THE EPOCH TIMES

不動産バブル続く中国 政府が再び価格抑制策 専門家「効果薄」 

2010年10月01日 09時33分
 【大紀元日本10月1日】不動産への需要を抑える措置を含めた、中国国内不動産価格の急騰抑制政策を実施した4月以来、中国主要大都市における不動産価格は大幅な下落を見せず、かえって上昇する傾向が現れた。この現状に対して、中国の国土資源部、住宅及び都市農村建設部は共同で、このほど、中低所得世帯を対象とする住宅建設用地の供給を拡大させると共に、投機性の高い「商品房」用の土地供給を抑える措置を発表。抑制政策の効果を一層強化するのが狙いだ。

 政府の措置について、一部の専門家は「抑制政策の効果は短期的で、根本的な問題を解決できない。中国の権力集団が利益を追求し続けている限り、不動産市場のバブルは消えることがないだろう」と指摘した。

 「不動産バブルのせいで中国は地獄に突き進んでいる」

 今年1月に「中国不動産市場バブルの危険度はドバイ信用危機の1000倍だ」と警告した米国著名投資家のジェームス・チャノス(James Chanos)氏は4月にブルームバーグの取材に対して、「われわれが今議論しているのは世界規模の不動産バブルだ。現在私たちが目にしている中国は、2005年のマイアミ、2006年~07年のドバイとよく似ている」と話し、再び中国不動産市場バブルへの懸念を示した。

 中国政府の実施した抑制政策効果が薄いことについて、チャノス氏は「中国の国民総生産(GDP)の50~60%を占めているのは建設業だから。不動産建設が停止すれば、GDP成長率は瞬時にマイナスに転じるはずだ」とし、「しかし、このようなことは起こらないだろう。中国では皆、各レベルの政府関連部門が提出する経済成長指標によって人々がインセンティブを得ている。利益やインセンティブを得る簡単な方法は不動産建設をさらに進めることだ。中国はこのヘロインのような不動産開発から手を引くことはもうできない」と述べ、「中国は不動産バブルのせいで地獄に突き進んでいる」と再び警告した。

 抑制の効果は薄い

 9月26日、中国国土資源部と住宅及び都市農村建設部は、各地方関連部門に対して、「不動産用地及びその建設管理調整の再強化に関する通知」を発布した。同通知には、各地方政府に対して中低所得世帯を対象とする「社会保障型住宅」や「公的賃貸住宅」などに使う土地が不動産用地の総供給量の70%を下回ってはいけない、不動産価格の高い地区では中低所得世帯を対象とする住宅価格・住宅面積をあらかじめ限定する「限価住宅」を建設するための土地面積を増やさなければならない、などの規定が盛り込まれている。同通知は、不動産関連企業に不法な土地転売、不法な土地使用権譲渡などの違法行為があった場合、また企業側の原因で住宅用地を1年以上未開発・未利用にした場合、他の土地の購入入札を禁止すると定めた。

 中国政府が発表した統計によると、8月の中国主要70都市の不動産価格は7月と比べ横ばいになったが、前年同期比では依然として9.3%上昇した。また、米国金融大手のシティグループの調査によると、中国の8月の不動産価格は実際に7月と比べて6%上昇し、取引件数も前月比で28%増加したという。

 9月27日付の自由アジア放送の報道によると、広東省深センに在住する独立評論家の朱健国氏は、「政府は不動産価格抑制政策を出したが、この抑制政策の実行によって中国経済成長のペースが妨げられてしまっては困るというのが政府の本音だ。一部の不動産開発商人は政府のこの心理を利用して、政府がさらなる不動産価格抑制政策や措置を発表すれば、直ちにマスコミやいわゆる専門家を買収し、景気後退論を広げて政府を脅している」と述べた。

 また朱氏は「地方政府官員が不動産開発商人から受けている不正収入は、不動産市場の高騰に直接関係している。このような状況の下で、不動産価格への抑制は非常に難しくなっている。権力集団が利益を追求し続けている限り、中国不動産市場におけるバブルが消えることはないだろう」と話した。

 不動産開発業界の関係者によると、政府は不動産価格を抑制するために、現在、固定資産税にあたる「物業税」や「房産税」の導入を考えている。それらの課税が実施されれば、住宅購入者の負担が増えることになる。しかし、これらのリスクは不動産投資収益率を決める不動産賃貸料金に転嫁されることとなり、さらに、人民元切り上げ圧力の拡大で、不動産価格の大幅な下落は短期的には見られないだろうと指摘する。

 一部のエコノミストは、中国政府の不動産価格抑制政策は根本的な問題を解決できないとし、不動産価格高騰の根本的な原因は社会体制に問題があり、中国の政治体制、経済体制及び法的体制が健全化されなければならないと指摘する。

(翻訳編集・張哲)


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