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2008年3月、多くの中国共産党軍警察、戦車や装甲車がラサ市内を巡回し、大通りには通行人はほとんど見られなかった(撮影:大紀元・韓欣辛)

ラサで夜間外出禁止令、チベット地区はすでに軍監視下に

 【大紀元日本3月8日】2009年3月10日は、チベット精神指導者ダライラマがインドへ亡命し50年目にあたる。この日に加え、2008年3月14日にラサ市で発生した暴力事件も1周年となることから中国共産党は青蔵高原において非公式な厳戒態勢を実施。多くの軍人をチベット人が集まる地区に配備し、突発事件発生に備えている。北京当局も外国人に今回の大規模な軍人配備行動を見せないことを決めたようだ。

 毎年3月はチベットが政治的に敏感な時期となる。しかも今年は1959年3月10日に中国共産党が暴力的支配に抗議するチベット民衆を武力弾圧した50周年目にあたる年。中共は現金や食べ物で買収し、チベット人をチベット歴新年の祝賀に参加させようと企てた。だが、中共はこれと同時に2008年に抗議デモに参加した尼僧2人にそれぞれ禁固10年と9年の判決を下している。また、さらにこれと同時に甘孜蔵族自治州理塘県で立て続けに発生したチベット人による抗議に武装警察を大量に派遣駐留し、交通規制を実施。さらには人々の行動まで制限し、都市は封鎖状態のようになった。

 *街には監視兵が配備され、ラサでは夜間外出禁止令を実施

 ニューヨークタイムズ5日の報道ではチベットはすでに軍事化地区となったと伝えている。各都市の中心部には土嚢が積まれ監視兵が配備された。陸軍が道路を巡回し、民兵も民間車両で捜査を行っている。チベットの首都ラサ市では夜間外出禁止を実施。同紙記者が甘粛省瑪曲県の雪道で外国人記者3人の行く手を遮っていた武装警察官に尋ねたところ、この警官は、「チベット族の情勢は非常に厳しく、彼らは面倒事を起こしている。これは極めて敏感な時期のことだ」と答えたという。

 中共当局はチベット人に現金をばら撒いただけではなく、チベットで臭いものに蓋をし、為政者を讃える春晩のようなパーティーを設け、50年前チベット人に対し行った血なまぐさい弾圧を「農奴解放日」にすり替えるための祝賀を行い、これにより一貫した引き離し、分化瓦解対策効果を発揮させ弾圧を合法化させようと企てた。

 ダライラマはチベット歴新年祝辞のなかで、2008年の平和抗議で「チベット人数百人の尊い生命が失われ、数千人が逮捕されたうえ残酷な虐待を受けた」ことを指摘した。「このような悲惨な境遇を鑑みて、国内外すべてのチベット人は新たな一年を迎えるに当たり、いつもと同じように祝賀活動を行うべきではない」。

 ニューヨークタイムズはこの瑪曲県からの報道の中で、チベット地区には強制的に押さえつけられている反感が至る所に充満している。新年期間、中国にいる600万人のチベット人の多くはチベット歴新年の祝賀に参加しないことを選び、2008年の衝突に中で命を落とした同胞に哀悼の意を捧げ、ラマ僧たちは青海省と四川省一部地区で集会を行ったと伝えている。

 *弾圧を目撃したニューヨークタイムズ記者は20時間拘束

 ニューヨークタイムズはさらに、中国指導層が既に最もひどい状況を準備。兵を出動させ、2008年以来最大規模の兵力配備をしたと伝えている。同紙記者は最近車で甘粛省を通り、ちょうど弾圧行動を目の当たりにしたため、警察に20時間も拘束されたという。

 前述の武装警察と監視兵のうち6人は北京に部門を設置し、2008年8月の五輪期間は「鳥の巣」を監視していたが今年2月にこちらへ送りこまれたと話している。彼らの任務にはこの地区に外国人を入れないという事も含まれている。理屈から言えば、外国人がこの地区を旅行するのに特殊な許可は不要なのだが、警察側は拘束した記者に対し何の説明もしなかったという。

 *中共当局は戒厳説を否認

 中新社北京によると北京で人民大会議に出席したチベット自治区主席・向巴平氏は、最近のチベットでは事故なども起きておらず、チベット民衆は今問題なく過ごしており、全地区で安定した和やかな雰囲気であることを強調した。「大きな事件などあり得ない」

 ある情報がチベット同胞のチベット歴新年活動に抵抗したためラサなどで戒厳令が敷かれたと伝えたことに対し向氏は、チベット歴新年期間において何事も起きておらず、「我々は戒厳などしたことはない、今まで戒厳したことはない」と話したという。

 しかし、チベット権益促進団体によると、2月25日のチベット歴新年1日目にして四川省格尓登寺のラマ僧が寺の付近で焼身自殺抗議を行い、警察に拳銃で撃たれ死亡したが、現地警察はこれを否認しているという。

 西蔵之頁ウェブサイトによると、3月5日から現在まで中国共産党公安は先ず、チベット・アムド(青海省海南チベット族自治州)貴南県ルツァン寺(魯倉寺)の僧侶120人に対し厳しい取り調べを行い、この間に一部僧侶は公安職員からひどい暴力を受けたという。情報では3月4日午後4時前後、中共はルツァン寺においてさらに9人の僧侶を逮捕した。

 現在中共公安職員は同寺院に駐留し、ひとりひとりの僧侶に対し厳しい制限と調査を行っており、僧侶たちは勝手に寺院を出入りすることを禁じられている。

 3月2日、中国共産党は『西蔵民主改革50周年』という白書を発表。いわゆる解放後、チベット人たちは民主体制及び居住も安定し職を持ち楽しく暮らしているなどとはばかりなく公言している。これに対しチベット亡命政府は、中共の白書に書かれている内容には新鮮味がなく、言及するに値しないと一蹴した。

 
(翻訳・坂本)


 (09/03/08 22:59)  





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