THE EPOCH TIMES

ジンバブエ産「ブラッド・ダイヤ」 中国の資金源に

2010年09月27日 07時20分
 【大紀元日本9月27日】史上最大のダイヤ埋蔵量とも言われるジンバブエのダイヤ採掘場に、英紙ジャーナリストが現地入りし、武器/ダイヤ取引をまとめたジンバブエ幹部の直属とのインタビューに成功。ここから採掘されたダイヤが中国の資金源になっているという証言を伝えている。

 血にまみれたダイヤ

 アフリカでは反逆者や専制的な政府の資金源として、ダイヤが採掘されてきた。銃で脅かされながら、女、子供を含む労働者が採掘する。 このようなダイヤは「ブラッド・ダイヤモンド」(血に染まったダイヤ)として知られる。

 ジンバブエの南東端にあるマランジェ(Marange)ダイアモンド鉱は、南アフリカ最大の埋蔵量といわれる。世界のダイヤの需要の4分の1を占めるとも言われ、9月18日付け英紙デイリーメールでは、8000億ポンド(107兆円)相当と伝えている。

 同鉱の独占的探査権(EPO)は、もともとダイヤの大手デビアス社から英国に登録するACR(Africa Consolidated Resources)社に譲渡され、法廷でもその権利が正式に認められたにも拘らず、2006年12月、ムガベ政権がジンバブエ鉱業開発公社(Zimbabwe Mining Development Corp)を通して探査権を我が物にしてしまった。

 2008年12月、英紙「ガーディアン」は、ジンバブエ国内で、空軍ヘリコプターから発砲された弾丸により、無数の不法採掘者が銃殺されたことを伝えている。「その後、陸地に犬を放ち、採掘者をかみ殺させ、催涙ガスを発砲して細い通路から誘導し、出てきたところを銃殺した」と報告している。

 中国人民解放軍の参入

 中国が武器を供給する見返りとしてジンバブウェが中国にダイヤの採掘をさせるという、 武器/ダイヤの取引が両国間で内密にとりまとめられた。この取引を成立させたコンスタンティン・チウェンガ将官に直属する人物とのインタビュー内容を、9月18日付けのデイリーメールが報道している。

 この情報源によると、中国政権とジンバブウェ政権の最高レベルで、武器/ダイヤ取引は交わされたという。中国との条約がなかったら、ムガベ政権の座は追われていたが、今は必要な武器を全て備えているから、無期限で政権の座に留まれるという。

 「何万編もの記事を何万部印刷しても何も変わらない。ダイヤはすべてこちらのものだ。武器も全て持っている。ダイヤを取ろうとする者は、容赦なく殺す」とこの人物は豪語する。

 地下に潜伏して取材しているジンバブエのあるジャーナリストが、中国人民解放軍を次のように描写している。「邪な者が頭が切れるとは限らない。しかし、彼らは北朝鮮、南京軍事学院で養成された精鋭だ。冷酷で頭が切れる。だから恐ろしい」

 キンバリー・プロセス

 紛争当事者の資金源となるダイヤを業界から締め出すため、ダイヤの出処が紛争に関係ないことを認証するキンバリープロセス認証制度(KPCS)が2002年に採択された。この認証なしでは、主流のダイヤモンド業界での流通はできないという国連総会の意図だった。

 しかし、ジンバブウェで採掘されたダイヤは、航空機、船舶、トラックで 運び出され、中国本土で加工される。最高級のカットダイヤは、インド、中東のディーラーを通して宝石業界に流通している。その他は工業用ダイヤとして中国経済の興隆を支えている。

 8月には、人権活動家がキンバリー・プロセスにマランジェ採掘場での不法採掘者に対する拷問・暗殺の詳細を伝えたとして、投獄され拷問にあっている。

 キンバリーの監視者による現地視察前に、血なまぐさい部分を完全に隠すための作業がとられているという。「いい面」だけを見せて、残虐な面はひとかけらも見せないと、例の人物は自信ありげに語っている。

 ジンバブエが失っているもの

 ダイアモンドの原産国としての立場を享受するアフリカの二国の例を挙げてみる。

 ナミビアでは、従来のダイヤのカットのために外国に搬送するという従来の慣例を破り、国内でカットするようにした。フィネシー・ダイアモンドFinesse Diamondsのアレックス・トゥワースキー社長は、ナミビア人を雇用し、公正に扱うビジネスモデルを編み出した。同氏は本紙英語版「エポックタイムズ」の昨年の取材で、国内でダイアモンドカットをするようになって、100人以上の高給職が生み出されたことを指摘している。現地の人間を養成する方がインドなどの国外に搬送して加工するより高くつくが、同氏は、公正なビジネスの大切さを確信しており、市場はついてくるだろうと確信している。「ナミビアからのダイヤを購入するカスタマーに対する大切なセールスポイントになるはずだ」と語る。

 また、同氏は、ボツワナの例も挙げている。GDPの75%以上がダイヤ産業によるもので、ボツワナでは全市民に大学レベルまで無料の教育を提供していると語る。「全ての市民は、無料で健康保険を受け、GDPは一人当たり1万5千ドルとアフリカでは2位の立場にある。成功例だ。ナミビア同様に安定した国家、政権、産業だ」とダイヤが国に福をもたらす可能性を指摘している。

 これらの国とは全く対照的に、ジンバブエのラッキー・シバンダさんは、採掘場で捕まった際に犬に噛まれた傷口を見せながら、「ここの中国人は鋼鉄のような奴らだ。この国が救われるダイヤを横取りにしている。彼らが憎い」と語ったことをデイリーメールは報道している。

(編集・鶴田)


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