MJ)


 (10/03/11 11:07)  





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