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広がり続ける中国の「死海区」

 【大紀元日本9月19日】9月初め、中国政府メディアは一連の海洋汚染問題を報道した。特に1カ月前に五輪ヨット競技開催地であった青島で異常発生したアオサは全ての海岸線を覆い尽くし、五輪ヨット競技開催に支障をきたしたため、当局が4千8百隻余りの船と4万人余りの人員を出動させ、60日以上にわたり処理作業を行った。この事は人々に海洋汚染が深刻な結果となったことをさらに深く認識させた。

 現在、中国沿海の汚染が深刻な地域は200カ所以上。これらの様々な汚染物質は海に流れ込んだ後、広い範囲の海域を深刻な酸欠状態にさせ、それにより海鳥や海洋生物が大量死し、その地域をまさに「死の海」にしてしまう。今、中国の「死の海」区域は広がり続けており、大陸メディアも緊急に海洋汚染問題の処理に注目するよう呼び掛けざるを得なくなった。

 *東海海洋は深刻な状態

 現在、中国の東海は最も面積の広い「海洋荒漠区」の一つに挙げられている。「海洋荒漠区」とは海洋中に存在する低酸素、酸欠区域である。必要とされる酸素が欠乏することにより、水生生物は生存できなくなり「死海区」と呼ばれる区域になる。一旦海水中の酸素濃度が3mg/L以下になると、ほとんどの魚貝類は逃げることが出来ずに窒息死してしまうという。

 財経網によると、2006年10月、すでに国連環境計画(UNEP)の報告の中に長江口と珠江口の名が新たに加わる「海洋荒漠区」リストにはっきりと記されていた。2005年、元の国家環境保護総局が長江口及び隣接している海域に対する調査を行った。調査区域は江蘇省江岸の8市を含む浙江省沿海6市、上海市及び長江口外と杭州湾府付近の海域の関連する陸域面積10・36万平方キロメートルと海域面積約3・8万平方キロメートル。その結果、3・8万平方キロメートル内の海域内の海底で採取したサンプル中、3分の1には何も底に棲む生物がおらず、海底の“砂漠化”現象が深刻であったという。

 *人為的な汚染

 汚染がひどくなるにつれ、長江から海に流れ込む窒素やリンなどの「栄養塩類」が増加し続けている。専門家は海洋の栄養塩類汚染が藻類の生長に物質の基礎を提供しており、いったん適切な温度や日照条件が揃えば広範囲にわたって藻類が爆発的に広がってゆき、さらには赤潮を発生させると認識している。赤潮の後、栄養塩類がほとんど消耗された後で藻類は海底に沈殿し、細菌に分解される。この過程で酸素が大量に消費されるため、無酸素区が形成される。

 70年代から中国で記録されている赤潮は300回以上。発生回数は10年ごとに速度が3倍上がっていっており、発生規模も急激に拡大する傾向にある。

 海洋生態環境レベル評価の結果では、中国の約53%の汚染物質排出口近くの海域の生態環境のレベルが低い、あるいは極めて低い状態にあり、底の生態環境のレベルにも好転は見られていない。

 江蘇省、浙江省の例をあげよう。『江蘇省2007年海洋環境質量公報』によると、江蘇省98・2%の海に汚染物質を排出している汚染物質排出口が基準値を超えた排出をしている。江蘇省海域面積は3・75平方キロメートル、海岸線は954km。2007年、全省56の排出口のうち、55カ所が基準値を超えていた。排出口付近海域65・4平方キロメートル内では皆、海水質レベルが4類で、生態環境は極めて劣悪な状態である。

 『浙江省2007年海洋質量公報』では浙江省96・7%の汚染物質排出口が基準値を超えていると発表されている。該省は4・24万平方キロメートルの海域面積があり、海岸線は6486kmで、全国で一番長い距離である。昨年観測された30カ所の陸から海に流す汚染排出口のうち、29カ所が基準値を超えていた。13ヶ所の重要排出口が隣接する海域では、53・9%で生態環境レベルが極めて低い状態にあることを示している。

 *汚染対策の道のりは遠い

 主要河川を経て海に流れ込む汚染物質は増加の一途をたどっている。統計によると、2007年に長江、珠江、黄河及び閩(びん)江など主要河川から汚染物質が海に流入する総量は1407トン。前年と比べ1・8%増加している。

 江蘇省のある海洋専門家は江蘇・浙江省海域の汚染がさらに深刻化する原因として、両省沿海地区の粗放な経済成長方式を挙げているが、沿海の各級自治体がその罪から逃れる事は難しいだろうと考えている。この専門家は両省に跨る「太湖」が「汚染されてから後で処理する」という処理方法の下で長年の問題が解決できないことを指摘し、現在の状況から両省の海洋環境も同じ道をたどるのではないかと懸念している。

 2年前、中国の海洋専門家が、もし汚染処理の措置が遅れれば渤海は10年、あるいはもっと短期間に「死の海」に変わるだろうと警告している。また今すぐ汚染物質を渤海に流すことを停止しなければ、渤海が完全に元の状態に回復するには少なくとも200年はかかるだろうとも予測している。

 
(記者・文龍、翻訳・坂本)


 (08/09/19 06:44)  





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