欧州議会 中国「臓器狩り」停止求める決議を可決

2013年12月16日 06時00分
【大紀元日本12月15日】欧州議会は12日、中国で起きる強制的な人体臓器の奪取(臓器狩り問題)について、即刻止めるよう中国政府に求める決議を可決した。

 会議はフランスのストラスブールで開かれた。決議案には「宗教・信条を理由に投獄された多数の法輪功学習者や少数民族を含む収監者から、中国政府の指示で組織的な人体の臓器奪取が行われていることについて、信頼できる報告書が継続的に出されていることに強い懸念を示す」と記された。

 決議では、中国政府は次の要求と回答を求められている。▼即刻の人体臓器の強制奪取を停止 ▼国連の要望である拷問、信条の自由、臓器奪取の事実に関する特別官調査団の訪問の受け入れ ▼法輪功学習者を含む全ての良心の囚人の即時釈放

 また、EUは「中国での非倫理的な臓器移植手術の実行に関わった人物の起訴」のために「完全で透明な調査」を行うとしている。

 中国政府は死刑囚の臓器を移植用に摘出することについて、2015年までに段階的に廃止すると今年8月発表しているが、欧州議会はこれを「受け入れられない」とし、即刻停止を要求している。

 決議では欧州連合(EU)加盟国に、中国の非倫理的な臓器狩りに関して公に批判し、国民への周知を呼びかけた。出席議員は欧州議会議長に、同決議を欧州連合の関連機構、国連人権理事国および中国政府に送るよう求めた。

 議会では法輪功の弾圧についても上げられた。出席議員は「中国共産党は1999年7月、心身修養法である法輪功の根絶のために集中的で全国的な迫害を開始した。これまでに何十万人もの法輪功学習者の逮捕 ・拘留を行った」と発言した。また強制的な臓器摘出はウイグル族、チベット族の収容者も対象となったとの調査もあるという。

 他にも議会では次の様に発言された。

 ツンネル・ケラム(Tunne KELAM)欧州議会議員
 「中国は巨大で暗黒な臓器取引市場を築き上げ、外国人に臓器を販売している」

 ラウル・ロメヴァ・イ・ルエダ(Raül ROMEVA i RUEDA)欧州議会議員
「信頼できる報告によると、中国では系統的に政府の容認の下、法輪功などの良心の囚人からの臓器摘出を行っている」

 クリスティーナ・オユランド(Kristiina OJULAND)欧州議会議員
「(臓器狩りは)即刻停止させねばならない。そのためにEUが最低限できることは中国で起きている不道徳な臓器移植行為を公に譴責し、中国での臓器移植を考えている欧州公民に知らせることだ」

エドワード・マクミラン・スコット(Edward McMillan-Scott)欧州議会副議長
「欧州議会は5億人の欧州の民意を代表している。おぞましい事に良心の囚人、特に数多くの法輪功学習者が拷問を受けている。最悪なことに彼らの命が政府主導の巨大利益を生む臓器狩りによって奪取されている」

 非人道的な臓器狩り停止へ前進

 スペインの全国臓器移植機構代表ラファエル・マテサンズ(Rafael Matesanz)医師は「EU28カ国の代表が一致して中国政府へ非倫理的な行いをやめるよう要求した。この決議は非常に重要で歓迎されるものだ」と、電子メールで大紀元に回答した。

 法輪大法情報センター(FDI)のスポークスマン・張而平氏は、この度の決議に「世界的に権威ある民主主義組織が、非人道的な行いを受け入れがたいとする強い警告を中国共産党政権に送った」と述べた。

 人権組織「臓器の強制摘出に反対する医師会(Doctors Against Forced Organ Harvesting、DAFOH)」代表のトルステン・トレイ医師は決議について、臓器奪取問題について強い圧力を与えたと述べた。「多くの国と地域が、早急に中国に対して21世紀の基本的人権に従い行えるよう指針を示した」と、大紀元の取材にメールで答えた。

 トレイ医師は2012年、臓器狩り問題について初めて公にした人権弁護士デービッド・マタス氏と共著で『State Organs』 (邦題・中国の移植犯罪 国家による臓器狩り、2013年)を出版し、専門家らの分析と調査により臓器狩りに絡む中国の国家利益と権力闘争について解き明かしている。

 この欧州議会では、国連でも参照された、カナダ政府前アジア太平洋大臣デービッド・キルガー氏とデービッド・マタス弁護士により編成された特別調査団による「中国臓器狩り」に関する調査報告書が参考にされた。この報告書は欧州議会の決定だけでなく、他国の法律も変え、人権組織を動かしてきた。

 12月9日、DAFOHは国連高等弁務官に中国の法輪功学習者からの「強制的な臓器の奪取の即時停止」を求める嘆願書とこれに同意する世界53カ国148万人の署名書を提出した。

 12月6日、カナダ政府は、ドナー(臓器提供者)本人が臓器移植を望まない場合、移植手術を受けるのを禁止する法案を採択した。

 米国下院では、政治犯からの強制的な臓器摘出に反対する165人の共同提案者が挙げた法案が採決される予定。

 オーストラリアのニューサウスウェールズ州議会では2014年初めにドナー本人の許可のない臓器移植を受けることを禁止する法案が提出される予定だ。

 「独裁制」保つ社会システム

 エストニアからの欧州議会議員であるケラム氏は、中国の強制臓器摘出の背景にある要因は、独裁的な全体主義の社会システムにあると指摘する。ケラム議員は新唐人テレビの取材に対して「私は全体主義の社会システムをよく知ってる。独裁的な政治権力は何でもすることが出来る」と述べた。

 12月11日に欧州議会で開催されたフォーラムでは、スコット欧州議会副議長は「おそらくこの世で最も恐ろしい恐怖政治の国」「中国の政治は全体主義により抑圧的、残忍、独裁的だ」と述べている。

 法輪大法情報センターの張氏は臓器奪取という残忍な手法は「すべての反対意見を封鎖し根絶するための中国共産党の基本的な手法の一つ」と話す。「現代中国の不当性による問題の最終的な解決には、中国から共産党を切り離すことが必要だ。中国国民が自由に自らの信条と伝統的な価値観を保つことができるようになるために」と張氏は締めくくった。

(文=ステファン・グレゴリー/翻訳編集・佐渡 道世)
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