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今年3月、北京で開かれた全国政治協商会議。共産党トップの間で熾烈な権力争いがあるといわれている(FREDERIC J. BROWN/AFP/Getty Images)

「江沢民思想」にレッドカード 中南海の権力争いに新たな展開か

 【大紀元日本4月25日】3月に北京で開催された「全国人民代表大会」と「全国政治協商会議」(両会)のほぼ1週間前、中国共産党系メディアは、『江沢民思想年編』を発行すると大々的に伝えていた。しかし、この『思想年編』は刊行してわずか19日後にレッドカードを突きつけられ、いまはほぼ「消息不明」の状態だ。

 香港誌『争鳴』4月号に掲載された「党指導部で両派が激闘、江沢民思想が否決された」と題する記事によると、両会の期間中、『江沢民思想年編』が両会参加者たちに配られたが、多くの高級幹部らが相次いで中央に書簡を送り、「江沢民思想」という言い方に猛烈に反発したという。

 中央政治局はこの動きに注目し、江沢民元主席の腹心である李長春、賀国強、賈慶林、劉雲山が政治局の背後で起こした計画だったことが明らかとなった。政治局は、組織に違反しているとしてその政治的責任と動機を追及することになったという。

 事態は白熱化し、今後『思想年編』を推進するかどうかについて、9人の政治局常務委員会が表決することになった。賛成票を投じたのは李長春、賀国強、賈慶林の3人で、反対票は温家宝、習近平、李克強、呉邦国の4人。胡錦涛主席と江沢民の側近・周永康は表決を棄権した。

 投票後、政治局委員の王兆国、王岐山、王楽泉、王剛、また軍事委員会副主席の郭伯雄と徐才厚も続けてこの事態に異議を唱えた。前記の「四王」は、「江沢民思想」と名付けられた今回の事件に対する調査チームを立ち上げ、背後でリードした人物を徹底的に暴き、党紀・政治処分を受けさせると主張した。

 その後、中国共産党中央は慌てて各部へ連絡し、「江沢民思想」という呼称を使用してはならないと通告。海外メディアはこの事件について、中国指導層の権力闘争の一環であり、すでに衰えている江沢民派が次期党大会で主導権を手に入れようとしたものと論じている。

 また、香港誌『動向』は先日、胡錦涛派で広東省書記の汪洋が胡錦涛主席の後継者として推し出され、もう一人の胡錦涛派である李克強は、すでに総書記のポストを断念し、次期総理を手にすることに専念していると伝えた。それに対し、江沢民派で次期総書記と目されていた習近平は、将来が危うくなっているという。同誌は、「党中枢部からの確実な情報」としてこれを伝えている。

 北京の政治評論家は、もし習近平が江沢民色を退けないまま胡錦涛主席に対抗すれば、江沢民元主席の政治的な犠牲になりかねないという見方を示している。しかし、「江沢民思想」事件についての投票で習近平は反対票を投じており、習近平の動向はやや意外だったと述べ、今後の動向に注目したいとしている。

(翻訳編集・小林)


 (10/04/25 09:29)  





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内部闘争  江沢民思想  


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