印刷版   

06年に発生した蜂群崩壊症候群は、いまだ原因が解明されず、被害拡大が続いている。(SERGEISUPINSKY/AFP/Getty Images)

消えるミツバチ 原因不明の蜂群崩壊症候群

 【大紀元日本4月24日】06年に発生した蜂群崩壊症候群(ほうぐんほうかいしょうこうぐん)[CCD:Colony Collapse Disorder]は、大量にミツバチが失踪あるいは死亡する現象。いまだに原因が解明されておらず、被害は拡大する一方で、昨年の冬も養蜂が大量死しているという。ある研究では、ミツバチの花粉や巣からは殺虫剤の成分が大量に検出されたことが確認されており、これが大量死の一因ではないかと考えられている。

 *突然消えるミツバチ

 ミツバチの減少は、ここ数十年来の現象。米農務省(USDA)は、今年のミツバチは、ほとんどが寒波の後に生存困難になったことを報告。専門家は、寄生虫を含むウィルスや栄養失調、殺虫剤などの様々な起因を指摘している。

 ペンシルバニア州立大学の研究者デニス・ファンエンゲルスドープ(Dennis van Engelsdorp)氏は、多くの養蜂業者が苦労しながら受注に対応している事実を挙げ、ミツバチの死亡率が非常に高くなっていることを裏付けると語る。養蜂業を営むブローニングさんは、アーモンドの受粉のために自分のミツバチの巣箱をアイダホ州から船でカリフォルニア州に運んでいる。ある時、巣箱をチェックしたら、数百の巣箱ほとんどが働き蜂に放棄されたのを発見し、愕然とした。数年前の当時、多大だと思っていたが、現在の損失はその3倍以上にあたるそうだ。「船の積み込み時に発見したのは一度や二度ではない。毎回必ず死んだミツバチを発見する」と同氏は語る。

 *ミツバチの減少は人類にとって大きな打撃

 米メリーランド州ベルツビルのミツバチ研究所のジェフ・ペティス(Jeff Pettis)氏は、過去4年の間、ミツバチが原因不明で死ぬ現象がますます深刻化していることを危惧している。カリフォルニアのミツバチは堅果の花の花粉を運び、アーモンドなどの生産量を増加させている。しかし、現在3分の1のミツバチが花粉を伝播するのに十分な巣を探すことができず、世界のアーモンド生産量に大きな影響をもたらすことが明らかになっている。

 もし、地球上からミツバチがいなくなった場合の、人類への打撃ははかりしれない。

 果物や野菜、木の実や種子など、人類の食物の多くはミツバチの受粉に頼って生産されている。食品に留まらず、ミツバチは生態系上、人類にとって不可欠な存在だと研究者は指摘する。

 *様々な起因説

 ミツバチの大量消失や死亡の起因は明らかにされていない。米農務省研究員がミツバチの内臓を検視した際、ミツバチの腹部に完全な花粉粒が残っていた。ミツバチたちは絶えず食事をしているにも関わらず、栄養を吸収できていないという深刻な病変が起こっている。

 科学者はさらに、病気になったミツバチが、自ら巣の外に出て死ぬことで仲間へのウィルス伝染を避けるため、ミツバチの大規模な消失が起きていると推測している。

 今のところミツバチ消失の元凶を殺虫剤とする意見が多数を占めている。米科学者グループのPublic Library of Science(PLoS)が発表した研究では、米23州で採取した花粉と蜜蝋サンプルのうちの5分の3が、少なくとも1種類以上の内吸性(*注)の農薬が含まれていた。

 また、米国環境保護庁は、殺虫剤問題はミツバチに関連するとして、関心を寄せている。花粉は通常、殺虫剤を使用しない辺鄙な地区のものであり、これらの殺虫剤は消費者が食用とする蜂蜜を脅かすことはなく、食用とされる花粉も安全だと、政府職員は強調する。だが、蜜蝋、花粉、ミツバチ、巣箱に121種類の殺虫剤が含まれているとPLoSは報告している。

 ペンシルバニア州立大学クリス・ムリン(Chris Mullin)氏は、もともと化学薬品はミツバチにとって脅威ではないが、これらの薬剤を組み合わせると致命的要素になると述べ、イリノイ大学昆虫学者のメイ・ベレンバウム(May Berenbaum)氏は、このような結果を「何かの警告である」と見解を示している。

 ペンシルバニア州立大学の研究に協力した昆虫学者マリアン・フレイジアー(Maryann Frazier)氏は、新規のニコチン性殺虫剤と特定の殺菌剤が合成されると、ミツバチに対して千倍以上の毒性となることを指摘している。また、米国養蜂協会(American Beekeeping Federation)のデヴィッド・メンデス(David Mendes)会長は、今年の蜂群の数量はすでに3割から5割減と予測されていると語る。

 ミツバチの大量消失はすでに20~30年続いているが、各国の研究からは定説が導かれていない。科学者たちは、もしミツバチ消失の速度がこのまま進めば、2035年にはミツバチは地球上から絶滅するという最悪の予測を提示している。

 (*注:害虫に対する毒殺方式。農作物上に噴霧、或いは先に農作物の根、茎や葉に薬物を吸収させ、害虫がこれらの農作物を食べた時、薬物が虫の体内に入る。)

(翻訳編集・市村)


 (10/04/24 19:13)  





■キーワード
ミツバチ  蜂群崩壊症候群  CCD  PublicLibraryofScience  デニス・ファンエンゲルスドープ  DennisvanEngelsdorp    


■関連文章
  • 速報:インドネシアで6.1Mの強震(10/04/24)
  • 米上院、中国製品に関税徴収を支持(10/04/24)
  • 地震救済の僧侶を追払う 安定維持部隊が集結、チベット人の監視強化(10/04/24)
  • 中国当局、自動車優遇政策縮小を検討(10/04/24)
  • 中国のネットユーザー、4億人を突破 SNS利用者1・9億人(10/04/24)
  • 【フォトニュース】舛添氏への人気をアピール 「新党改革」結成(10/04/24)
  • 韓国の「包み野菜」文化を世界に(下)(10/04/24)
  • エリザベス女王2世 幼少期の写真初公開=イギリス(10/04/24)
  • 韓国の「包み野菜」文化を世界に(上)(10/04/23)
  • <今日は何の日?>4月23日 シェイクスピアの誕生日、そして命日 (10/04/23)
  • 復讐を恐れてお墓に監視カメラ 大連市、「最牛」の村長が現れる(10/04/23)
  • 「15時間労働、時給40円」 マイクロソフトの中国工場、未成年者を搾取=米NGO調査(10/04/23)
  • 治安コスト7兆円、国防費に相当 「人民元で人民を圧制、悪循環化の安定維持」=国内学術報告(10/04/23)
  • 【フォトニュース】2009年度、最も安全性の優れた自動車は「スバル レガシィ」(10/04/23)
  • 中国の「脅かし」看板(10/04/23)