温家宝、金融危機に警鐘

2006/06/18 07:54
 【大紀元日本6月18日】温家宝は、このほど開催された金融会議において、金融問題は経済発展、社会の安定、政局の安否の鍵を握っており、一旦爆発すれば、収拾困難な、全面的な災難になると述べた。

 国務院において開催された金融関連の会議

  「五一(中国のゴールデンウィーク)」の後、温家宝は、金融問題に関連する会議を2度開催した。その一つは、国務会議であり、金融環境について討論した。この会議には、財政部、中央銀行、銀監委、外貨管理局等が参加した。もう一つの会議では、金融危機について討論した。

 温家宝が警鐘を鳴らす

 温家宝は、国務会議で、次のように述べた。「国民経済成長についての数字、外貨準備の新記録、各地の大型プロジェクト投資に関する報告によって発奮してはならず、私はこの点について警鐘を鳴らす。同様に、私は、数字、記録、報告を見て過度に発奮し、ひいては陶酔してはならないことを皆に求める」。

 温家宝はまた、次のように述べた。「中央のマクロ調整政策は、無形の挑戦、排斥を受けると共に、必要な部分だけが利用され、予想した効果があがっていない。一部の地区、意思決定系統にあっては、抵抗が続いており、これが、法律、法規を実施するに際して、人為的な抵抗、妨害という形で現れている。 私が相当懸念しているのは金融状況であり、これは、経済発展、社会の安定、政局の安否の鍵を握っている。これが一旦爆発し、崩壊すれば、収拾が困難な、全面的な災難となり、その結果は誰にも引き受けることができない」。

 温家宝の三つの懸念

 温家宝はまた次のように述べた。「私が最も懸念しているのは以下の3つである。農村の農民の命である土地。都市住民、民工の居住。医療、教育、金融システムの状況。金融システムの管理に関する問題は複雑で、奥が深く、政治、経済、社会、国際等の側面における知識に関わってくる問題である。また、それは、現代のマネジメント技術にかかわる問題であり、国家及び事業に対する忠誠及び道徳上、引き受けるべき職責でもある」。

 温家宝、金融危機に言及

 温家宝は、金融危機問題に関する会議において、次のように述べた。「金融システムにおける問題は、数十億、数百億、数千億の経済的代償、更には、一部地区、全局的な社会の動乱という政治的代償を伴うものである。これは、特定の部門、指導者が引き受けることができないものである。金融システムの問題は、これまでに途絶えたことがなく、以前のものが存在する一方で、新たなものが発生しており、更に複雑なことに、以前のものと新たなものとが累積していることである。最も突出しており、最も普遍的な問題は、中央の命令が通用せず、下に伝わらないことや、地方主義、多元主義的行動、法規・法律の違反、相互の結託である。私は、こうした表現を使いたくないが、事実上、これらは毎日発生しており、しかも、悪化、蔓延を続けている。

 温家宝はまた、次のように述べた。「法規・法律によって自己の職能を制約する必要があるが、そうすべきであっても、実現は容易なことではない」。温はまた次のように警告した。「国際面で、金融のカードを使って私たちが圧力をかけられることがあっても、私は恐れない。私が最も恐れているのは、私たち自らが、金融に関する法規を毀損していくことである」。

 政府の発表または内部から明らかになった関連数字

 以下は、四月下旬から五月中旬にかけて、政府の発表または内部から明らかにされた金融関連の数字である。

 (一)国家財政部は、2001年5月から今年3月末にかけて、四大国有銀行

 の不良債権に対し、合計で15回、3兆4700億元の資本注入が実施された。最近の2回の事例として、四月初旬に、中国銀行に対して1370億元の資本注入が実施され、5月初旬に、中国工商銀行に対して850億元の資本注入が実施された。資本注入が行われた要因として、中国銀行は、5月下旬に香港で上場をすることとなっており、工商銀行も、7月又は8月に香港に上場する予定となっていた。

 (二)四大国有銀行について、3月末時点において報告された不良債権は2兆

 3500億元に達しており、このうち、中国工商銀行は8670億元余り、中国銀行は5450億元余り、中国建設銀行は6830億元余り、中国農業銀行は2540億元余りであった。

 (三)115の地方商業銀行について、3月末時点において報告された不良債

 権額は、1兆5470億元余りで、このうち、52の地方銀行は破綻に直面しており、政府からの資本注入によって経営を維持している。

 (四)三大国有政策銀行について、3月末時点において報告された不良債権は760億元余りであり、このうち、国家開発銀行は26.5億元、農業発展銀行は144.8億元、輸出入銀行は、592.8億元であった。

 (五)4月末時点において、中国の外貨準備は9200億ドルに達している。

 (六)金融機関における預金は、12兆3000億元に達している。

 (七)各種債券の額は、2兆1000億元に達している。

 (八)社会において保有されている現金は、2兆2000億元~2兆5000億元である。

 主要省・区、直轄市における不良債権の状況

 以下は、主要省・区、直轄市が、3月末時点において報告した不良資産の状況である。

 広東省;7200億元余り、

 浙江省;3100億元余り、

 山東省;1900億元余り、

 江蘇省;2700億元余り、

 上海市;1900億元余り、

 遼寧省;2300億元余り、

 福建省;1200億元余り、

 黒龍江省;1500億元余り、

 河南省;870億元余り、

 湖北省;790億元余り・・・。

 金融システムのリスクに関する状況

 中国社会科学院の報告によると、金融危機または社会の動乱の要素が発生し

 た場合、金融機関は、大・中都市の預金者の取り付けに対して、わずか5%か

 ら7%にしか対応できない。

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