カナダ大学、提供臓器問題で長春大学と提携中止 大型病院で「手術練習」

2014年12月24日 08時00分
【大紀元日本12月23日】中国吉林省の長春大学と25年の提携関係にあったカナダ・ケベック州のラヴァル大学は、「死刑囚と政治犯の臓器を移植用に使用」との疑いがあるとして、長春大学との医学交流を打ち切ると決定した。ラヴァル大学の内部文書を地元紙「ル・ソレイユ」が17日付で伝えた。近年、中国の不透明な臓器提供をめぐり、国際社会から批判の声が高まっている。

 疑惑は5月、ケベック州医学交流代表団の長春訪問時に浮かんだという。ラヴァル大学の内部文書には「複数の確かな証拠によると、中国では死刑を処された政治犯の臓器が移植用に使われている」「疑惑が払しょくされるまで、中国との医学交流のプロジェクトを中止する」と記されていた。

 両大学は医学部学生の交換留学などの交流活動を長年、行ってきた。今年5月長春市を訪問したばかりというラヴァル大学医学部外科イヴァン・ドゥビル(Yvan Douville)部長は「ベッド数3500の大型病院で、何回も腎臓移植手術を練習した」と述べた。

 中国には、ビジネス目的で臓器移植用臓器を摘出するため、政治犯含む囚人に死刑が執行されているとの疑念がかねてから掛けられている。ドゥビル部長は「臓器提供のために死刑宣告するとなど考えられない。中国がそうしているかどうか、私にはわからない。証拠はないが、もし疑いが事実であれば倫理的な問題があり非難されることは確かだ」と述べた。

 「死刑囚から臓器を提供するよう強制することは出来ない。(死刑囚の臓器利用を)止めるための国際社会の圧力がかかっている。(止める以外)中国政府に他の選択肢はない」とドゥビル部長は加えた。

 刑務所は「臓器バンク」 法輪功含む良心の囚人が対象

 中国の臓器収奪問題、通称『臓器狩り』を世界に提起したのは、カナダの元アジア太平洋地区担当大臣デービット・キルガー氏と国際人権弁護士デービット・マタス氏だ。独立調査団を立ち上げ同問題を探った報告書には「不当な理由で、囚われの身となった法輪功学習者が、生きたまま臓器奪取されている」「刑務所は『臓器狩り』のための臓器バンクとなっている」とショッキングな内容を伝えた。この調査報告書と関連書籍は『中国臓器狩り』『国家による臓器狩り』として、日本でも日本語で読むことが出来る。

 対する中国政府は矛盾する説明を繰り返してきた。長年、死刑囚からの臓器提供を固く否認していたが、2005年7月、衛生部(厚生省)の黄潔夫・副部長(次官)が国際保健機構(WHO)の会合ではじめて「渋々と」認めた。しかし2006年3月28日、外交部の秦剛・報道官は定例記者会見で、「中国で死刑囚が臓器提供ドナーになっているとの噂は、真っ赤な嘘であり、中国の司法制度に対する悪意ある攻撃だ」と発言した。

 皮肉なことに中国当局が公表するデータは、カナダ調査報告書の裏付けにもなっている。これまでの当局発表と国内メディアの報道によると、2000~2005年の6年間は計6万件の臓器移植を実施した。一方、法輪功弾圧が始まる以前の1999年までの合計は1.85万件に留まっている。「なぜ弾圧直後から、移植用臓器が急激に増えたのか」という疑問の声に、中国政府からの納得のいく説明はまだない。

 国際批判が強まる中、前出の黄潔夫・副部長は2012年から「死刑囚の臓器利用を停止する予定」との発言を続けた。これについて、大紀元の取材に答えた米政府系シンクタンクの元研究員で中国問題専門家ジャーナリストのイーサン・ガットマン氏は「国際社会の追及を避け、国家ぐるみの臓器収奪の組織犯罪を隠し通すための策略に過ぎない」と見方を示した。

 ガットマン氏は実態調査に取り組む有識者の一人。7年間をかけて、数百人の中国法輪功学習者ほか、中国の収容施設の責任者、医師、法輪功弾圧を執行する幹部などを取材してきた。ガットマン氏は今年8月出版の著書「大虐殺(Slaughter)」で「これまでに6万人以上の同愛好者は臓器収奪の被害者になった」と明かした。

 モントリオールのノートルダム病院の腎臓内科医師で腎臓移植権威のマリーシャンタル・フォーティン氏は、中国では「臓器はドナーからではなく、誰かが(移植のため)殺害される」と訴える。臓器移植のために中国へ渡航するのは「とても患者に勧められない」と述べた。

(翻訳編集・叶子)
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