THE EPOCH TIMES
医学古今

肝臓から月経不順を治す

2018年04月01日 06時00分

  多くの女性を悩ませる生理痛。現代医学では、痛み止めを処方するしか方法がありません。一方、漢方医学においては肝臓が月経、妊娠、出産、おりものなどの生理および病理に深く関わっていると考えられています。「腎」は男性の先天であり、「肝」は女性の先天であるという言い方もあります。つまり肝臓は、女性の元気の源なのです。

 月経周期は肝臓の蔵血(ぞうけつ、血液を貯蔵する)と疏泄(そせつ、気の流れを調節する)の生理機能の影響を強く受けているため、月経不順を治療するには、肝臓を考慮する必要があります。

 肝血虚

 肝の蔵血が不足している状態を、肝血虚(現代医学の貧血とは違う)といいます。経血の量が極端に少なくなったり、月経周期が遅れたり、あるいは一時的に止まったりすることがあります。同時にめまい、不眠、目の乾燥、目のかすみ、髪の乾燥、皮膚の乾燥と掻痒、爪が薄く折れやすい、手足のしびれ、筋肉の引きつりなどの症状を伴うことがあります。治療は四物湯がよく使われます。鍼灸治療では足三里、三陰交、太衝、肝兪などのツボを使います。

肝血熱

 何らかの原因で肝臓に熱がこもり、肝血熱が起きると、月経周期が早まったり、出血量も増加するなどの症状が出ます。同時に手足のほてり、口の乾き、目の充血、イライラ、便秘、尿色の濃化などの症状が伴うことがあります。参考処方としては柴胡清肝湯があります。鍼灸治療では間使、行間、尺沢、水泉などのツボを使います。

肝血寒

 寒の邪気が肝臓に侵入して肝血寒が起きると、月経周期が遅れがちになり、強い月経痛を伴います。同時に腰痛、頭痛、四肢末端の冷えなどの症状を伴うこともあります。治療の参考処方として当帰四逆加呉茱萸生姜湯があります。鍼灸治療では関元、太衝、陰郄、復溜などのツボを使います。

肝血瘀(かんけつお)

 何らかの原因で肝血瘀が起きている場合は、経血に塊が混じるようになり、月経痛も強くなります。同時に目の下の青クマが目立つ、皮膚のザラツキ、舌の瘀血班などの症状が伴う場合もあります。治療の参考処方としては桂枝茯苓丸があります。鍼灸治療では血海、合谷、太衝、地機などのツボを使います。

肝気鬱滞(かんきうったい)

 精神的なストレスから肝臓の疏泄機能を乱してしまい、肝気鬱滞の状態に陥ると、月経の周期が前後に乱れます。同時にイライラ、頭痛、胸脇部の張痛、不眠、怒りっぽい、抒情不安、下腹部膨満感などの症状を伴う場合があります。参考治療として加味逍遥散、女神散などの処方があります。鍼灸治療では期門、足三里、太衝、陽陵泉などのツボを使います。

 月経にまつわるトラブルは、肝臓のほか腎臓や脾臓も関係していますが、やはり肝臓の機能の影響を強く受けます。肝臓と妊娠、出産、おりものなどのかかわりについては、また別の機会でご紹介します。(著作権は著者にあります)

(中医師・医学博士 甄立学)

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