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ネットでは、高智晟弁護士の気持ちを理解する声がめだっている。写真は、今年2月4日、香港で行われた同氏を支えるグループによるデモ(Photo credit should read MIKE CLARKE/AFP/Getty Images)

「家族のために人権活動を中止」 高智晟弁護士、失踪14ヶ月後の初取材

 【大紀元日本4月9日】法輪功学習者や地下教会に対する中国当局の人権侵害を非難してきた高智晟人権派弁護士は4月7日、2009年の失踪後、初めてAP通信の取材を受けた。「これまでの活動が家族に多大な苦難をもたらしたことを考え、今後人権擁護活動を行わないことを決めた」と現在の心境を語った。

 中国の人権問題に積極的に取り組んできた高智晟氏の失踪に国際社会は強い関心を示し、2週間前に初めて山西省五台山に身を寄せていることが明らかになった。

 「取材ではなく、ちょっとおしゃべりしましょう」という条件で応じてくれた同氏は、AP通信に「失踪、そして拘禁や虐待の有無などについて話したくはありません」と前置きした上で、「健康情況は良好」だとしながらも、極めて痩せていた。発言も控えめで、以前の不撓不屈な人権運動活動家という面影はもうないという。

 取材は北京北部の自宅付近の喫茶店で行われ、家族の話になると、何度も涙ぐんでしまったという。

 「私はこれ以上忍耐することができません。これまでの体験が理由の一つですが、もう一つの理由は、これらの経験によって愛する家族をひどく傷つけたことにあります。熟慮の末、静かで平和な生活を求めることにしました」と活動の中止に言及した。

 昨日初めて帰宅した高氏は、玄関で妻と子どもたちの靴を見て「まったく気持ちを抑えることができませんでした。靴は以前のままですが、私にとって最愛の家族はもういません。私たちは今、糸の切れた凧のようです」と苦しい胸中を吐露し、「今後の目標は家族と一緒に生活することです」と家族への思いを口にしたという。

 失踪中の出来事について、「今までの生活と決別するために、過ぎたことについて話したくはありません。過去はもう重要ではありません。自分で支配できる未来がほしいと思います」と話し、「(人権活動を中止する)決断はこれまで支持してくれた人を失望させることでしょう。本当に申し訳なく思っています」と述べた。

 今後の中国の人権運動については、「きっと新しい人が現れ、引き続き中国の民主化を進めてくれます。ほかの人が私の例を見て運動をやめることはないと思います。私がいてもいなくても、大きな影響はないでしょう。この数年、たくさんの人が人権運動に取り組みたいと話してくれたので、これまでの教訓を踏まえて少しアドバイスできたらと思います」と期待も寄せている。

 インターネットでは、人権運動を中止する同氏の決定を理解する書き込みが目立っている。

 高氏は2006年末に中国当局に「国家顛覆罪」で懲役3年(執行猶予5年)の判決を言い渡された。その後、何度も連行され、監禁中性器に爪楊枝を入れられるなど想像を絶する虐待を受けていたと本人が明らかにしたことがある。

 2009年2月、自宅から連行され、その後所在不明となり、2010年3月に山西省五台山にいると判明。失踪中、米国・イギリス政府は中国政府に同氏の安否を確認するなど、高い関心を示していた。

 その間、妻と二人の子どもはアメリカに亡命し、現在アメリカで暮らしている。

(翻訳編集:高遠)


 (10/04/09 06:33)  





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