THE EPOCH TIMES

【味の話】 豚骨ラーメン

2011年06月02日 07時00分
 【大紀元日本6月2日】豚骨ラーメンと言えば九州では大変ポピュラーな食べ物。豚の骨を長時間煮込み、骨髄からでる旨味をスープのだしとして使用するラーメンである。ラーメンの種類の中では大変人気が高く、現在では全国的に広まっている。

 豚骨ラーメンの発祥地をご存じだろうか?博多・長浜と思われる方も多いかもしれないが、元祖といわれる豚骨ラーメンの発祥地は福岡県久留米市とされている。

 昭和12年、西鉄久留米駅前の明治通りに開業したラーメン屋台「南京千両」が九州版豚骨ラーメンの始まりといわれている。横浜の南京街(現在の中華街)や東京の支那そばを勉強し、出身地の長崎チャンポンにヒントを得て創作された。この時の豚骨スープは澄んだ清湯(チンタン)スープで、いわゆる白濁した「豚骨ラーメン」ではなかった。

 その後、「三九」というラーメン店が昭和22年に支那ソバ系の清湯(チンタン)スープで営業を始める。ある日、店主がカマドの火加減を他の者に頼んで外出してしまい、帰ってみたら、カマは沸騰して真っ白に白濁したスープがグツグツと煮えたぎっていた。店主はそれを見て一旦は捨てようと思ったが、開店時間が迫っていたため試しに味を付けてみたところ、とても深いコクと旨味のあるスープに仕上がり、客の評判もよかったという逸話がある。

 この「三九」の白濁スープは常連だった客が佐賀や熊本でラーメン店を開業し、その後博多へ広まったといわれている。このように久留米発~熊本経由~福岡行きの順で豚骨ラーメンは九州中に広まっていったようだ。

 現在の豚骨ラーメンは久留米市を境に県北部はスープの濃さが薄く、南に下りる程濃いといわれている。

 しかし、鹿児島ラーメンに関しては地理的・歴史的な要因からか九州ラーメンの中では唯一、久留米ラーメンの影響を受けていないといわれる。特にスープは豚骨ベースだが、鶏ガラや野菜に加え煮干や昆布、干し椎茸などの乾物も使う半濁スープで、マイルドな味が特徴だ。

 豚骨といえばイメージとして少なからず匂い(香り)があるが、店舗によっては豚骨特有の強烈な匂いが店内や店舗周辺に漂っている場合がある。この匂いこそが豚骨ラーメンの醍醐味であるとの意見もあれば、逆に匂いに耐えられないなど、豚骨臭に対する好き嫌いの差はかなり激しい。この匂いの為に、豚骨ラーメンへの抵抗感を持ってしまう人も少なくない。匂いを抑えるために、豚骨を下処理したり、ショウガなどのスパイスを加えたり、鶏ガラとのミックススープにしている店舗もある。さまざまな工夫により、豚骨の匂いが苦手な九州以外の地域でも食べられるようになったのである。

 現在では東京にも多くの豚骨ラーメン店が軒を並べており、中には東京豚骨など地元の人が好む味へと変化してきている。

(文・大鬼)


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