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「騒乱の中国 なぜか静か」=仏経済紙

 【大紀元日本4月2日】 フランスの主要経済紙ラ・トリビューヌ(La Tribune)先月28日、「騒乱の中国 なぜか静か」と題する記事を掲載した。これによれば、今、世界の政治経済の状況は非常に流動的であり、各国が政治や経済、金融など各方面での対応に追われている中、中国だけが信じがたいほど静かな対応を見せているという。同紙の論説委員、マルク・フィオレンティーノ(Marc Fiorentino)氏が指摘した。  

 先進諸国がそろって円高への対応を行っている一方、中国は協力的な動きが見られない。カダフィ政権への非難行動と一線を引くことは理解できないことはないにしても、ドル安の続いている中で、ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スペインなど西欧諸国の国債購入に各国は中国に期待を寄せるが、先週ポルトガルの国債利回りの急上昇があったにもかかわらず、中国からのバイヤーの姿が現れて来なかった。当然、沈黙・棄権といった行動は中国政府の一貫した手法であるが、しかし、この種の沈黙は、中国経済に隠れた危機が存在することを示唆しているのではないか、とフィオレンティーノ氏は疑念を示す。

 中国当局を悩ますインフレ 実際は10%か  

 中国政府が沈黙を保つのは、中東産油国の情勢を憂慮していないからではない。ただ、中国の経済成長指数が継続的に上昇している中、インフレへの懸念に当局は最も悩まされていると記事は指摘する。インフレによる中国国民の生活水準の低下も注目されている。政府が公表した2月のインフレ率は4.9%。この数値はすでに政府が予測していたインフレ率を超えているが、実際のインフレ率は10%に近いと記事は指摘する。そのため、中国人民銀行(中央銀行)が度重なる利子率の引き上げを行ってきたが、効果は限定的だという。

 深層に隠された危機

 ラ・トリビューヌ紙のこの記事は、中国を「重い泥靴を履いた巨人」と喩えた。2008年のサブプライムローンから発生した世界的金融危機以後、中国はその影響から抜け出るため、大規模な投資を行った。しかしこれら投資による効果は希望通りに行かず、最終的に今日のインフレの引金となった。最近では、当局は公共財政と地方財政および銀行の資産負債バランス表の公表を取り止めている。さらに、世界一の外貨準備国である中国は、これほど巨大額の外貨を地方財政と銀行の負債の抵当金に当て、銀行の貸付金の性格もサブプライムローンに似てきていると記事は指摘する。「このような状況はいずれ表面化する」とフィオレンティーノ氏は警告している。

 記事によると、中国の経済状況にもう一つの不安材料は株式市場だという。上海の総合工業指数は今のところ3000ポイント以下の水準で動いているが、2007年10月ごろのこの指数は6124ポイントであった。中国経済の行き先に不安要素が増している。

(翻訳編集・林語凡)


 (11/04/02 07:00)  





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