麻生外相は21日、自民党本部で記者会見し、9月の自民党総裁選への立候補を正式表明した。経済政策では経済成長力強化に力点を置き、税制面では研究開発・投資減税など大胆な政策減税を行うとした。経済成長に伴う税収の伸びがわからない段階で、「間接税を何年にいくら上げるかを言うのは、軽率のそしりを免れない」とも述べ、消費税率の引き上げ幅や時期についの言及は避けた。
麻生氏が総裁選に立候補するのは、小泉首相が圧勝した2001年4月以来、2回目となる。「(前回総裁選から)5年3カ月27日が経過。この間、次の総裁選に立候補できるよう、力を蓄えるべく努力してきた」と述べ、既に立候補を表明している谷垣財務相、出馬意向を事実上表明している安倍官房長官など他の候補より勝る「経験」を武器に総裁選を戦っていく、と決意を明らかにした。
会見では、同時に「日本の底力」と題する政権構想を発表。主要政策として、(1)経済成長、(2)教育改革、(3)外交の転換──を挙げた。
経済政策では「経済成長に新たにカジを向けた政策をとっていくべきだ」と強調。税制改革で大胆な政策減税を主張した。
麻生氏は「経済成長をしていかなければ日本とうい国の先はない」とし、そのためには「ITやナノテクはじめ研究開発投資は絶対避けて通れない。これこそが次の世代の財を生み出すもとだ」と述べ、投資関連減税などによる成長戦略を挙げた。
また、減税財源に関連して、経済成長によってどの程度増収になるかわからない今の段階で「間接税を何年にいくら上げるかと言うのは、軽率のそしりを免れない」と指摘。中長期的な財政健全化のためには、2010年代半ばまでには消費税率を少なくとも10%程度に引き上げる必要があると主張する谷垣財務相との立場の違いが鮮明になった。
財政再建に関しても政権構想のなかで「必要な増税は国民にお願いする」としながらも、歳出削減を優先する立場を強調。「財政再建原理主義は取らない」、「赤字解消は急がなくてはならないが、原理主義に陥って、景気を中折れさせてはなならない」として、「財政(健全化)それ自体が目的ではない」との立場を明確にしている。
ゼロ金利政策解除後の金融政策では、「立て続けに(金利を)上げる状況ではない」との認識を示した。
外交政策では、「首脳外交が全く行われないのは歪んだ形で、断固直していかなければ
ならない」と述べ、首相の靖国神社参拝によって首脳外交が途絶えている日中関係や日韓
関係の改善に取り組む考えを強調した。
政権構想の骨子は以下の通り
・主要政策:経済成長、教育改革、外交の転換の必要性
・豊かさ実感倍増計画を提唱:生産性、生活空間などの倍増
・経済政策
今の日本に必要なのは持続的かつ安定した経済成長
産業界が新しい技術に挑戦し成長分野に進出できるよう、大胆な政策減税を行う。
まずは徹底的な歳出削減を優先し、その後に必要な増税を国民にお願いする。
財政健全化には持続的かつ安定した経済成長が必要。生産性向上やグローバル戦略
などの政策が不可欠。
・教育改革
義務教育開始年齢の1ー2年前倒し
教育費の負担軽減と多様な選択
・外交政策
日米同盟を基軸としつつ、アジアの安定を求めていく。特に良好な日中関係はアジ
ア地域安定のために不可欠。
東アジア共同体を日本主導で実現することを目指す
・政治改革
中央省庁を再編し政府の司令塔機能を強化する必要
地方分権:将来、道州制の導入へ
自民党改革:内閣との一体化。与党政調部会幹部と内閣の副大臣・政務官の兼務。
政調会長が政策とりまとめ担当大臣として入閣。
[ロイター21日=東京]
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