中国郷村政府の債務、1兆元超

2006/04/11 09:00
 【大紀元日本4月11日】近年、中国経済は急速に発展しているが、農村部末端政府の財政状況は、急激に悪化している。ラジオ自由アジア(RFA)の報道によると、中国郷村級政府の債務は、1兆元の規模に達しているという。

 「国家財政は日増しに発展し、 省級財政は揺るぎなく、 市級財政は動揺し、郷級財政は空空」これは、中国の郷村職員の間で流行している風刺である。中国経済週報の報道によると、中国財政部官員の推計として、2005年における中国郷村政府機関の債務は、既に1兆元の規模に達しているという。

 中国には郷、鎮が合計で5万余り存在するが、その債務は、平均で2000万元である。仮に、各郷、鎮の財政収入が毎年100万元であったとすると、郷、村両級政府機関は何もできない上、債務の償還に20年も要することとなる。また、報道によると、県級の財政赤字を加えれば、中国の農民1人当たりの債務は、600元から1000元となる。

 カナダ・ラバル大学の経済学教授・蘇展氏によると、中国郷級政府の負債は深刻であり、その主な原因は、機関に無用な重複が多く、人員が過剰であることである。また、多くの末端政府機関の派手な浪費も原因となっている。

 蘇展教授によると、その原因は、中央の財政全体の分配の問題、中国の行政機関が非常に複雑であること、郷、鎮政府機関の無用な重複等々が挙げられるという。さらに、行政階層が非常に複雑であれば、必然的に消費の問題をもたらし、末端政府の財政収入が、この数年来非常に限られているにもかかわらず、支出の面では非常に派手であることも原因だという。

 報道によると、中国における県3000余りのうち、1080が給与を支給することができず、郷鎮政府機関の困難はさらに大きなものとなっている。中国経済週刊は、ある中国末端官員の言葉を引用し、郷村債務の要員は、第一が教育、第二が郷鎮企業の債権であり、政府支出の赤字は第三であると述べている。

 蘇展教授によると、郷鎮企業は、かつて中国の経済発展の推進力であったが、後に、様々な原因で次第に低迷しており、今では、かえって政府財政の負担となっているという。

 蘇展教授によると、中国の発展戦略は、エリート戦略であり、郷鎮企業はずっと重視されてこなかった経緯があり、国家全体の税収の分配においても、郷、鎮は軽視され続けてきたという。また、中国財政の多くは、経済活動の分野においても支出されているという。実際の市場経済体制に基づいて言えば、財政は、その他の社会福祉等々において支出されるものだが、その多くを投資に用いている。しかし、こうした郷、鎮の価値創造能力は決して高くないことから、結果として郷、鎮政府の財政危機及び赤字が発生するのは、全く奇異なことではないという。

 1994年の中国財政改革以来、中共中央政府の財政収入は、毎年、二桁のペースで成長した。しかし、県級以下の政府部門は、かえって維持が困難になっており、その多くは借金に依存している。中国の郷村問題に関心を持っているカナダの学者・杜智富氏によると、中国の税収の大部分は中央が取得しており、このことが、郷村の末端政府の財政問題の主な原因となっている。

 杜智富氏によると、正常な他国においては、一般に、税収の比率は、地方が70%、中央が30%であるが、中国においては、中央の持分が70%で、地方のそれは30%だという。

 ある中国の専門家によると、農業税及び農業特産税の全面的な取り消し、及びその他の農民の経済負担軽減策の実施に伴い、中国の県、郷の末端政府の財政危機が日増しに激化することとなる。

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