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中国、GDP成長率下方修正 危機脱出意識

 【大紀元日本3月3日】中国の温家宝首相は27日、インターネット利用者と直接対話を行った際、2011年から始まる第12次五カ年計画では、GDP成長率を7%に確定したことを明らかにした。2010年に終了した第11次五カ年計画の目標より0.5%引き下げた。その理由について、「経済成長の質と効率を高め、国民が発展の成果を享受できるようにするため」と述べた。

 3日の全人代に先立ち、各地で開かれた人民代表会議でも政府は市民の幸福度を重視する姿勢を打ち出している。北京市は「人民が幸せで素晴らしい暮らしを送れるように」、広東省は「市民の生活改善を省政の出発点と着地点とする」、重慶市は「市民が最も幸せな市にする」などの方針を打ち出した。

 中国政府のこの姿勢転換について、専門家は「政治的なスローガンに過ぎない」とし、中国で中東革命に触発され、高まる市民の不満に危機を感じているからと分析している。

 中国の高度成長の経済は、国民に幸福をもたらすどころか、就職や居住、医療保障などの困難と貧富格差の増大問題が顕著になる一方だ。昨年、中国はGDPの成長率は10.3%に達したと発表したが、食品価格が10%上昇するなどインフレが深刻化し、国民の生活を圧迫している。米調査分析会社ユーラシアグループの中国問題専門家ダミアン・マー氏は、「過去10年でGDPは成長したが、国民の収入は増えていない」と指摘した。

 米国工商理事會(USBIC)上級研究員アラン•トネルソン氏は、インフレや収入配分の不公平、発展モデルの転換は現在、政府が直面する三つの課題とし、「都市部と農村部の所得格差は社会不安を引き起こすきっかけとなっている」との見方を示した。

 当局の危機感は、「インフレは市民の生活に影響し、社会の安定を脅かしている」との温首相の対話における発言からも窺える。「インフレと腐敗が手を結ぶと、民衆の不満を更に引き起こし、深刻な社会問題をもたらしてしまう」とこれを認めた。

 温首相の危機感には中東情勢も念頭にあるとみられている。中東で広まっている民主化の動きはいずれも長年蓄積された国民の不満が爆発したことによって引き起こされた。同じ火種を抱える中国政府は市民の不満に強い危機感を抱いているに違いない。

(翻訳編集・高遠)


 (11/03/03 07:54)  





■キーワード
温家宝首相  インフレ  中東民主運動  GDP成長率  


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