THE EPOCH TIMES

英国バイリンガル子育て奮闘記(38) 日本語の教材(1992-1996年) 上

2010年06月07日 07時00分
 【大紀元日本6月7日】娘に日本語の音が定着するように、幼稚園にあがるかあがらないかのうちに、スポンジでできたひらがなパズルで、「ひ」「ひ」「ひ」などと笑わせながら、文字に触れさせた。また、キティーちゃんのぬりえとかパズルや迷路なども入手して遊ばせた。

日本製のものは、ぬりえひとつとってもただのぬりえではない。キティーちゃんのリボンと耳が、注意深くないとぬり分けられなかったり、ささいなところに難問が隠されている。パズルや迷路も、「知能発達」を目的とする意図が窺えた。イギリスの「遊ばせる」ための時間つぶしのようなぬりえやゲームとは大違い。教育ママが購入するように設定されている。

また、二才半の娘と日本に行った際、漢字カードとカタカナのジグソーパズルを購入したが、いずれも、「0歳から」なんていうとんでもない表示がついていた。イギリスののんびりした田舎の子育てとはかけ離れた世界に、知らず知らずに私は娘を押し込めようとしていた気がする。漢字カードは、動物さんの絵などがきれいなので、 娘のベッドルームの窓際に紐をかけ、 洗濯バサミを使ってカードを飾った。カタカナのジグソーパズルは外来語ばかりで身近な物が多く、その後も日本語を大人に教える時に、ひらがなやカタカナの概念を導入する上で役に立った。ただ、このパズルには「何分で完成するとあなたのお子さんは全体のどのくらいの水準」などの説明書が同封されていたように記憶している。こんな幼い時期から競争社会に立たされてしまうようで、実に恐ろしい世界である。

一口にバイリンガルといってもケースバイケースで、実に様々だ。私の場合は、日本の枠に入れての日本人教育をしたいという願望があった。しかし、最寄りの日本人学校は鉄道で5時間離れたロンドン。頼みの綱は通信学習だった。当時、就学前から購読できるテープや本のコース、幼児からどんどん漢字や百人一首を学ばせてしまう公文式などが存在していた。しかし、一教科ごとの料金となって毎月の支払いも馬鹿にならない。国語だけやらせるよりも、小学校低学年の段階では総合的な教育がしたい。

たまたま、地元の観光地に言った時に言葉を交わした日本人の家族が、大使館に登録すると無料で義務教育の教科書を配布してくれるという耳寄りな情報を教えてくれた。そして、文部省の海外子女用の通信学習は、 他社の通信教育の一教科にあたる料金で、 国語、算数、生活の指導をしてくれるということが分かり、日本の1年生と同じ時期に、 自宅で毎月送られてくるドリルと締め切りの定められた添削用のテストと取り組むことになった。 教科書は半年に一回、宅急便で送られてきた。

(続く)


著者プロフィール:

1983年より在英。1986年に英国コーンウォール州に移り住む。1989年に一子をもうけ、日本人社会がほとんど存在しない地域で日英バイリンガルとして育てることを試みる。
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