印刷版   

(ネット写真)

「心が動じない」という「忍」

作者・唐開

 【大紀元日本12月18日】

 漢字は実におもしろい。「忍」という字をよく見てみると、「心」に「刃」が刺さっているではないか。痛いはずだが、刺されている心は安定していて、まったく動じない様子。痛さを我慢するという「忍耐」ではなく、痛ささえも感じない、心が動揺しないことこそ、本当の「忍」の境地であり、古人がこの字で私たちに伝えたかったことかもしれない。

 中国では昔から「忍」の精神が語り継がれてきた。漢の時代、劉邦の大将軍をつとめた韓信という名将は、小さい時から「忍」の精神が並の人ではなかったという。彼は少年時代から武術をたしなみ、武術者としていつも剣をさげていた。ある日、彼が街を歩いていると、ならず者が道の真ん中で仁王立ちして韓信に、「お前は偉そうに剣をさげているが、人を殺す勇気があるのか。殺せるものなら、俺の頭を切り落としてみろ。殺す勇気がなければ、俺の股下をくぐって行け」と挑発した。韓信は周囲のあざけりの中、本当にその股下をくぐった。どんな時も衝動に煽られず、「忍」という動じない心を持っているからこそ、後に偉業を成し遂げたのだと後世は彼を讃える。

 また、安徽省の九華山で大興和尚が修行していたときのことである。ある日、突然お寺に大勢の人が押し寄せ、和尚を激しく殴り罵った。実は山の麓の村で、地主の娘が結婚前に出産し、父親が激怒し「相手は誰だ」と問い詰めたところ、娘がとっさに「大興和尚」と答えたのだ。地主は村の人々を連れて、けりをつけに来たわけで、生まれたばかりの赤子も和尚に押し付けていった。ほどなくして噂が広まり、かつて尊敬を集めていた和尚は、一気に罵りの的となってしまった。しかし、赤子を育てるため和尚は毎日恥に耐え、ミルクと食べ物をもらいに村まで来ていた。このように、日々の屈辱に耐えながら、赤子を育て上げた。

 数年後のある日、突然お寺にまた地主達がやって来た。和尚が笑って、「ずっとお待ちしておりました」と。実は地主の娘は、ある書生と密かに誓いを結び身ごもったが、父親には和尚の子だと偽った。功なり名上げた書生が求婚に来て、娘はようやく真相を父親に告げた。地主は和尚の許しを請うたが、「怒ったことがないのに、何を許せと?子供を連れて行きなさい」と静かに答えた。

 孔子の言葉に、「小忍ばざれば則ち大謀を乱る」(小さな事を我慢できないようでは、大きなことを成し遂げることは出来ない)がある。辱められても、勇気を持って耐え、動揺しない。刃が刺されても動じない。そういう修養と意志、真の意味での「忍」の心を持ちたいものだ。

(翻訳編集・心明)


 (09/12/18 05:00)  





■関連文章
  • 法輪功アジア交流会、台湾で開催 9国6千人が参加(09/11/25)
  • 【捷足先登】行動の早い者が先に目的に達する(09/11/01)
  • 第23回「真善忍」国際美術展、東京・西大島で開幕(09/10/09)
  • テルアビブ大学での『真善忍』展、途中撤去 企画した学生側が勝訴 =イスラエル法廷(09/10/07)
  • 【本との話】戦中忍法の極意~風眼抄~(09/09/10)
  • 暗黒に輝く崇高な精神:「真善忍」国際美術展、埼玉で開催中(09/08/01)
  • 【神伝文化】徳をもって天を敬う(09/02/24)
  • 華人心理学者「神と一緒に帰れる」(09/01/27)
  • 漢字の神秘(5):善(08/08/22)
  • 【8月13日(火)】愛知県豊田市で第13回の真善忍」国際美術展の開催(08/07/28)
  • 【エンタ・ノベル】麻雀の達人(2)-祖母の血脈、不敗の盲牌-(08/06/15)
  • 四日市で国際「真善忍」美術展 (08/04/26)
  • 1999年中南海直訴「四・二五」の参加者、真相を語る(08/04/25)
  • 「忍者ツアー」、外国人観光客に人気(08/02/22)
  • 【神韻芸術】共通の価値観を実感、「真・善・忍」に感銘=ジャーナリスト(08/02/15)