米国:胡主席訪米を公式訪問とせず  ライス国務長官、迫害問題を俎上に

2005/08/29 07:40
 【大紀元日本8月29日】注目されていた胡錦濤中国国家主席の9月訪米の予定がついに確定した。ホワイトハウスのマクレラン報道官は23日、ブッシュ米国大統領が9月7日にホワイトハウスに胡主席を迎え、会談を行うことを発表した。しかし、ホワイトハウスは発表の中で、これは胡主席の「訪米」であり「公式訪問」ではないと位置づけた。ホワイトハウスの関係者は胡主席の訪問が「公式訪問」でない以上、ホワイトハウスでの晩餐会や米中首脳の共同声明も発表されることはないという。

 アナリストによると、ホワイトハウスが「公式訪問」ではないことにこだわるのは、最近全米に広がる中国共産党への反発と関係があるという。中国共産党の勢力拡大への反発が米国で急速に盛り上がり始めている。商務省は対中貿易の不満ももらし、国防省は騒ぎ立て、そして連邦議会では怒声がおこり、長期にわたって中国共産党を恐れていた国務省でさえ今回は毅然とした態度を明確にした。ライス国務長官は記者からの質問に「人権や信条の自由に対する迫害について、我々は話さなければならない」と答えた。

  中国共産党は「公式訪問」を渇望

 米国の最高待遇を受けるために、胡主席は訪米に先立ち、人民元の為替レートの切り上げや、ボーイング社製飛行機の数十機の購入、大規模な商品購入予約、北朝鮮への核兵器廃棄の呼びかけ、そして人権問題を外交カードにすり替えるという江沢民時代と何ら変わらない手法を用いて、不法に労働教養所に収監されている法輪功学習者の夫婦一組を釈放するといった、わずかばかりだが友好的な態度を示した。

 ワシントンのシンクタンクは、胡主席の訪米の意義と待遇に関する中国共産党の攻勢は非常に激しく、そのあまりの激しさの意味について米国側は理解できていないようだと語る。しかし、アメリカ政府も考えがあり、中国共産党の思惑どおりにはいかなかった。中国共産党の意図は、米国に胡主席を最高の待遇で迎えさせることによって、彼の国内における威厳を高めようとしているとみられている。

 それゆえに、ホワイトハウスが23日に胡主席の訪米を「単なる訪米」と発表したにも関わらず、中国外交部の孔泉報道官は「公式訪問」であると発表した。彼の発表によると、胡主席はアメリカのブッシュ大統領、カナダのクラークソン総督、メキシコのフォックス大統領の招きに応じて9月5日から17日にかけてこれら三カ国を公式訪問し、併せてニューヨークで開催される国連設立60周年首脳会議に出席するとしている。

 ホワイトハウスのダフィー副報道官は25日の定例記者会見において、胡主席訪米に関する質問に対し、わずか30秒にも満たない回答時間の中で三度も「胡主席の訪米は決して公式訪問ではない」と強調した。

 米中の隔たりは大きく、ホワイトハウスは改めて中国共産党の本質を認識

 胡主席の今回の訪問においては、人民元為替レートの切り上げや、中国紡績製品の割当額などの問題が両国の重要な経済問題として取り上げられることが予想される。専門家は、米中両国間の経済、貿易には共通した利益もあるが、それは限られたものであり、米国の巨額な対中貿易赤字や米国国内の失業問題、知的所有権の著しい侵害、極めて理不尽な人民元の対米ドルレートなどのマイナスによって打ち消されてしまうと分析する。香港科学技術大学の「中国跨国関係研究センター」の崔大偉主任教授は、米中両国の対立点は多く、米国の上下両院とも、徐々に中国共産党を敵とみなし始めていると指摘した。

 ブッシュ政権は、米中関係は複雑な関係であると改めて認識しているようだ。「関係が最も良好な時期」という外交辞令を使ってはいるが、ライス国務長官は「関係が最も良好な時期」という言葉はこの40年間においてという、非常に長い期間で見た場合のことであると補足説明している。つまり冷戦時と比較すれば現在の関係は当然「良い」というわけである。

 様々な情報を分析することにより、米国は中国共産党の危険性について深く認識し始めたことが分かる。特に、反国家分裂法の制定、軍事費の大幅な増加、米国石油企業の買収、欧州や豪州を米国との同盟関係から離脱させようとする活動、朱成虎の核兵器による脅迫の放言、中露軍事演習における西側諸国のオブザーバー参加拒否、そして露骨な人権弾圧などにより、米国は夢から覚めたかのような感覚を覚え始めている。ホワイトハウスの今回の決心は固く、中国共産党から離れる計画を進める一方、胡主席個人には通常の礼で接するという。ともあれ、胡錦濤主席が中国で自らの地位を押し上げようとしている時期にワシントンを訪問するということは、歴史的な訪問であるということには変わりはない。

 脱党のうねりの中で歴史的選択を迫られる胡主席

 報道各社の報道によると、胡主席の外遊日程が確定した後、すでに多くの人権擁護団体が「すでに準備は整った。胡錦濤主席訪米時には一斉蜂起し、中国共産党の著しい人権侵害に対する抗議デモを相次いで展開する」という声明をだしている。海外の華僑団体の中にも、胡主席訪米期間中に450万人中国共産党脱党を祝う組織的活動を行うため、準備を進めている。さらにメディアを通じて、胡主席が訪米を機に中国における共産党独裁体制に終止符を打ち、中国共産党を解散するとともに新党を結成し、民主的な立憲政治を行うという歴史的な選択を呼びかける声が多くあがっている。

 人権擁護団体は、宗教の自由や報道の自由の欠如、チベットの民主化を求める人々への政治的弾圧、北朝鮮から脱出した難民の強制送還、そして農村などで発生している反社会的問題を訴える人々を武力で鎮圧するなど、中国の人権に関する諸問題について、米国が注目していることを胡主席に示すよう、ブッシュ大統領に求めている。

 アムネスティ・インターナショナルはすでに9月7日に開かれる首脳会談の当日、その会場であるホワイトハウスの周辺でデモ活動をすることが認められた。アムネスティのスポークスマンは、ブッシュ大統領が胡主席に圧力を加え、2008年の北京五輪開催までに中国の人権状況を改善するためのタイムテーブル策定を希望すると述べた。
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