THE EPOCH TIMES

一国二制度の香港で、文化が政治の壁に突き当たる 勝つのは?

2010年01月27日 10時14分
 【大紀元日本1月27日】今日は1月27日。5千年の中国伝統文化の精髄を、中国の古典舞踊や音楽の形に載せて表現する「神韻芸術団」の香港公演が今日スタートするはずだった。ところが、重要な役割を担う6人の舞台製作スタッフのビザ申請が、香港当局から公演直前になって却下されたため、公演は中止に追い込まれた。

 「このすばらしい公演を見て、中国のような長い歴史と美しい文化を持つ国に、どうしてあのような凶暴な政治制度が存在しうるのか理解できなかった」。1月20日、ワシントンのケネディセンターで公演を見た観客の一人、映画俳優のルディ・レイエス(Rudy Reyes)さんはこう語った。同公演が香港で予定通りに上演できなくなった理由は、正にここにある。政治的要素が絡んでいるのである。

 08年米大統領選挙の民主党大統領候補、デニス・J・クシニチ(Dennis kucinich)議員は、1月21日夜、ケネディセンターで神韻公演を見た後、こう語った。「今晩ここで見たこの公演は、あらゆる面で驚嘆に値する芸術であり、それによって得た感動を表現する言葉に窮します。神韻芸術団の舞踊、芸術性、音楽、演出のすべては、私たちに啓発を与えてくれ、私たちの心と魂を洗礼してくれました。ケネディ大統領が提唱する『芸術を通して人類の精神を昇華させる』という価値観を思い出すと、ケネディセンターの他にこの公演の上演にふさわしい場所はないと言えるでしょう」

 海外では「人類の精神を昇華させる」純粋な文化公演が、香港ではどうして政治的な要素が絡んでしまったのか。

 海外の優秀な華人アーティストを網羅した同芸術団は、06年ニューヨークで設立。中国共産党政権によって破壊された中国の神伝文化や人類の正統な伝統的価値観を復興させることを趣旨とする。07年に世界各地の巡回公演をスタートして以来、これまで中国本土を除き、世界100以上の都市で上演を行い、圧倒的な勢いで世界へ広がっている。「純粋な善と美を示す伝統文化の普遍的な価値観」は、国や民族を超え、世界各地の観客から高い評価を得ている。

 中国本土にもっとも近い香港に迫るのは、今回が初めてだった。世界各地の公演がもたらした口コミの力なのか、共産政権前の伝統文化への回帰を望む香港の人々の期待なのか。27日から31日の間に予定されていた7公演の切符は、一週間で完売するほどの人気で、香港内外で大きな注目を集めるイベントとなった。

 香港公演中止に、団長の李維娜(リー・ウェイナ、Vina Lee)氏は、「単なるビザの問題ではない。政治的な迫害だ」と指摘している。

 中国共産党政権から独立している同芸術団に、北京当局からの妨害は絶えず続いた。08年2月、韓国釜山での公演も、中国大使館からの圧力で、劇場側が上演契約を直前になって破棄したため、中止を余儀なくされた。かつて3回の来日公演でも、中国大使館から圧力を受けた劇場があった。

 つい最近では、カナダで、中国紙「明報」の名義で、神韻公演に対する名誉棄損の内容を現地の中国人に伝えようとする電子メールが出回った。香港を本部とする「明報」社は、自社の行為ではないと否定し、調査した結果、中国大使館絡みの可能性があると推定されている。

 神韻公演への妨害は、これだけに止まらない。07年に神韻芸術団が世界巡回公演をスタートして以来、ほぼ同時期に、中国大陸の背景を持つ公演が神韻公演の会場に近い劇場で計画されるということが増えている。08年米国の中小都市でも、神韻が上演される劇場の近くで、人々に中国大陸の背景を持つ公演のチケットを無料で配り、神韻公演に興味を示す観客を奪うという事件もあった。

 一国の国民の全体意識に影響を与える文化が、自由価値観のない共産党イデオロギーの中国で純粋に存在する可能性はありうるのか、考えさせられる。孔子学院や世界仏教フォーラム、中国文化の名義で行われる数々の文化交流活動は、実際には、北京当局が海外へ進出する統一戦線策略の一つにすぎない。中国大陸で北京当局が作りだした文化形式は、内容・目的とも、「党」の影から免れることはほとんどないであろう。

 では、中国共産党イデオロギーに影響されない純粋な文化が、政治イデオロギーに突き当たった場合、どちらが勝つのか。

 上述のルディ・レイエスさんは、神韻公演からある奇想を得た。「すべての中国人は心の奥底に自国の歴史文化が刻まれている。神韻公演を見ることによって、それが呼び覚まされ、共産党イデオロギーに注ぎ込まれた悪の念が解体され、精神が解放される」

 08年2月の釜山公演が中止に追い込まれた後、1ヶ月後に、各界の努力で釜山近くの大邱で上演が実現した。釜山での上演中止と再上演を経験した米国神韻芸術団の李維娜団長は、今回の香港公演も必ず行われると信じている。「時間の問題だ」という。

(報道・趙MJ)


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