THE EPOCH TIMES

<中国高速鉄道事故>「残骸処理は人命より大事か」 遺族ら、怒号をあげる

2011年07月27日 06時44分
 【大紀元日本7月27日】「なぜ5時間で捜索を打ち切ったのか」。高速鉄道事故で家族を亡くした遺族らは泣き叫んだ。

 香港・明報によると、浙江省温州市の高速鉄道事故で犠牲者の遺族らは25日、温州市政府庁舎の前に集まり、政府の事故対応に対して抗議活動を行った。遺族らは、救助活動の早期打ち切りに強い不満を持っており、事故真相の解明を政府に求めた。

 「叔母の頭が半分に」

 浙江省紹興市から来た男性・楊峰さんは事故で、妊娠7カ月の妻(28)と義母(52)ら家族5人を亡くした。「車両にまだ人がいるのに、(重機による)現場整理を始めていた。残骸処理は人の命よりも大事なのか」と明報に訴えた。

 楊さんが家族が事故に巻き込まれたことを知ったのは、事故後30分が過ぎた23日午後9時ごろ。紹興市から事故現場近くまで車で駆け付けたのは夜中の1時。「特別警察の2重の封鎖を突き破り、やっと現場に辿り着いた僕が見たものは、消防隊員らが並んで指示を待つ光景だった。だれも救助する人はいなかった」

 「僕は自分で事故車両に入った。人の手や足が見えていた。しかし、だれも運び出そうとしなかった」。消防隊員らは楊さんに、救助活動はすでに終了したと告げ、朝5時には現場整理が始まるとも伝えた。

 多くの「遺体」を車両に残したままの現場整理は人の手でなく、重機を使って行われたという。「妻の顔は無残な姿になっている。叔母の頭部は半分しか残っていない」と楊さんは涙ながらに訴えた。「これは追突で負ったけがなのか、重機で潰されたからなのか誰か教えてくれ」。人の命は鉄道部の幹部には、取るに足らないちっぽけなものに過ぎないと楊さんは非難した。また、事故車両をむりやり引き降ろしたことについて、「中にいる被害者のことなんてまったく考慮していない」と咎めた。

 「鉄道部にとって人命よりも運転再開のほうが大事だった」。声を荒げた楊さんは、「なぜ鉄道部が介入すると、消防隊がすぐ引き揚げたのか」と鉄道部の対応への怒りをあらわにした。

 怒りが広がり、温州市民が追悼集会

 その怒りは温州市民にも広がっている。
25日夜、温州市内の世紀広場で行われた追悼集会(ネット写真)

25日夜、市民ら数千人が市内の世紀広場で追悼集会を行った。ミニブログの呼び掛けから広まった今回の集会に20代の若者が多く参加したという。中には事故で命を落とした中学生・朱さんの同級生らおよそ100人も追悼集会に参加した。

 ロウソクを手に持った市民らは犠牲者の冥福を祈り、「市政府へ行こう、真相を求めよう」というスローガンを口々に叫んだという。

 また、今回の事故犠牲者について、「集団火葬」が行われるとの情報が流れている。追悼集会の参加者から「集団火葬に反対!すべての死者を公表しろ」と怒号があがったという。ペンネーム「大鵬看天下」のネットユーザーは同25日夜7時にミニブログで、福建省の遺族らが温州市政府庁舎に集まり、犠牲者の集団火葬に抗議したと写真付きで書き込んだ。「死者に安息を」と訴える遺族らに警戒するかのように、市政府の敷地内に特別警察の車両が待機していたという。

 一方で、26日未明には、今回の事故による死者の数は39人に訂正された。政府が公表した数字に対して、上海東方衛星テレビ24日の報道では、現場情報として死者は63人だと報じられている。なお、インターネット上では、死者は179人に上るとの生命保険会社の情報も流れている。

(翻訳編集・張凛音)


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