【大紀元日本9月30日】27日に行われたドイツの連邦議会選挙で、メルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU-CSU)が33・8%を獲得し、14・6%の得票の自由民主党(FDP)との連立を踏まえて、「安定した過半数を確保した」とメルケル首相は勝利を表明。得票率23%で惨敗した社会民主党(SPD)との過去4年間の連立を打ち切り、同首相が望んでいた中道右派政権の樹立が可能になった。ビジネスに支援的な、経済の自由化をはかる政策が期待されている。
世界で中道左派政権が台頭する風潮の中、メルケル政権の樹立は、世界各紙の注目を集めている。28日付ドイツ「シュピーゲル・オンライン」の紹介から、欧米有力紙の反応を抜粋した。
米紙「ワシントンポスト」は、メルケル首相の「決定的な勝利」と表現し、連立するFDPは、従来から政治経済面で米国支持の立場にあるため、ワシントンとはさらに緊密になると予測。しかし、グアンタナモ収容所の囚人の再定住問題など、ワシントンからの要求に直面することは避けられない。
英紙「タイムズ」の社説では、「ドイツ、ヨーロッパ、民主主義にとっての朗報」と、メルケル首相の勝利を前向きに評価している。「これでSDPとの大連立に終止符が打たれ、 イデオロギー上に矛盾のない確固とした政策で、ドイツに必要な改革が実践できる機会が与えられた」と解説する一方、今回の選挙による国際レベルでの敗北者はトルコと推定する。過去11年にわたり、トルコのEU加盟に最も積極的だったSDPが、新政権体制では野党になってしまう。トルコは今後、懐疑的な独・仏・伊政府に直面することになる。
一方、左寄りの米紙「ニューヨーク・タイムズ」は、選挙結果は、キリスト教民主・社会同盟にとって、4年前に比べて1・4%の落ち込みで、60年間で最悪の結果と警告し、メルケル首相の党首としての信任が今後党内で問われることを指摘している。しかし、望み通りの自由民主党との連立で「大胆な経済措置の導入が可能」とプラス面も挙げている。
仏紙「リベラチオン」は、ビジネス促進を推進するFDPとの連立に関して「特定のリベラリズムが金融危機の起因であることが明白な中で、リベラリズム促進のFDPが与党になる」ことは現状に矛盾するとし、国境を越えた左派の動きが必要と主張している。
伊紙「コリエーレ・デラ・セラ」は、メルケル氏の続投をほとんどのドイツ人が望んでいたのは明らかだが、残念なことに独政治は細分化してしまったと嘆く。つまり、もはやドイツの政治には二極対立は存在せず、選挙結果によって複数の連立が可能となってしまった。「責任と信頼のおける政党を順に選び出すという従来のドイツ人が尊んできた政権交代はなく、ドイツは、安定性に欠け、予測しにくい国となってしまった」とドイツのイタリア化を憂えている。
(編集・鶴田)
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