THE EPOCH TIMES

<写真>甘粛省土石流 地元住民「死者1000人以上」 市民記者が目撃した被災地

2010年08月10日 08時23分
 【大紀元日本8月10日】8日未明、甘粛省チベット族自治州の舟曲県で発生した大規模な土石流で、県内3分の2が浸水し、多くの家屋が土砂に埋まった。中国政府系メディア9日午後の時点の報道では、死者は337人と伝えられているが、現地住民によると、県の中心地では8割の建物が崩壊し、少なくとも1000人以上の死体が発見された。

 豪雨により発生した土石流は、市街地に流れ込み、県内250万平方メートルの地域が平らになってしまった。また、現地の主要河川である白龍江を塞ぎ、長さ3キロ、水面平均幅100メートル、水深9メートル、貯水量約150万立方メートルの堰止(せきとめ)湖を形成した。水位の上昇に伴い、堰止湖上部に亀裂が現れ、流出した水によって、県の3分の2が浸水した。その結果、多くの人が土砂に埋もれ、13万5千人の総人口の中、5万人が被災した。
8月8日、特大土石流の被害に遭った甘粛省チベット族自治州の舟曲県(ネット写真)



 同県は2008年5月の四川大地震のときにも被害を受け、68箇所の地滑りが起きたが、現地住民の話によると、今回の災害は遥かに大きかった。ある村の幹部・章さんは、「土石流は数秒間で村を破壊した。死者は前回の汶川地震の時よりずっと多かった。数百年来なかったこと」と話した。

 「県政府のある街は半分以上が土砂に埋もれた。現場で見た感じはとても衝撃的だった。兵士に掘り出された死体は少なくとも1000人以上。行方不明者は9000人以上だろう。7割か8割かの建物が洪水に壊された」と章さんはいう。
半分が土砂に埋まった県政府のある街(ネット写真)



 農村部には寺院が多く、現在チベット族の僧侶が救援を手伝っているという。

 一方、「暈倒」と名乗る市民記者はバイクに乗って現地入りし、取った写真をネット上に公開した。「政府は昨夜、死者120人行方不明1290人と報道したが、私が現場で見た感じや被災者から聞いた話では、(死者・行方不明者は)およそ1万人いるのではないだろうか」と同記者は書いている。

 同記者が、県政府のある街の近くにある「月圓村」のある
泣きながら、300人の村民全員が亡くなったと話す「月圓村」の若者(ネット写真)

若者から聞いた話では、同村には300人以上いたが、出稼ぎに出ている人以外、一人も死から免れなかった。自分の親や2歳の子どもも亡くなったという。

 犠牲者の遺体の写真をネット上で公開した同記者は、「死者に対して不敬かもしれないが、やはり公表したいと思う。全国の読者に災害の真実を知ってほしい。今回の災害は四川大地震の時よりも酷い。土砂に埋まった瓦礫から救出されるのはすべて死体だ」と複雑な心境を綴る。

 8日に救出された張さんは、現地の公務員。救出された人たちは現地の中学校で避難しているという。

 県の救済部門によると、給水システムが破壊され、商店もほとんど埋まったため、現在飲用水と食品が深刻に不足している状況。

 一方、堰止湖に対して救援軍隊が爆破を行った場合、放出
土砂に埋まった瓦礫から救出されるのはすべて死体(ネット写真)

された水によって下流がさらに被害を受ける心配が残っている。

 同県は、甘粛省南部に位置し、南は四川省に隣接。人口は約13万5300人で、チベット族住民が約3割を占める。

 同県の県史によると、かつて森林や水資源が豊富であった同県は、甘粛省の「桃源郷」と呼ばれていた。50年代から大量の森林が破壊されたため、土砂流失が深刻となった。

 チベット族の著名作家・唯色氏は今回の土石流事件について、ツイッターで討論を行い、現地の情報を収集した。同県の地質調査報告などに基づいて、ダム建設や鉱山採掘と森林への破壊が今回の土石流につながったと指摘している。

 それによると、舟曲県では長年黄金の採掘が行われ、山の
救援現場(ネット写真)

森林が全て破壊されてしまった。その結果、川に流れる水は黒い泥水ばかりで、県全体が破壊された山の谷に位置することになった。

 更に90年代から、ダムの建設が大量に行われた。政府の発表によると、2003年以来、53個の水力発電プロジェクトが調印され、そのうち47個はすでに建設中。これらのダム建設で流失した土砂は75万トンに上る。甘粛省地質災害防治弁公室の王得楷主任は、数年前にも舟曲県を地質災害高発地区として挙げ、上層部に報告したという。

 同県は2008年の四川大地震の時にも被災している。2008年6月18日付けの「深セン特区報」では、「土石流頻発 甘南の再建に脅威」と題する記事を発表、舟曲県の森林採伐が土石流頻発に繋がった問題を取り上げた。

(記者・李敬一、駱亜/翻訳編集・日本語ウェブ編集部)


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