THE EPOCH TIMES

「ウサギも苛立ちゃ噛みつくぞ」 中国の庶民、もはや我慢の限界=中国人がみる中国

2011年02月17日 07時50分
 【大紀元日本2月17日】虎年が過ぎ、ウサギ年に入った中国では最近、「クワンクワン(哐哐)」というウサギのキャラクターが人気を博している。インターネットの動画サイトに流れていた風刺アニメの主人公で、虎の高圧的な統制に耐え切れずに「革命」を起こし、虎を噛み殺したウサギたちだという。虎ミルク(メラミン混入の「三鹿」粉ミルクを暗示する)を飲んで子ウサギが死んでしまったり、強制立ち退きにより家屋が破壊されて抗議の焼身自殺をしたり、トラックの下敷きにされて殺されたりと、アニメに描かれたこれらの悲惨なストーリーは、いずれも中国社会の実像を生々しく想像させる。

 もちろんこのアニメは、当局によってすでにネット上から削除された。しかし、そのテーマソング「俺をこれ以上虐めるな。苛立ったら俺だって噛みつくぞ」は、すでに視聴者の記憶に焼きつけられている。

 このアニメが広く支持された背景について、ある中国人読者が中国語版BBCへ文章を投稿している。それによると、「現在、中国社会には不安が蔓延しており、庶民は我慢の限界に来ている。アニメの広がりは、まさにそのシグナルである」という。

 以下は、その投稿の抄訳である。

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 最近「小兔子哐哐」という短編アニメが全国で流行っている。このアニメには、中国で起きたいくつかの大事件を暗喩する内容が盛り込まれている。多くの幼児が被害を蒙ったメラミン混入粉ミルク事件、政府の幹部たちを先に逃がしたために小・中学生約300人が犠牲となった新疆カラマイの大火事、河北大学キャンパスで起きたひき逃げ死亡事故で犯人が「俺のおやじは李剛だ」と公安局局長の親の威光を借りて居直った事件、土地の不正取得をした官僚を告発した元村長・銭雲会さんが事故死に見せかけ殺害された事件などだ。各事件を忠実に表現するために、かわいいキャラクターのウサギが、耐えがたい暴力によって血まみれになる場面もたくさんあるが、いずれも現在の中国社会の実状を露わにしたものとして受けとめられている。

 アニメの最後の場面には、「俺をこれ以上虐めるな。苛立って咬み返したら、取り返しがつかないことになるぞ」というセリフと、非常に恐ろしい光景が現れる。これは、我慢の限界を超えた民衆の爆発を予期させるものであろうか。

 このアニメの流行から帰納的に言えることは、現在、中国社会には不安の空気が蔓延しているということである。ここ数年、中国で発生した多くの集団事件は、最終的に政府当局に制圧されるか、または政府に一方的に断罪されてきた。そのため民衆の間には、政府への不信感と不満が募っているからだ。

 近年発生した多くの社会事件に対する政府の対処は、一定のパターンに則っている。事件発生当初、政府は積極的にかかわるが、一たび事件内容が政府の意に反すると判れば、政府はその事件を避け、一切触れないようにする。さらに、民衆の側が自発的に真相を調査しようとすると、政府はそれを妨害したり、調査活動を発起した民間人に対して無実の罪を着せる。例えば、四川大地震で多くの子供たちが犠牲になった「おから工事」を調査し、当局の責任を指摘した譚作人氏や、メラミン汚染粉ミルクの被害者らを支援する趙連海氏など、社会的影響力が強いと見なされた人物は、「国家転覆扇動罪」や「社会秩序を破壊した罪」で有罪判決を言い渡されているのだ。

 これらの事件を通して、民衆は政府を全く信じなくなり、政府もまた私利私欲のため民衆と対立してきたことで、民衆のうっ憤は募る一方であった。その限界を超えれば、エジプトで起きたことは、中国でも同様に発生しうるだろう。

(翻訳編集・余靜)


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