印刷版   

IMF、金融危機の再来を警告

 【大紀元日本4月18日】世界規模の金融危機が過ぎ去り、地球規模で経済回復が見られるようになってきた。しかし、これらの表面的な繁栄の裏には、世界の金融市場が危機陥る状況が存在している。13日、国際通貨基金(IMF)はワシントンで関連報告を発表し、このように述べている。独ラジオ局ドイチェ・ベレが報じた。

 IMF資本市場本部のホセ・ヴィナール(José Viñals)主任は、世界の金融市場は「一喜一憂」の状況下にあるという認識を示した。「一喜」については、世界の金融体制のリスクがかなり縮小していること。これは世界経済の回復と関連しており、特に各国政府の金融緩和対策による金融機関への巨額の政策融資と切り離すことはできない。

 「一憂」については、金融危機に対抗するための振興対策が、金融体制そのものの脆弱性を隠す道具と化したこと。

 2年前、EU中銀がEU中心に行った金融機関対象のストレス・テストで、30%の銀行の自己資本率が8%未満であったことが明らかになった。

 「2回目のストレス・テストを行い、EUの銀行システムの健全性を検証すべき。我々が信頼できる方法で行い、その結果もわかりやすいものでなければならない。また、この検証は危機対応戦略の一環にするべきだ」と同主任は語る。

 同時に、先進国が巨額な公共の財政資金を出動させたことで、巨額の赤字をもたらしたことが、世界金融システムのもう一つの潜在的なリスクでもあるという。財政赤字に悩まされる国には、一部のEU国家、日本、アメリカも挙げられる。特にアメリカの場合は、多くの個人が多額の債務を抱えており、これらの要因も銀行の収支バランスに影響を与え、ひいては世界の経済回復に影響をもたらす可能性があると同主任は分析する。

 さらに新興国の経済過熱問題も懸念されている。これらの国の経済過熱は、統計数値上の増加からだけでなく、大量の流動資金の流出入にも現れている。ヴィナール主任によれば、最近の一部新興国の通貨流通量の高さは、常識から外れた水準にある。「いまの通貨流通量の増加は、今後の金融バブルの破綻と密接に関連している。すでに歴史的な経験から明らかだ」と同主任は指摘した。

 現在、新興国のうち、中国、インド、アルゼンチン、ブラジル、インドネシアなどの国は国内投資の金額が急速に増加しており、今後のバブル経済の発生の火種となることが予測されている。利上げにより経済の過熱状況を緩和することができなければ、これらの国が資本の流出入を制限する政策をとるようになる可能性は大きい。自由市場経済の信条を守り続けてきたIMFにとって、これは決して望ましい政策ではない。 

(翻訳編集・林語凡)


 (11/04/18 09:05)  





■キーワード
IMF  金融危機  ストレス・テスト  脆弱  経済過熱  


■関連文章
  • 【フォトニュース】スペイン信用格下げ 今後の見通しも「ネガティブ」(11/03/11)
  • 中国、5年内に金融危機発生か=BN調査(11/02/09)
  • 中国、ハイリスクのスペイン国債継続購入 専門家「政治目的の投資」(11/01/06)
  • 数ヶ月で倍増 中国地方政府の債務、133兆円に=UBS証券(10/06/10)
  • 2010年 世界主要国、国家財政危機ぼっ発か(10/02/28)
  • 外国資本への規制に不満 英国企業、中国市場からの撤退を計画(10/02/14)
  • 金融危機後の銀行の有り方、「カナダに習うべき」=米経済学者(10/02/10)
  • 世界不況と巨額経済刺激策で、顕在化する中国経済の生産過剰問題(10/02/05)
  • 貿易総額16%減 中国製造業、空前の危機(09/12/31)
  • 過剰生産:中国国内の「中国産」問題(09/12/27)
  • 迫り来る七大金融バブル、中国不動産市場が2位に=米フォーブス(09/12/23)
  • 「ドル基軸、当然視は間違い」=ゼーリック世界銀行総裁(09/10/01)
  • 台湾大陸委員会、中国の雇用率統計に疑義(09/09/28)
  • EU商工会議所会長 「中国当局は、外資系企業への規制を強化」(09/09/10)
  • 中国における上半期の賃金上昇への疑義(09/08/14)