THE EPOCH TIMES

「小日本」の大と「大中国」の小

2010年08月03日 10時02分
 【大紀元日本8月3日】中国人民銀行の易綱(イーガン)副総裁は7月30日、国内メディアのインタビューに、「経済成長の質にいろいろな問題が存在しているにもかかわらず、中国はすでに日本を超え、世界第二の経済大国となった」と話した。数字で裏付けされていない同氏の発言に、多くの専門家が疑問を呈した。

 GDPの指標は実質的な意味を持たない

 中国の著名な経済学者・劉正山氏は、「中国経済の全体的な構造が整っていない状況下で、GDPを唯一の評価指標とするやり方は、各省の政府にひたすらにGDPの成長を追求させてしまう。GDPの数字を大きくする最も有効な方法として、投資を拡大するほかない」と中国の経済状況を注釈した。

 中国社会科学院金融研究所の易憲容(イーシェンロン)研究員は、近年の中国GDPの急成長は、主に不動産市場の急成長からきたもので、バブルを含んだGDPの高さを追求しても意味がないとコメントした。

 「GDPの成長はいったい何の役に立つのか?何のためにGDPの成長を追求するのだろうか?政府の面子のためか、それとも日本を超えるためだろうか」と同氏は疑問を投げかけた。

 「小日本」の大と「大中国」の小

 「大」を追求しがちな中国人は、日本のことを「小日本」と呼び、自分の「大」に誇りを持つ。この傾向は経済報告書の中でも窺える。

 中国社会科学院は2006年1月に国際情勢白書を発布し、総合国力のランキングをリストアップした。中国は第6位、日本は第7位となっていた。

 言い換えれば、中国経済の総価値では日本に及ばないが、総合国力では日本を超えている。中国経済総量がイギリスとフランスを越えた後、経済大国と自称する中国は世の中に次のような幻覚を与えた:世界第二の経済大国・日本を超える。

 実際の状況はどうであるか。資料によると、日本経済は20世紀の60年、70年代からテイクオフし、GDPの年平均成長率は連続18年間10%以上を維持。80年代中期になると、はじめて旧ソ連を超え、世界第二の経済大国となった。同時に日本の一人当たりのGDPが初めてアメリカを抜いた。

 90年代に入ってからバブルの崩壊と共に経済が停滞状態に陥ったが、2004年の日本のGDPは4万6234兆ドルで、一方、中国は1万9317兆ドルに留まっており、日本のGDPは中国の2.4倍となり、一人当たりに換算すると、日本は世界5位、中国は世界107位で、日本のわずか30分の1であった。

 財富分配の公平性の角度から見ると、G7の中で日本は貧富格差の最も小さい国であった。日本のジニ係数はわずか0.285で、日本は十数年で西洋列強を追いつき、しかも経済総量と一人当たりの両方の指標で西洋列強を超えた。一方、国連の統計によると、中国は今でも依然として2.35億人が貧困線以下で生活しており、18%の中国人は一日の生活費が1ドルにも満たない。中国の都市と農村部間の格差は6:1で、世界記録を更新するほどの開きだ。

 中国は日本を抜いて世界第二の経済大国となったという発表に、最も興奮を覚えるのは共産党高官と成金富豪たち。中国経済改革の犠牲者となった弱者にとっては全く無関係な話だろう。

 実は_deng_小平から江沢民、さらに胡錦涛へと交替してきた中国共産党は、既得権益を保つために、「(政権)安定第一、GDP第一」の畸形改革を行い、いわゆる経済の高度成長に至った。

 各種の統計データによると、中国経済の高度成長の裏には債務の底なし沼がある。各級政府の財政赤字、国際、社会保障の借金と金融不良債権を全部あわせると16兆元あまりだ。この巨額の債務を中国最下層にいる国民たちに負担させている。富の公正性から言うと、「小日本」の大がさらに「大中国」の小を際立たせる。

 経済成長データを半減してもまだ水増し

 アメリカピッツバーグ大学のトマス・G.ロウスキ(Thomas G. Rawski)経済学教授の研究によると、中国の実際の経済成長率は、公表した数字の3分の1にも及ばない。中国で著名な郷鎮企業家の孫大午氏によると、かつて中央高層に面会した際、「中国の経済成長データは半減してもまだ水増しされた状態」と直言したことがあるという。

 アヘン戦争前の清政府の経済は世界経済の3分の1を占めていた。1900年になると、中国経済の世界経済に占める割合は6.2%まで下がっていた。約100年後の1997年になると、その割合はわずか3.5%である。現在、経済データを見ると、中国経済は大躍進しているように見えるが、実際のところ、中国のGDPはアメリカの9分の1に過ぎず、中国の全体的な経済規模は、アメリカのニューヨーク州に相当する程度である。

 中国共産党政権がGDP成長率を盛んに吹聴する背後には、ほかならぬ二つの目的が挙げられる。ひとつは、国民に当局の統治能力を認めてもらうためである。一旦中国経済の真相が国民に知れたら、全面的な経済危機が起こり、中共政権に壊滅的な打撃を与えかねない。

 もうひとつは、外国の投資を引きつけるためである。外国の投資を利用して、脆弱となった国内経済を支え、同時に、西側社会を制裁したり誘惑したり、台湾および台湾を支持する西側社会を脅かす。その結果、西側社会は現在の中共政権を制裁する勇気を持たず、現行の中共政権を存続させざる得なくなるのである。

(翻訳編集・張SY)


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