わが君は千代に八千代に細れ石の巌となりて苔のむすまで
2021/06/27
都だにさびしかりしを雲はれぬ吉野の奥の五月雨のころ
2021/06/26
不来方（こずかた）のお城の草に寝ころびて空に吸われし十五の心
2021/06/23
木陰にてバスを待ちおり洛陽は生まれる前に一度来ていた
2021/06/21
夏の夜の臥（ふ）すかとすれば時鳥（ほととぎす）鳴く一声に明くるしののめ
2021/06/20
むかし思ふ草の庵の夜（よ）の雨に涙なそへそ山ほととぎす
2021/06/19
吉原の太鼓聞こえて更くる夜（よ）をひとり俳句を分類すわれは
2021/06/18
多摩川にさらす手作りさらさらになにそこの児のここだかなしき
2021/06/16
よそに見て帰らむ人に藤の花這いまつはれよ枝は折るとも
2021/06/14
契りおく花とならびの岡の辺にあはれ幾世の春をすぐさむ
2021/04/10
まだ知らぬ人もありけり東路にわれも行きてぞ住むべかりける
2021/04/04
いざ子ども早く日本へ大伴の御津の浜松待ち恋ひぬらむ
2021/04/01
春の夜の夢ばかりなる手枕にかひなく立たむ名こそ惜しけれ
2021/03/30
やどりして春の山べに寝たる夜は夢のうちにも花ぞ散りける
2021/03/27
思ひあまりそなたの空をながむれば霞を分けて春雨ぞ降る
2021/03/22
願はくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月のころ
2021/03/15
世の中は常にもがもな渚こぐあまの小舟の綱手かなしも
2021/03/10
東風吹かばにほひおこせよ梅の花あるじなしとて春な忘れそ
2021/03/05
天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも
2021/03/03
田子の浦にうち出でて見れば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ
2021/03/02
やまと歌は人の心を種として萬の言の葉とぞなれりける。
2021/02/27
