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世界金融危機の打撃を受けている中国国内電気使用量が大幅に減少したにもかかわらず、経済成長率が伸びていることに海外各界が疑念を抱く(Getty Images)

中国:電力消費急減で鉱工業生産上昇の矛盾

 【大紀元日本6月13日】中国国内電力消費量が急激に減少したにも関わらず、政府の発表した鉱工業生産(付加価値ベース)が上昇しているとの矛盾に海外各界は疑念を持つようになった。また、中国電力企業聯合会がこのほど、全国電力消費量の公表を取りやめたことで、人々の中国経済指標の信憑性に対する疑念がさらに深まった。

 5月25日付のウォールストリートジャーナル紙(WSJ)電子版は、過去10年の大半において、中国の鉱工業生産(付加価値ベース)の伸びは電力消費量の伸びとほぼ連動していたが、しかし最近では電力消費量が減少傾向にあるにも関わらず、鉱工業生産が比較的速いペースで伸びていると指摘した。

 中国国家工業情報化部は4月16日に、今年1-3月期(第1四半期)の全国電力消費量が7809・90億キロワットで、去年同期比で4・02%減少し、また全体の70%を占める全国工業生産電力消費量は5507・80億キロワットで、昨年同期比で8・38%急落したことを発表した。また、3月の全国電力消費量は2833・89億キロワットで、前月比で2・01%減少したという。しかし一方、中国の温家宝首相は4月11日、中国の3月鉱工業生産が前年比で8・3%増となり、過去最低を記録した1-2月の3・8%増から伸びが加速したと述べ、1-3月期の鉱工業生産の伸び率は5%を上回ったと語った。さらに、中国国家統計局によると、中国の1-3月期の国内総生産(GDP)実質成長率が前年同期比で6・1%増となった。

 WSJの報道によると、一部の国際エコノミストはこのような経済データが非常に矛盾していると指摘する。さらに、鉱工業生産の伸びデータが作り上げられたものであれば、今回の中国GDP指標も大きく誇張されたものであろうとの疑問を示した。中国統計当局は鉱工業生産指標で産業全体の成長状況を判断するが、しかしGDPのうち鉱工業生産が占める割合は約50%しかない。

 また、国際エネルギー機関(IEA)も最新発表の「世界石油市場レポート」において、中国経済指標の信憑性に疑念を示した。同レポートによると、中国政府は1-3月期のGDP成長率が6・1%増と発表しているが、同期における中国の石油需要が前期比で3・5%減少しているほか、国内電力の需要も非常に低迷しているとし、中国政府の発表した経済指標の信憑性が疑わしいと示した。同時に、このほど国内電力消費量を発表してきた中国電力企業聯合会が電力消費量の公表を取りやめたことで、海外各界の中国経済指標に対する疑念をさらに深めた。

 一方、中国政府によると、2008年10-12月期(第4四半期)の電力消費量は最も少なく、伸び率は前年同期比でマイナス7%となった。中国の電力消費量は昨年5月から低迷し始め、東の沿岸部から内地の中西部へと拡大した。経済成長の高い沿岸部では、昨年の電力消費量の減少幅が比較的に小さいが、中、西部地区の経済構造は主にエネルギー高消耗型の産業とするものであるため、電力消費量の減少幅は非常に激しいという。

 
(翻訳編集・張 哲)


 (09/06/13 14:10)  





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