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14日、全人代閉幕後に開かれた記者会見に応じる温家宝首相(FREDERIC J. BROWN/AFP/Getty Images)

温首相、人民元切り上げ圧力に強く反発 米130議員、財務長官に即行動を要請

 【大紀元日本3月16日】中国の温家宝首相は14日、全国人民代表大会(全人代)閉幕後に開かれた記者会見で、海外からの圧力に屈して人民元を切り上げていくことはないだろうと述べた。また、ダライ・ラマの訪米や台湾への武器売却などで悪化した米中関係についても言及した。温首相の強い態度に反発、米議員130人が15日、米財務長官宛に書簡を出し、中国側の為替操作問題について譴責するよう求めた。

 温首相は、米国やその他の主要国が人民元切り上げを求めていることについて強く反発し、「このような方法は人民元相場の改革に有益ではない」と強調。「人民元は過小評価されていると思わない」と述べた。一方、温首相は再度の人民元切り上げの可能性を否定せず、中国は引き続き人民元の改革を行う意向であることを示した。

 また、温首相は米国が中国の人民元政策を非難する前に、まず米国内の金融システムを改善しなければならないと指摘。米中関係についての記者からの質問には「米中関係の深刻な混乱の責任は、中国側ではなく、米国側にある」と述べ、米国を批判した。

 2008年7月以来、国内経済の景気回復対策として、中国中央銀行は人民元の対ドル基準レートの変動幅を1ドル=6・8元の水準にコントロールしている。

 温首相の発言から、米国の主要メディアは、米中関係、人民元問題、および貿易摩擦に関して中国政府の強硬な姿勢が窺えると論じている。

 15日、温首相の厳しい指摘に、民主党と共和党を含めて130人の議員が米ガイトナー財務長官とロック商務長官にあてた書簡で、中国の為替操作について譴責するようと求めた。この問題に直ちに行動を取らなければ、米国の経済回復に影響、さらに中小型企業の生産力や正常運営などに害を与えると促した。

 一方、米オバマ大統領は11日、輸出促進および雇用改善を実現するため、今後5年内に米国の輸出額を倍増する計画とその推進策を発表し、関係閣僚会議を設立する方針を示した。同時に、同大統領は中国政府に対して、市場メカニズム主導の為替制度を制定し、世界貿易の均衡に協力するよう、実質上人民元の切り上げを求めている。

 ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏も12日、米ワシントンで開かれた経済政策フォーラムで、中国の為替政策は米国、EU及び日本など主要経済国の国内総生産(GDP)成長を抑制しているとし、人民元が過小評価されていなければ、世界景気回復に「著しい」効果をもたらすだろうと述べた。同氏によれば、中国政府が人民元為替レートへの抑制を止めれば、世界経済の成長率は約1・5ポイント上昇できるという。

 米オバマ政権はこれまで中国を「為替操作国」に認定することを避けてきたが、その一方で中国の人民元政策を批判し続けてきた。今年4月、米政府が財務省の報告の中で、中国を「為替操作国」に認定するかどうかが注目されている。これに対してクルーグマン氏は、米国は再び中国が人民元為替レートを操作しているという明白な事実を避けてはいけないと述べ、米国政府はこれまで以上に強い姿勢を示すべきだとの見方を示した。

 ロイター通信によると、為替政策について数年にわたる調査を行ってきた米ピーターソン国際経済研究所のフレッド・バーグステン所長は、人民元が少なくとも25~40%過小評価されているとの見方を示した。同氏は、為替操作は貿易保護主義であると指摘し、米政府に対して中国製品への関税率を大幅に引き上げることを提案している。

 米民主党のチャールズ・シューマー上院議員も12日、中国当局による人民元の「操作」を阻止させるための草案を国会へ提出する意向を明らかにした。

(翻訳編集・張哲)


 (10/03/16 09:14)  





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