THE EPOCH TIMES

高智晟著『神とともに戦う』(55) “黄じいさん”の暴力的立ち退きから1年②

2010年12月22日 06時00分
 【大紀元日本12月22日】悪人が結託して悪さをすることにかけて、中国は「悠久」の歴史を有する。同じく、中国において、そのような「悠久の価値観」は、後代になればなるほどエスカレートするのである。中国の改革開放から今日まで約30年。その間に、結託した官僚と業者の悪行と、それで得た悪名の高さは、とっくに歴史上の悪人のそれを上回っているのだ。

 これらは決して、口からでまかせを言っているのではない。もちろんきちんとした根拠がある。黄じいさんの災難発生から後の1年間に私が受け取った、全国各地の虐げられた公民の手紙には、血涙(けつるい)のにじむ訴えもあった。ぜひ、以下の抜粋を読んでいただきたい。

 広州の段(だん)さんという教授の手紙には、こう記されていた。「2004年3月19日、広州の経済技術開発区の派出所や城管(訳注、「城市管理行政執法局」の略。都市部の風紀管理などを任務とするが、正規の公務員ではない。市民に対して高圧的・暴力的な面が強く、「ゴロツキ」と同義語に用いられることも多い)など500人余りが、数十匹の警察犬と重機10数台とともに、突如、水星ダムの別荘地に突入してきました。別荘地域の大小の道路の入り口には、実弾入りの銃を構えた警官や武装警官が警戒し、封鎖していました。2輪以上のタイヤをもつ車は、いかなる理由があろうとも、全て通行を禁じられました。1キロ四方の範囲で、どこも人であふれ、ざわめいていました。高い堤防の上には警察犬を連れた警官の幹部が陣取り、虎視眈々と狙っています。我々が対応する隙も与えず、ブルドーザーなどの重機が狙いを定めた別荘に向かって、取り壊しを始めました。家々を破壊する轟音がダムの上空にまで響き渡ります。その轟音がとどろくたびに、住民の心は切り裂かれました。わずか1日で、35棟もの美しい別荘が廃墟と化したのです。これは、なんと悲壮な場面、残虐な行為であることでしょう」

 また、こんなこともあった。2004年8月のある日、上海の瀋永梅さんは女性陳情者8人を連れて、私の元にやってきた。彼女たちは、私と向かい合うとしばらく声を押し殺して泣いていた。瀋さんが2004年7月1日に署名した「ある公民の訴え」という文書には、官民が結託して行った戦慄が走るような罪業が書かれていた。その概要は次の通りだ。「動遷組(住民の立ち退きを進める組織)の楊振華らから、ボスが私に話があると言われました。私は、それが相手の罠だと知る由もなく、きっと問題を解決してくれるのだろうと期待を胸に出かけていきました。するとなんと、一番奥の小部屋に押し込められ、張順徳という名の男に見張られたのです」「そして我が家に戻った私は、われを失いました。もともと愛と温かさに満ちた家が壊されて、跡形もなく消えていたからです。まるで戦後の廃墟のようでした」「家が壊された時に奪われた家財は、骨壷と現金3万元(訳注、現在の貨幣価値で約38万円)、金のネックレスが2本、金の指輪が2つ、金の木魚が1個、その他にも・・・・・・」

 一銭の補償金すら得られず、家も何もかも失った瀋さんは、路頭に迷った挙句、上海市公安局(警察)に訴えた。しかし、逆に上海市公安局安盧湾分局によって、手荒に収監された。特筆すべきなのは、瀋さんとともに私の元を訪れた被害者女性8人のうち、なんと6人が「人民公安」に収監された経験を持っていたことである。

 (続く)

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